旅の後半に突入です。
第3弾では下の地図の➐~➒を訪れました(①~⑥は旅の前半にまわった場所です)。また、後の下線部の数字とも対応しています。
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7・9 マータレー ⇒ヌワラ・エリヤ (2011年8月3日)
アーユルヴェーダ施設にて最後の食事。とても簡素な朝食だった。
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6時半、ドライバーのΦさんとガイドのΩさんがピックアップに来てくれた。この日の目的地ヌワラ・エリヤは60㎞南南東にあるのだが、列車で移動したいとリクエストしていたため、まずはメインラインの起点となるペーラーデニヤ駅まで20数㎞南下する。
ちょうど通学の時間帯らしく、キャンディの南西5㎞に位置する駅の構内には制服姿の子供達がたくさんいたのだが、ガッツリ顔が写っているため画像を載せられず残念
ちなみに、女生徒はことごとく白いワンピース、小学生男子は薄紫色のシャツに紺のネクタイと半ズボン、中学生男子は上下白のシャツとズボンだった。制服の色は国によって全然違うから、観察すると面白い
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手前の看板にご注目あれ。左はキャンディ&マータレー方面、右はコロンボ方面と書かれている。そう、この駅はジャンクションになっていて、自分が目指すヌワラ・エリヤ方面(終点はパドゥッラ)を含めて3方向へと列車が分かれるポイントになっているのだ。
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上下白い制服の駅員さんたちをパシャリ
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こちらは昔の駅舎だという。瓦屋根が雰囲気を醸し出している。1867年・・・イギリス統治時代に建てられたものらしい。
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かなり時間に余裕をもって連れて来てもらったので、列車を何本か見送った。
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列車に乗り込むところの物売りさん。
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車で向かうドライバーΦさんとガイドΩさんに見送られて、いよいよ出発。
車内はこんな感じ。天井と壁が木製で、扇風機が付いたレトロな車両。頭上には荷物を載せる棚が備えられている。
クーラーがないので窓が開け放たれているのだが、風が入ってきて適度に涼しい。あぁ、生「世界の車〇から」だ~ やばいほどテンション上がるのを止められない
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途中の停車駅にて。
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そんなにぎゅう詰めでもないのだが、車外に身体がはみ出ている人も・・・
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危ない
身体が対向列車にぶつかりそう・・・
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列車は勾配を縫うように高度を上げていく。車窓が高原らしくなってきて、茶畑も垣間見えるようになった。
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所々、道路と並走する場所もあったり。
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途中の陸橋。
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車内販売がまわってきた。籠いっぱいのパリップ・ワデー【インドでいうダール・ワダ。豆をひいて野菜を混ぜ、揚げたスナック】、付け合わせは赤・緑の唐辛子に紫玉ねぎ。
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列車内での4時間、日記と友人への絵ハガキを書いて過ごそうと思っていたのだが、予想以上に揺れる。字は歪むし、続けたら酔ってしまうかも・・・あえなく断念
車窓に目を転じると、この国は本当に緑が豊かだなぁと感じる。実のなる木があちこちに生えていて、かといって湿度はあまりなく、さりとてインドのように乾燥しているわけでもない。自分にはなじみやすい気候だなぁ
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降りていった果物売りさん、この辺りに住んでいるのだろうか。
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曲がりくねった線路を進んで行く。
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向かい側に停車中の列車をパシャリ
下がっているプランターがお洒落
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列車はほぼ予定通り、4時間でナーヌ・オヤ駅に到着。絵ハガキ1枚と日記2ページで挫折したものの、瞬く間に時間が過ぎ去った。車だと2時間の距離に、敢えて列車を取り入れて正解だった。のんびり、ボーッとした旅路が自分には似合う
駅からヌワラ・エリヤの中心部までは車で15分弱。ひとまず町の食堂でランチをとるべく下車したところ、道行く人の顔だちが異なると感じる。ガイドのΩさん曰く、この辺りはタミル人が多いのだそうだ。イギリス統治時代に、これまた植民地だったインドから紅茶プランテーションの労働者を連れて来た名残りという【ヌワラ・エリヤについて、1681年に出版された『セイロン島誌』(ロバート・ノックス著)で言及しているようだが、この地が頻繁に記録に登場するのは1818年以降という。冷涼な気候から、イギリス植民地時代に高原リゾートとして開発が行われた一帯であり、「リトルイングランド」の異名を持つ】。
食堂ではブリヤーニを食す【インドのムスリムが起源とされ、インドではビリヤーニという。半ゆでしたお米とカルダモン・シナモン・ターメリックなどのスパイス、野菜・肉などの具材を炊き込んだ料理】。観光客向けのお店ではないので、かなりスパイシーかと想像していたら・・・口に合う辛さで、拍子抜け&安堵
実は、高さ5cmほどの巨大お子様ランチ風の米の山をくずすと中からチキンの塊が2つ出てきたのだが、画像を撮ってなくて残念
画面奥の器に入っている液体がサンボルで、これをお米にかけて混ぜるとコリアンダーの効いたスパイシーな風味が加わって変化がつく。ゆで卵もくずして混ぜながら、数日前にマスターした手すくいで、ドライバーのΦさん・ガイドのΩさんにならって食事をした。ローカルなお店でカトラリーを使う者は一人もいない。にわか以外の何者でもないが、現地に同化しつつある自分を感じたひとときだった。
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食後、郵便局まで歩いていく【イギリス統治時代の1894年、チューダー様式で完成】。ガッツリ洋風だわ~
