ここ最近、全国各地で台風や地震などの自然災害により
大きな被害が発生していますね。
こうした災害には、複数の消防団が協力して活動する必要があります。
山口市では、こうしたケースを想定して定期的に
合同訓練を行っています。
先週の日曜日に実施されましたので、その時の様子を報告しましょう。
場所は、山口南消防 阿知須出張所の訓練施設です。
今回参加したのは、阿知須・井関・佐山の3分団です。
それぞれが、3つの訓練場に分かれて訓練を行います。
まず、最初のゾーン。
” ホースの活用及び機材の搬送要領 ”
このオレンジ色が、ホースバックと呼ばれるものです。
ポンプ自動車には、ホースカーといって まあホースを積むリアカーが積載されています。
このホースカーには、ホースを15本収納しています。
1本20mですので、かなりの距離に対応できますね。
ただ、実際は これでも足らない現場があるんですね。
そこで、予備のホースも搬送します。
このホースバックには、ホースが2本入っていますので、これも担いで走るわけです。
ホース2本といっても、重量は26Kgありますからね。
気合を入れて持たないと、怪我をします。
ホースの収納方法もいろいろあるそうですが、今回は 『 馬蹄巻き 』を実践!!
さっそく、自分たちで巻いて ホース延長してみます。
バッチリです!! スルスルと、バックからホースが出ていきます。
これが、途中で引っかかるようでは 転倒して大怪我ですね。
続いて、三連梯子を実際に担いで 搬送!!
私も、仕事で二連梯子を使っていますが、これが 重いんですよ。
三連だと、ずっしり来ますね。
こうして練習しておけば、本番でも 慌てずに落ち着いて行動できます。
続いて、次のゾーン。
” 自然水利揚水、及び 水量計算 ”
火災現場のすぐ近くに、消火栓や防火水槽があるとは限りません。
水量の少ない所から、水利を取らざるを得ないこともあります。
通常、右のカゴを吸管の先に付けていますが、水位が低いとカゴ全体が水につかりませんね。
そうすると、空気を吸って揚水不能!! 水が出ません・・・・・。
そんな時に威力を発揮するのが、左の 『 低水位ストレーナー 』
5センチ以上の水位があれば、吸水できます。
これも、常時 ポンプ自動車に積載しています。
さっそく、実践です!!
こうした、用水路のようなところからでも 立派に吸水できます。
この低水位ストレーナーは、スゴイですよ!!
これを考案したのは、消防団員だと聞いています。
何度も火災現場に出場し、そのたびに水利に苦労されたそうです・・・・。
試行錯誤の末、完成!!
今では、常備の消防署にも配備されていますね。
いやはや・・・・、世の中には 立派な人がおられるものです。
そして、いよいよ最後のゾーン。
” 現場でのトラブル対応・解決の実践 ”
何も知らされていない団員が、7名 ポンプ車に乗り込み 出場!!
現地に、到着。
ここで、初めて 指示を受けます。
『 火災発生!! 消火活動、開始!!! 』
まあ、ここまでは良くある話ですが、消火作業中に様々なトラブルが発生!!
迅速に解決し、放水出来るか・・・・・?、こうした想定ですね。
訓練ですから、色々な「トラップ」が意地悪く 仕掛けられています。
その① 防火水槽まで、距離が10m以上あります
その② 穴の開いたホースを使っているので、勢いよく水が噴き出します
その③ 筒先は、ダブルコンと呼ばれる物を使いますが、シャットアウトの状態です
その④ ポンプ車のドレンと中継口のバルブを、そっと開いた状態にしてあります
今回、ポンプ車に乗り込んだ7名は 我が阿知須分団の精鋭です!!
しかし・・・・・、こんなトラップがあろうとは 夢にも知りませんね。
大丈夫かな・・・・・・?という不安と、やってくれる!! という信念が交錯します。
結果は、こうなりました。
① 吸管の長さは、10mです。当然、防火水槽には届きません。
団員同士が、声をかけあって 反対側の吸管をポンプ車から取り外し、連結。
無事、防火水槽に投入!!
② 穴あきホースの漏水は、一刻も早く 止めなければいけません!
一人が、車に積んである”漏水止め応急バンド”を取りに帰り、無事 処理!!
③ これは、楽勝でしたね。
筒先の団員は、操作を熟知しています。ノズルを開けて、放水 開始!
④ これが、難問ですね。
なぜなら、こうしたことが万一にでも起こらないように、バルブやコック類は、
常に確認しています。
先々週、ポンプ車で揚水テストを行い 機庫に帰ってから『 真空テスト 』を実施!!
『 OK! 』なのを、私と機関員で確認済みです。
いつ、火災出場の指令があっても 大丈夫!!
これが、つい1週間前の日曜日のことですからねえ・・・・・。
当然、機関員は すぐに揚水できる状態にあると思っています。
なのに、第三者が そっと開けているんですからねぇ・・・・・・・。
マジで、心配しました!!!
機関員が操作するも、当然 揚水不能です。
もう一度、やっても 同じ・・・・・。
すると、団員の一人が 「コック類、確認!!」と声をかけます。
おーーーーーっ、機関員が不備を発見しました!!
よくやった!!!
落ち着いて冷静に、処置できましたね。
機関員の経験者なら ご納得いただけるでしょうけど、
現場で「出るはずの水」が、「出ない!!!」と 慌てるんですよ。
機関員も、良い経験になったと思います。
その後は、前の写真の通り 無事放水開始、想定クリアです。
こうしたトラブルは、現場で いつ起こっても不思議ではありません。
今回の訓練も、実戦的で 良い経験になりました!!
阿知須出張所の隊員の皆さん、阿知須分団の団員共々、
訓練、たいへんお疲れ様でした!!!