この旅で初めて切手をゲットした。日本までハガキ1枚Rs20≒17円也。
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メイン・バスターミナル。画面奥にあまたのバスが停まっている。
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バスの横腹には、国旗でもおなじみのライオンのマーク。
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インドはサーンチーのストゥ―パ塔門に似てるなぁ・・・前を通りすがっただけなので確証はないけど、仏教寺院だろうか。
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ん
これはザビエル様ではないか?? そして、右手に持ってるのは何?? マドレーヌ型に見えてしまうのは気のせいということにしておこう
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看板に聖ザビエル教会、1838年創立と書いてあった。イギリス統治時代にどういう経緯で建てられたのか、不思議ではある。建物はかなり新しい。再建したものなのだろう。
【この記事を書くにあたり調べてみたものの、詳細は分からなかった。ザビエルはインドの漁夫海岸(コモリン岬~その北東にあるトゥティコリンまでの一帯)で伝道後、当時セイロンと呼ばれていたこの島に来たようだ。1544~45年にマンナール(スリランカ北西沿岸部。上記 漁夫海岸の対岸に位置する)で活動し、コロンボにも立ち寄ったという記録はあるが、この内陸の高原地帯まで足は伸ばしていない模様。ザビエルとは別個になされたイエズス会の活動によるものと思われる】
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スーパーに立ち寄った。
青果コーナー。左上にブドウとドラゴンフルーツが写っているものの、ほとんどを野菜が占めている画像である。
ガイドのΩさん曰く、スリランカは食料自給率がめっちゃ高く、国内で採れず輸入しているのはリンゴ
だけだって。すごすぎる~
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内陸の高原部にも鮮魚が運ばれてきている。中央の2つは商品札が返されているため不明だが、左上はニシン、右上が赤イカ、右下はソウダガツオ、左下が海老である。
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この日の宿はコロニアルなザ・グランド・ホテル【1828年、第5代イギリス領セイロン総督のエドワード・バーンズが建てた別荘に始まる。1874年からゲストハウスとなり、1890年代以降は増改築を繰り返した。宿泊者リストにはユーゴスラビア大統領のチトー、イギリスのエリザベス女王などが名を連ねる】。
な~んていうとバカ高いのではと思われるかもしれないが、部屋を選ばなければシングル1泊$100くらい(2011年当時)。カーテンがクラシカルぅ
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率直に言って広くはないのだが、品良くこぢんまりとしている。
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ベッドには生花が散りばめられていた。
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枕もとのカードには各国語で「おやすみなさい」。シンハラ語、英語に次いで日本語・・・てか、このラインナップに連なっていること自体が驚き。さては日本人客の利用が多いのかも、余計な邪推をしてみる
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廊下はこんな感じ。
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オレンジがかった色味のライトに照らし出される木製の階段、重厚な雰囲気。
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館内のそこかしこに花が活けられていた。ツツジ系
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時間が早かったので、ガイドΩさんとドライバーΦさんに誘われて再び外出。先ほどの郵便局からほど近くのパブに17時半から入り浸った。
店内は薄暗くしてあって客のほとんどがスリランカ人、しかも女性はオール外国人かつ自分を含めて4人のみという状況に若干及び腰だったけど
だけど、アルコールはバカ安・・・日本でいう中ジョッキのビールがRs95≒80円
1瓶Rs330のホテルでオーダーするのが馬鹿々々しくなってくる
それにしても、画像を撮ってなくて残念至極
結局、1時間半ほど過ごして引き揚げた。一人旅で安全を期すには日が暮れる前にホテルに閉じこもらなければならないので、夜の酒場はかなり貴重な経験だった。こーいう時、ガイドさん・ドライバーさんは本当にありがたいなと思う。
パブの外に出るとかなり冷え込んでいたので、この国に来て初めて毛のパーカーを羽織った【標高1,868mのヌワラ・エリヤは年間平均気温16度、夜間は10度以下に冷え込む】。
持ってきてよかった・・・この晩が唯一の活躍どころ
ちなみにホテル内は暖房が効いていて、半袖でも大丈夫なように調整されていた。
9・8 ヌワラ・エリヤ ⇒キャンディ (2011年8月4日)
出立前、ホテルの敷地内をぐるりとまわってみた。
前栽が動物の形に整えられていたり遊具があったり・・・家族連れも楽しめるように工夫されている。
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こちらが本館。
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チェックアウト後、茶園を目指す。ヌワラ・エリヤ周辺に幾多あるティーファクトリーのひとつ、Mackwoodsに案内してもらった。道すがら、最初から紅茶を栽培していたわけではないとガイドΩさんに聞いてビックリだった【イギリスが侵攻する前、オランダ統治時代(1658~1796年)からスリランカ丘陵地帯ではコーヒーのプランテーションが盛んだったが、1860’sに錆病が蔓延して全滅。1867年、こんにち「スリランカ紅茶の父」と呼ばれるジェームス・テイラー(スコットランド人)がインドのアッサムから持ち込まれた紅茶の苗木の栽培に成功。黄色いラベルで知られるリプ〇ンの創業者も1890’sから茶園を営み、セイロンティー(当時の呼称)は世界中で有名になった。1948年の独立後に茶園の経営はスリランカ人の手に移ったが、1970’s初頭の土地改革により多くが政府所有になる紆余曲折を経て、1990’s以降は民営化が進み、生産が効率化している】。
遠く眺める茶畑。カラリと晴れることは少なく、一面を覆う霧によって茶葉の風味が増していくのだという。
白く点在するのは、もしや摘み手さん
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拡大したのがこちら。
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顔出しパネル(顔抜き看板)って楽しい
(ひょっこり覗く自分の顔にモザイクをかけた。念のため、黒髪は自前じゃないですよ~ 板に描いてあるのです)
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工場のすぐそばまで段々畑が迫っている。いや、段々畑のど真ん中に工場をつくったと言うべきか
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ティーファクトリーの外観。
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中も外もけっこうシンプルで、パッと見では何をつくってるんだか分からなかったりする
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ここは無菌室なのかな・・・
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見学の終わりごろ、製造工程の説明が
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サンプルを目にして、茶葉が結構大きいことに驚く。てか、1841年ってコーヒー栽培を断念する前だよね・・・並行してやってたのか
【この記事を書くにあたり調べたところ、既述のジェームス・テイラーより遡って1839年に茶の木がペーラーデニヤに植えられたとあるので、Mackwoodsはかなり初期から紅茶栽培を手がけたようだ。会社のHPにはやはり1841年創業、スリランカで2番目に古い紅茶商と記されている】
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紅茶素人の自分は、こーいう粉末状のに慣れ親しんでいる。
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最後に、ケーキと紅茶がついてきた。んん~ 優雅
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去り際、茶摘みを間近で見学する。前日に列車の窓より眺めた時分から感じてはいたが、けっこうな斜度なのである。これを上り下り繰り返すのはかなりキツイだろうなぁ・・・
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茶摘みは伝統的に女性の仕事なんだそうだ【スリランカの丘陵地帯では30万人の女性が働いているという。朝8時から摘み始め、背負う袋の重さは午後には10㎏を超えるらしい】。
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見学を終え、車で丘を降りながら40㎞北北西のキャンディへ向かう。
ランチの後、数日前に購入した指輪を受け取りに宝石店へ行き(←記事「その2」で言及)、シルク屋などに寄ったりした。
この日の夜はエサラ・ペラヘラ祭を観覧するため、早めにホテルにチェックイン。宿はこれまたコロニアルなホテル・スイス【17世紀にオランダ人総督の屋敷として建てられ、イギリス統治時代には将校の邸宅として使用された。その後、購入したスイス人がホテルを開業。大統領主催の晩餐会が開かれる格式を持つという】。
これも手の出ない値段ではなく、1泊がシングル$60、ダブル$75である(2011年当時)。
部屋の扉(内側から撮影)。古めかしい鍵にテンション爆上がり
このタイプの鍵、初めて見たのは西洋を舞台にした物語の中だったっけなぁ~
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壁にはバティックが飾られていた。
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ベッドの上では・・・タオル製の孔雀が歓迎してくれた
プルメリアはもちろん生花。
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このホテル、キャンディ湖の南岸に位置する。というわけで、湖をはさんで眺める仏歯寺。
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【そもそも、エサラ・ペラヘラ祭とは・・・「ペラヘラ」はシンハラ語でパレードを意味する。エサラ月(7月)の新月~ニキニ月(8月)の満月に至る10日間で行われ、前半をクンバル・ペラヘラ、後半をランドリ・ペラヘラといい、後半になるほど盛り上がり、特に満月を迎える最終日に最高潮に達する。起源はB.C.3世紀にさかのぼるといわれるが、ゾウに仏歯を載せて練り歩くようになったのは250年前からと比較的新しい。ヒンドゥー教におけるキャンディの守護神(ヴィシュヌ、ナータ、カタラガマ、バッティニ)を讃える祭と、釈迦に敬意を払い農作物の豊作を祈る祭が合体して今日に至るらしい】
祭の期間中 パレードの行路沿いに観覧席を提供する場所は引きも切らず、ホテルから民家まで値段もピンキリのようだが、旅行業者におさえてもらって自分が案内されたのは大手ピザチェーン店の2階(撮影は翌日)。仏歯寺を出発してキャンディ湖沿いに200mほど西へ進んできた隊列がクイーンズ・ホテルの角で右折し、さらにこのピザ屋の前で右折していくというダイナミックな位置だった。
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パレードが始まるのは暗くなってからだが、人ごみで身動きが取れなくなる前に移動。早めに着席して、道行く人々を眺める。画像左手前の歩道沿いと、右手のクイーンズ・ホテル前は陣取る観客で既にあふれかえっている。
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自分の座席の左側はこんな感じ。
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トラックで乗りつけた、覆面ならぬ赤頭巾の青年たち。日焼けした肌にたくましい体格・・・どこから来たんだろう
後で分かったのだが、パレードのルートを照らす松明をかざす人々なのだった。
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警備にあたる女性軍人の制服はスカート。
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こちらは女子警察官っぽいなー
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いよいよ車道が通行止めとなった。手前の2人は衣装からして、パレードに参加するべく仏歯寺へ向かっているのだろう。
画像中央奥、ピンクの物体は祭につきものの風船。屋台はなくて、売り歩いているのだった。
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やや薄暗くなり、クイーンズ・ホテルの電飾が目立ち始めた【ちなみにクイーンズ・ホテルはかつてボーディングハウス(賄い付き下宿)だった。プランテーションで儲けようと来島したイギリス人が泊まったという】。
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さて、ここからパレードなのですが・・・2台前のデジカメにつき、シャッター速度が遅くて祭の画像はほぼブレブレ
鮮明なのをお届けできなくて、申し訳ありません m(_ _)m
雰囲気だけでもざっくり味わっていただけたなら幸いです。
花火を合図にパレードが始まった。先頭の人々がファイヤー芸を披露。
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大きな輪を縦にまわす他、いくつもの小さな火を横にまわす人々もいる。
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その後、旗を掲げる人々がやって来た。画面左奥、電飾をほどこされたゾウがいよいよ登場。
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ゾウの前後には剣を構える人々。白い布を頭に巻き、白いズボン、腰に結んだ赤い布がたなびく。
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3m目の前をゾウが通り過ぎていく。
なお、画像の左端や右上に 先述の松明係さん(赤頭巾)が写っている。
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太鼓隊の人々。
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先ほどより体格の大きいゾウがやって来た。
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踊る人々【太鼓隊も含めて、彼らはキャンディ王国(1474年~1815年。B.C5世紀からこの国を治めてきたシンハラ王朝最後の王国)時代から王のために舞や演奏を捧げてきたカーストの人々で、この祭りのために年がら年中 稽古に励んでいるらしい。祭が近づくと釈迦に敬意を払うため、アルコールを飲まずベジタリアンの食事をとる伝統を継承しているという】。
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今度のゾウには天蓋をかざしている。格が高いのだろうか・・・
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これでもかと続く行列。
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小ぶりのゾウが2頭並んでやって来た。
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次は3頭並び。
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ついにメイン・・・仏歯を載せたゾウが登場
【正確に言うなら、仏歯を収める容器(Golden Pagoda)のみ。セキュリティの問題で、仏歯はお寺を出ないという】
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容器を取り囲む電飾が一層きらびやか
【仏歯を運ぶゾウは、雄のアジアゾウの中から巨大な牙を持つ個体が選び抜かれるらしい】
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あれ
今度は青い電飾のゾウがやって来た。
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メインの後もパレードは続いていく。
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パレード開始から2時間ほど見物し、21時20分に席を立ってホテルへ戻ることにした。
対岸からの仏歯寺夜景(ピンボケでごめんなさい
)。
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ホテル自慢のダイニングルームにて遅めの夕食をとった。帽子に黒い衣装の3名は、演奏しながら各テーブルをまわる楽団である。
いつもながらお料理の画像を撮っていないのだが・・・この夜はアルコール抜きだったことも記しておきたい。ガイドのΩさん曰く、仏教では飲酒はよくないこととされているため、エサラ・ペラヘラ祭の間はたとえ異教徒の外国人であろうとも一切提供しないのだそうだ。耳が痛いなぁ
今になって思うと、ラマダーン中のモロッコより厳格だわ
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例によってガイドΩさんとおしゃべりしながらディナーを済ませ、部屋に戻ってお風呂から出ると午前1時をまわっていた。早く床についたほうがよいと思いながらも、興奮さめやらぬうちにとペンを走らせる。
今回、敢えてキャンディのエサラ・ペラヘラ祭に合わせて旅の予定を組んだ。自分が出かけられる時期と祭が重なることをたまたま知り、軽~い気持ちからだった。自分の過去のブログをご覧になった方々は薄々お気づきだと思うが、異様に混雑する非日常のイベントは避けてきたところがあって、外国で祭を観覧するのはこれが初めてのことだった。
私は仏教徒ではないから、釈迦の歯自体に対して何らかの思いを抱いているわけではない。祭のハイライト、3m眼前を舎利容器が通り過ぎた時も興奮するというより 物体と言ってしまえばそれまで、というどこか冷めた気持ちだった(容器のみだからというわけでもなく、仮に仏歯が入っていたとしても同じ感情をもつだろう)。信仰心のない者は事象を即物的に捉えるものなのだと思う。
しかし、祭の始まる3時間以上前から無料の観覧場所にひしめく人々、行列を照らす松明の準備をする赤頭巾の青年たち、(自分もその一人であるが)眺めのよい高所に有料座席を確保して祭の開始を心待ちにする外国人観光客たち・・・そういう多くの人々が、Golden Pagoda(舎利容器)を載せたゾウが現れた刹那、期待をはちきれさせてどよめく雰囲気。それがすごいなと思った。
“宗教の威力”と表現するのは何か違う。仏教色を無視するわけにはいかないが、もっと普遍的なイベントになっている、もはや。篤い仏教信仰を持つ人々も含めて、様々なバックグラウンドを持つ人々が一体化していく現場に立ち会うこと・・・これが祭をリアルタイムで観賞する面白さなのか。
滞りなく祭が執り行われるのは、多くの人々の協力があってこそである。前述の赤頭巾の人々然り、警備にあたる警察官や軍人しかり、たぶん火傷対策と思われる看護学生しかり、ゾウの糞を片付ける人々然り。エサラ・ペラヘラを成功させるという共通目的のもと、実に多くの人々が粛々と己の任務に専念している。そして、華やかなファイヤダンスを先頭にキャンディ王国の舞踊、音楽・・・とつつがなく進行していく。
これが平和でなくて、何だろう。呑気な行事に皆が集中することのできる環境は幸せだ。飢えや戦争が常態化している場所では、こうはならない。この国で内戦が終結してよかった・・・
小型のトランペットのようなキャンディ王国の笛が調べる高音を聞きながら、熱狂する人々の狭間で呼吸しながら、目頭が熱くなるのを禁じ得なかった。
★ 中締め ★
仏歯(釈迦の左犬歯)がなぜスリランカにあるのか、どのような経緯でキャンディに安置されているのか、エサラ・ペラヘラ祭の画像を挙げる前に触れた方がよいのではと頭をよぎりながらも・・・説明の重複を避けて、次回「その4」で言及したいと思います。
さてさて。旅の最終盤は仏歯寺見学の後、南部の港町ゴールへ移動。海辺の様子を中心に、ちょっとだけコロンボもお伝えします。
またお会いしましょう
第3弾では下の地図の➐~➒を訪れました(①~⑥は旅の前半にまわった場所です)。また、後の下線部の数字とも対応しています。
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7・9 マータレー ⇒ヌワラ・エリヤ (2011年8月3日)
アーユルヴェーダ施設にて最後の食事。とても簡素な朝食だった。
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6時半、ドライバーのΦさんとガイドのΩさんがピックアップに来てくれた。この日の目的地ヌワラ・エリヤは60㎞南南東にあるのだが、列車で移動したいとリクエストしていたため、まずはメインラインの起点となるペーラーデニヤ駅まで20数㎞南下する。
ちょうど通学の時間帯らしく、キャンディの南西5㎞に位置する駅の構内には制服姿の子供達がたくさんいたのだが、ガッツリ顔が写っているため画像を載せられず残念
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ちなみに、女生徒はことごとく白いワンピース、小学生男子は薄紫色のシャツに紺のネクタイと半ズボン、中学生男子は上下白のシャツとズボンだった。制服の色は国によって全然違うから、観察すると面白い
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手前の看板にご注目あれ。左はキャンディ&マータレー方面、右はコロンボ方面と書かれている。そう、この駅はジャンクションになっていて、自分が目指すヌワラ・エリヤ方面(終点はパドゥッラ)を含めて3方向へと列車が分かれるポイントになっているのだ。
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上下白い制服の駅員さんたちをパシャリ
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こちらは昔の駅舎だという。瓦屋根が雰囲気を醸し出している。1867年・・・イギリス統治時代に建てられたものらしい。
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かなり時間に余裕をもって連れて来てもらったので、列車を何本か見送った。
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列車に乗り込むところの物売りさん。
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車で向かうドライバーΦさんとガイドΩさんに見送られて、いよいよ出発。
車内はこんな感じ。天井と壁が木製で、扇風機が付いたレトロな車両。頭上には荷物を載せる棚が備えられている。
クーラーがないので窓が開け放たれているのだが、風が入ってきて適度に涼しい。あぁ、生「世界の車〇から」だ~ やばいほどテンション上がるのを止められない
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途中の停車駅にて。
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そんなにぎゅう詰めでもないのだが、車外に身体がはみ出ている人も・・・
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危ない
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列車は勾配を縫うように高度を上げていく。車窓が高原らしくなってきて、茶畑も垣間見えるようになった。
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所々、道路と並走する場所もあったり。
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途中の陸橋。
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車内販売がまわってきた。籠いっぱいのパリップ・ワデー【インドでいうダール・ワダ。豆をひいて野菜を混ぜ、揚げたスナック】、付け合わせは赤・緑の唐辛子に紫玉ねぎ。
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列車内での4時間、日記と友人への絵ハガキを書いて過ごそうと思っていたのだが、予想以上に揺れる。字は歪むし、続けたら酔ってしまうかも・・・あえなく断念
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車窓に目を転じると、この国は本当に緑が豊かだなぁと感じる。実のなる木があちこちに生えていて、かといって湿度はあまりなく、さりとてインドのように乾燥しているわけでもない。自分にはなじみやすい気候だなぁ
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降りていった果物売りさん、この辺りに住んでいるのだろうか。
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曲がりくねった線路を進んで行く。
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向かい側に停車中の列車をパシャリ
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列車はほぼ予定通り、4時間でナーヌ・オヤ駅に到着。絵ハガキ1枚と日記2ページで挫折したものの、瞬く間に時間が過ぎ去った。車だと2時間の距離に、敢えて列車を取り入れて正解だった。のんびり、ボーッとした旅路が自分には似合う
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駅からヌワラ・エリヤの中心部までは車で15分弱。ひとまず町の食堂でランチをとるべく下車したところ、道行く人の顔だちが異なると感じる。ガイドのΩさん曰く、この辺りはタミル人が多いのだそうだ。イギリス統治時代に、これまた植民地だったインドから紅茶プランテーションの労働者を連れて来た名残りという【ヌワラ・エリヤについて、1681年に出版された『セイロン島誌』(ロバート・ノックス著)で言及しているようだが、この地が頻繁に記録に登場するのは1818年以降という。冷涼な気候から、イギリス植民地時代に高原リゾートとして開発が行われた一帯であり、「リトルイングランド」の異名を持つ】。
食堂ではブリヤーニを食す【インドのムスリムが起源とされ、インドではビリヤーニという。半ゆでしたお米とカルダモン・シナモン・ターメリックなどのスパイス、野菜・肉などの具材を炊き込んだ料理】。観光客向けのお店ではないので、かなりスパイシーかと想像していたら・・・口に合う辛さで、拍子抜け&安堵
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実は、高さ5cmほどの巨大お子様ランチ風の米の山をくずすと中からチキンの塊が2つ出てきたのだが、画像を撮ってなくて残念
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画面奥の器に入っている液体がサンボルで、これをお米にかけて混ぜるとコリアンダーの効いたスパイシーな風味が加わって変化がつく。ゆで卵もくずして混ぜながら、数日前にマスターした手すくいで、ドライバーのΦさん・ガイドのΩさんにならって食事をした。ローカルなお店でカトラリーを使う者は一人もいない。にわか以外の何者でもないが、現地に同化しつつある自分を感じたひとときだった。
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食後、郵便局まで歩いていく【イギリス統治時代の1894年、チューダー様式で完成】。ガッツリ洋風だわ~
この旅で初めて切手をゲットした。日本までハガキ1枚Rs20≒17円也。
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メイン・バスターミナル。画面奥にあまたのバスが停まっている。
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バスの横腹には、国旗でもおなじみのライオンのマーク。
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インドはサーンチーのストゥ―パ塔門に似てるなぁ・・・前を通りすがっただけなので確証はないけど、仏教寺院だろうか。
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ん
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看板に聖ザビエル教会、1838年創立と書いてあった。イギリス統治時代にどういう経緯で建てられたのか、不思議ではある。建物はかなり新しい。再建したものなのだろう。
【この記事を書くにあたり調べてみたものの、詳細は分からなかった。ザビエルはインドの漁夫海岸(コモリン岬~その北東にあるトゥティコリンまでの一帯)で伝道後、当時セイロンと呼ばれていたこの島に来たようだ。1544~45年にマンナール(スリランカ北西沿岸部。上記 漁夫海岸の対岸に位置する)で活動し、コロンボにも立ち寄ったという記録はあるが、この内陸の高原地帯まで足は伸ばしていない模様。ザビエルとは別個になされたイエズス会の活動によるものと思われる】
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スーパーに立ち寄った。
青果コーナー。左上にブドウとドラゴンフルーツが写っているものの、ほとんどを野菜が占めている画像である。
ガイドのΩさん曰く、スリランカは食料自給率がめっちゃ高く、国内で採れず輸入しているのはリンゴ
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内陸の高原部にも鮮魚が運ばれてきている。中央の2つは商品札が返されているため不明だが、左上はニシン、右上が赤イカ、右下はソウダガツオ、左下が海老である。
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この日の宿はコロニアルなザ・グランド・ホテル【1828年、第5代イギリス領セイロン総督のエドワード・バーンズが建てた別荘に始まる。1874年からゲストハウスとなり、1890年代以降は増改築を繰り返した。宿泊者リストにはユーゴスラビア大統領のチトー、イギリスのエリザベス女王などが名を連ねる】。
な~んていうとバカ高いのではと思われるかもしれないが、部屋を選ばなければシングル1泊$100くらい(2011年当時)。カーテンがクラシカルぅ
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率直に言って広くはないのだが、品良くこぢんまりとしている。
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ベッドには生花が散りばめられていた。
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枕もとのカードには各国語で「おやすみなさい」。シンハラ語、英語に次いで日本語・・・てか、このラインナップに連なっていること自体が驚き。さては日本人客の利用が多いのかも、余計な邪推をしてみる
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廊下はこんな感じ。
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オレンジがかった色味のライトに照らし出される木製の階段、重厚な雰囲気。
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館内のそこかしこに花が活けられていた。ツツジ系
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時間が早かったので、ガイドΩさんとドライバーΦさんに誘われて再び外出。先ほどの郵便局からほど近くのパブに17時半から入り浸った。
店内は薄暗くしてあって客のほとんどがスリランカ人、しかも女性はオール外国人かつ自分を含めて4人のみという状況に若干及び腰だったけど
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だけど、アルコールはバカ安・・・日本でいう中ジョッキのビールがRs95≒80円
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それにしても、画像を撮ってなくて残念至極
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結局、1時間半ほど過ごして引き揚げた。一人旅で安全を期すには日が暮れる前にホテルに閉じこもらなければならないので、夜の酒場はかなり貴重な経験だった。こーいう時、ガイドさん・ドライバーさんは本当にありがたいなと思う。
パブの外に出るとかなり冷え込んでいたので、この国に来て初めて毛のパーカーを羽織った【標高1,868mのヌワラ・エリヤは年間平均気温16度、夜間は10度以下に冷え込む】。
持ってきてよかった・・・この晩が唯一の活躍どころ
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9・8 ヌワラ・エリヤ ⇒キャンディ (2011年8月4日)
出立前、ホテルの敷地内をぐるりとまわってみた。
前栽が動物の形に整えられていたり遊具があったり・・・家族連れも楽しめるように工夫されている。
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こちらが本館。
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チェックアウト後、茶園を目指す。ヌワラ・エリヤ周辺に幾多あるティーファクトリーのひとつ、Mackwoodsに案内してもらった。道すがら、最初から紅茶を栽培していたわけではないとガイドΩさんに聞いてビックリだった【イギリスが侵攻する前、オランダ統治時代(1658~1796年)からスリランカ丘陵地帯ではコーヒーのプランテーションが盛んだったが、1860’sに錆病が蔓延して全滅。1867年、こんにち「スリランカ紅茶の父」と呼ばれるジェームス・テイラー(スコットランド人)がインドのアッサムから持ち込まれた紅茶の苗木の栽培に成功。黄色いラベルで知られるリプ〇ンの創業者も1890’sから茶園を営み、セイロンティー(当時の呼称)は世界中で有名になった。1948年の独立後に茶園の経営はスリランカ人の手に移ったが、1970’s初頭の土地改革により多くが政府所有になる紆余曲折を経て、1990’s以降は民営化が進み、生産が効率化している】。
遠く眺める茶畑。カラリと晴れることは少なく、一面を覆う霧によって茶葉の風味が増していくのだという。
白く点在するのは、もしや摘み手さん
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拡大したのがこちら。
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顔出しパネル(顔抜き看板)って楽しい
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工場のすぐそばまで段々畑が迫っている。いや、段々畑のど真ん中に工場をつくったと言うべきか
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ティーファクトリーの外観。
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中も外もけっこうシンプルで、パッと見では何をつくってるんだか分からなかったりする
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ここは無菌室なのかな・・・
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見学の終わりごろ、製造工程の説明が
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サンプルを目にして、茶葉が結構大きいことに驚く。てか、1841年ってコーヒー栽培を断念する前だよね・・・並行してやってたのか
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【この記事を書くにあたり調べたところ、既述のジェームス・テイラーより遡って1839年に茶の木がペーラーデニヤに植えられたとあるので、Mackwoodsはかなり初期から紅茶栽培を手がけたようだ。会社のHPにはやはり1841年創業、スリランカで2番目に古い紅茶商と記されている】
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紅茶素人の自分は、こーいう粉末状のに慣れ親しんでいる。
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最後に、ケーキと紅茶がついてきた。んん~ 優雅
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去り際、茶摘みを間近で見学する。前日に列車の窓より眺めた時分から感じてはいたが、けっこうな斜度なのである。これを上り下り繰り返すのはかなりキツイだろうなぁ・・・
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茶摘みは伝統的に女性の仕事なんだそうだ【スリランカの丘陵地帯では30万人の女性が働いているという。朝8時から摘み始め、背負う袋の重さは午後には10㎏を超えるらしい】。
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見学を終え、車で丘を降りながら40㎞北北西のキャンディへ向かう。
ランチの後、数日前に購入した指輪を受け取りに宝石店へ行き(←記事「その2」で言及)、シルク屋などに寄ったりした。
この日の夜はエサラ・ペラヘラ祭を観覧するため、早めにホテルにチェックイン。宿はこれまたコロニアルなホテル・スイス【17世紀にオランダ人総督の屋敷として建てられ、イギリス統治時代には将校の邸宅として使用された。その後、購入したスイス人がホテルを開業。大統領主催の晩餐会が開かれる格式を持つという】。
これも手の出ない値段ではなく、1泊がシングル$60、ダブル$75である(2011年当時)。
部屋の扉(内側から撮影)。古めかしい鍵にテンション爆上がり
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壁にはバティックが飾られていた。
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ベッドの上では・・・タオル製の孔雀が歓迎してくれた
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このホテル、キャンディ湖の南岸に位置する。というわけで、湖をはさんで眺める仏歯寺。
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【そもそも、エサラ・ペラヘラ祭とは・・・「ペラヘラ」はシンハラ語でパレードを意味する。エサラ月(7月)の新月~ニキニ月(8月)の満月に至る10日間で行われ、前半をクンバル・ペラヘラ、後半をランドリ・ペラヘラといい、後半になるほど盛り上がり、特に満月を迎える最終日に最高潮に達する。起源はB.C.3世紀にさかのぼるといわれるが、ゾウに仏歯を載せて練り歩くようになったのは250年前からと比較的新しい。ヒンドゥー教におけるキャンディの守護神(ヴィシュヌ、ナータ、カタラガマ、バッティニ)を讃える祭と、釈迦に敬意を払い農作物の豊作を祈る祭が合体して今日に至るらしい】
祭の期間中 パレードの行路沿いに観覧席を提供する場所は引きも切らず、ホテルから民家まで値段もピンキリのようだが、旅行業者におさえてもらって自分が案内されたのは大手ピザチェーン店の2階(撮影は翌日)。仏歯寺を出発してキャンディ湖沿いに200mほど西へ進んできた隊列がクイーンズ・ホテルの角で右折し、さらにこのピザ屋の前で右折していくというダイナミックな位置だった。
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パレードが始まるのは暗くなってからだが、人ごみで身動きが取れなくなる前に移動。早めに着席して、道行く人々を眺める。画像左手前の歩道沿いと、右手のクイーンズ・ホテル前は陣取る観客で既にあふれかえっている。
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自分の座席の左側はこんな感じ。
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トラックで乗りつけた、覆面ならぬ赤頭巾の青年たち。日焼けした肌にたくましい体格・・・どこから来たんだろう
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後で分かったのだが、パレードのルートを照らす松明をかざす人々なのだった。
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警備にあたる女性軍人の制服はスカート。
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こちらは女子警察官っぽいなー
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いよいよ車道が通行止めとなった。手前の2人は衣装からして、パレードに参加するべく仏歯寺へ向かっているのだろう。
画像中央奥、ピンクの物体は祭につきものの風船。屋台はなくて、売り歩いているのだった。
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やや薄暗くなり、クイーンズ・ホテルの電飾が目立ち始めた【ちなみにクイーンズ・ホテルはかつてボーディングハウス(賄い付き下宿)だった。プランテーションで儲けようと来島したイギリス人が泊まったという】。
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さて、ここからパレードなのですが・・・2台前のデジカメにつき、シャッター速度が遅くて祭の画像はほぼブレブレ
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雰囲気だけでもざっくり味わっていただけたなら幸いです。
花火を合図にパレードが始まった。先頭の人々がファイヤー芸を披露。
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大きな輪を縦にまわす他、いくつもの小さな火を横にまわす人々もいる。
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その後、旗を掲げる人々がやって来た。画面左奥、電飾をほどこされたゾウがいよいよ登場。
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ゾウの前後には剣を構える人々。白い布を頭に巻き、白いズボン、腰に結んだ赤い布がたなびく。
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3m目の前をゾウが通り過ぎていく。
なお、画像の左端や右上に 先述の松明係さん(赤頭巾)が写っている。
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太鼓隊の人々。
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先ほどより体格の大きいゾウがやって来た。
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踊る人々【太鼓隊も含めて、彼らはキャンディ王国(1474年~1815年。B.C5世紀からこの国を治めてきたシンハラ王朝最後の王国)時代から王のために舞や演奏を捧げてきたカーストの人々で、この祭りのために年がら年中 稽古に励んでいるらしい。祭が近づくと釈迦に敬意を払うため、アルコールを飲まずベジタリアンの食事をとる伝統を継承しているという】。
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今度のゾウには天蓋をかざしている。格が高いのだろうか・・・
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これでもかと続く行列。
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小ぶりのゾウが2頭並んでやって来た。
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次は3頭並び。
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ついにメイン・・・仏歯を載せたゾウが登場
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容器を取り囲む電飾が一層きらびやか
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あれ
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メインの後もパレードは続いていく。
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パレード開始から2時間ほど見物し、21時20分に席を立ってホテルへ戻ることにした。
対岸からの仏歯寺夜景(ピンボケでごめんなさい
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ホテル自慢のダイニングルームにて遅めの夕食をとった。帽子に黒い衣装の3名は、演奏しながら各テーブルをまわる楽団である。
いつもながらお料理の画像を撮っていないのだが・・・この夜はアルコール抜きだったことも記しておきたい。ガイドのΩさん曰く、仏教では飲酒はよくないこととされているため、エサラ・ペラヘラ祭の間はたとえ異教徒の外国人であろうとも一切提供しないのだそうだ。耳が痛いなぁ
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例によってガイドΩさんとおしゃべりしながらディナーを済ませ、部屋に戻ってお風呂から出ると午前1時をまわっていた。早く床についたほうがよいと思いながらも、興奮さめやらぬうちにとペンを走らせる。
今回、敢えてキャンディのエサラ・ペラヘラ祭に合わせて旅の予定を組んだ。自分が出かけられる時期と祭が重なることをたまたま知り、軽~い気持ちからだった。自分の過去のブログをご覧になった方々は薄々お気づきだと思うが、異様に混雑する非日常のイベントは避けてきたところがあって、外国で祭を観覧するのはこれが初めてのことだった。
私は仏教徒ではないから、釈迦の歯自体に対して何らかの思いを抱いているわけではない。祭のハイライト、3m眼前を舎利容器が通り過ぎた時も興奮するというより 物体と言ってしまえばそれまで、というどこか冷めた気持ちだった(容器のみだからというわけでもなく、仮に仏歯が入っていたとしても同じ感情をもつだろう)。信仰心のない者は事象を即物的に捉えるものなのだと思う。
しかし、祭の始まる3時間以上前から無料の観覧場所にひしめく人々、行列を照らす松明の準備をする赤頭巾の青年たち、(自分もその一人であるが)眺めのよい高所に有料座席を確保して祭の開始を心待ちにする外国人観光客たち・・・そういう多くの人々が、Golden Pagoda(舎利容器)を載せたゾウが現れた刹那、期待をはちきれさせてどよめく雰囲気。それがすごいなと思った。
“宗教の威力”と表現するのは何か違う。仏教色を無視するわけにはいかないが、もっと普遍的なイベントになっている、もはや。篤い仏教信仰を持つ人々も含めて、様々なバックグラウンドを持つ人々が一体化していく現場に立ち会うこと・・・これが祭をリアルタイムで観賞する面白さなのか。
滞りなく祭が執り行われるのは、多くの人々の協力があってこそである。前述の赤頭巾の人々然り、警備にあたる警察官や軍人しかり、たぶん火傷対策と思われる看護学生しかり、ゾウの糞を片付ける人々然り。エサラ・ペラヘラを成功させるという共通目的のもと、実に多くの人々が粛々と己の任務に専念している。そして、華やかなファイヤダンスを先頭にキャンディ王国の舞踊、音楽・・・とつつがなく進行していく。
これが平和でなくて、何だろう。呑気な行事に皆が集中することのできる環境は幸せだ。飢えや戦争が常態化している場所では、こうはならない。この国で内戦が終結してよかった・・・
小型のトランペットのようなキャンディ王国の笛が調べる高音を聞きながら、熱狂する人々の狭間で呼吸しながら、目頭が熱くなるのを禁じ得なかった。
★ 中締め ★
仏歯(釈迦の左犬歯)がなぜスリランカにあるのか、どのような経緯でキャンディに安置されているのか、エサラ・ペラヘラ祭の画像を挙げる前に触れた方がよいのではと頭をよぎりながらも・・・説明の重複を避けて、次回「その4」で言及したいと思います。
さてさて。旅の最終盤は仏歯寺見学の後、南部の港町ゴールへ移動。海辺の様子を中心に、ちょっとだけコロンボもお伝えします。
またお会いしましょう
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