郷土食研究会 うまかっぺ!茨城 

茨城の郷土食に関するあれこれ。また、そこから、「食」だけではない、た~~~くさんの、よもやま話などなど・・・

ずるっぴきそば、ずるびきうどん

2025-01-28 20:40:39 | グルメ

ずるっぴきそば、ずるびきうどん

 

以前、つくば市の旧谷田部町のエリアに住んでおられる方から、その地域のおそばの食べ方で、そばを茹でた汁ごと食べる『ずるっそば』『ずるっぴきそば』という食べ方があると聞いたことがあります。

茹でたてのそばを水で締めず、そのままお椀に入れて、そばの茹で汁にそばツユを少々加えたものを入れて食べるのだそうです。
『好みが分かれる食べ方なんですけどね・・・』とおっしゃっていました。

その話を聞いて、家で打った手打ちそばを『ずるっぴき』そばにして食べてみたら、優しい味で『これもあり!』と思った思い出があります。

そば自体が美味しいと、麺自体の美味しさに加えて、ゆで汁(=そば湯)も美味しいので、まずい訳がない!と思います

その後、市内のとある有名なそば屋さんで、イベント食だったのかもしれませんが、地元のそばの食べ方ということで、『ずるっかけそば』を提供しているという記事を読み、『やっぱり、ずるっかけそば』はあるんだ!と思った記憶あります。

 

さて、同じく生まれも育ちも旧谷田部町の友人に、『ずるっぴきそば』について聞いたら、その食べ方は知らなかったとのこと。

また友人はご主人にも聞いてくれて、ご主人も幼少期から旧谷田部町に住んでいたけれど、知らないとのこと。

同じ旧谷田部町でも、やはり地域やご家庭によって、そのような食べ方をしたりしなかったり・・・というのは、あるのですね。

ただし、ご主人のおばあちゃんが、茹でたうどんに醤油をかけて食べることを『ずるびき』と言ってたそうです

更にご主人の先輩(生まれも育ちも旧谷田部町)によると、『どんを水に晒さず、茹で汁に鰹節や醤油をかけて食べるのを「ずるびき」と言う』とのこと。また『うどんは良く食べたけど、そばはあまり食べない』とのことでした。

同じ地域でもいろいろあるみたいですが、それでもまとめると、そばやうどんの食べ方の『ずるっぴき』『ずるびき』には、どうも少なくとも

① ゆで汁のまま、もしくはゆで汁に、そばつゆや鰹節や醤油等をに加えて、食べる。

② ゆでた麺に、醤油などをかけて食べる。

があるような感じでしょうか。

調べると他にもバリエーションがあるかもしれません

おまけ情報)旧谷田部町では『うどんに醤油をかけて食べることを 「地獄」と呼んだ』おうちもあったという情報も一緒に頂きました。そうすると、上の②は『地獄』になりますね。でもどうして「地獄」か? 調べると奥が深い気が

 

ところで、最近、『観光いばらき公式ホームページhttps://www.ibarakiguide.jp/

の中の『いばらきの名物料理』のページ

https://www.ibarakiguide.jp/gourmet/famous_food/ibarakifood.html

に『新しい名物料理』ということで、『いばらき乙女のずるびきうどん

という料理が紹介されています。

https://www.ibarakiguide.jp/gourmet/famous_food/zurubiki_udon.html

この『いばらき乙女のずるびきうどん』のサイトによると、『するびき』の名の由来として、

『家庭では家族や友人たちと食卓を囲み、茹で立てのうどんを鍋から箸で「ずるずる」と自分の汁へと引っ張り、食していました。その様子からこのうどんを「ずるびきうどん」と呼び、家族の団欒には欠かせない存在でした』 

と書かれています。

なお、同サイトによると、『いばらきずるびきうどん』を名乗るには、

『茨城県産の豚肉と白菜、そしてミニトマトを使ったつけ汁を使うこと。基本、塩仕立てとし、白菜の手に入らない季節には白菜漬けや茨城県産の夏野菜を使うこと』と定義づけられていて、それを守りながら、県内のいくつかの店舗で、それぞれ工夫されたメニューの『ずるびきうどん』が提供されているようです。美味しそう♪

詳細は上記のサイトをご覧になって頂くとして、こちらで提供されているうどんの食べ方は、つゆや具材に様々な工夫とバリエーションがありますが、総括すると『つけうどん』の食べ方と言って良いかと思います。

 

そうすると、ずるびき』『ずるっぴき』という そば や うどん の食べ方には、少なくとも

  • ゆで汁のまま、もしくはゆで汁に、そばつゆや鰹節や醤油等をに加えて、食べる。
  • ゆでた麺に、醤油などをかけて食べる。
  • つけ汁につけて食べる(つけそば、つけうどん)。

の3つがありそうです。

茨城県内の『ずるびき』『ずるっぴき』の呼び方と食べ方の分布、知りたいなぁと思っています。

『自分のところではこう食べるよ!』『こう呼ばれているよ』という情報をお持ちの方、是非、ご教示下さいませ

でもまずは、観光いばらきで紹介されている『いばらきずるかけうどん』、味もいろいろあるようなので、提供しているお店で食べ比べしてみたいですね♪

(市川)

 

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摘果メロンのお漬物

2024-06-08 10:29:13 | グルメ

ご存じ、メロン生産量日本一の茨城。

今の時期、特に大きな農産物直売所等では、贈答用のメロンが売り場にどーんと並びます。

甘~くて美味しい、大きなメロン

 

でもあの美味しい実を作るためには、選ばれた実だけを残し、残りの実は小さいうちに摘まれてしまうのです

…切ないですね

 

しかしながら、そのような摘果されたちびメロン達も、実は美味しい食材になっています。

 

名付けて『摘果メロン』のお漬物

 

これからの時期、道の駅などに行くと、そんな摘果メロンのお漬物も見かけると思います。

 

そして、採れたての『摘果メロン』そのものも!

写真はその、摘果メロンです。

 

この摘果メロン、見つけたら私は迷わず買います。

私は、この摘果メロンの甘酢漬けが好きなのです

 

私流の摘果メロンの甘酢漬けの作り方をざっくり書きますと・・・、

・皮をむいて、3mm~5mmほどの厚さにスライスします(私は一口で食べられる大きさにしてます)。

・それを味醂と酢で作った甘酢に漬けて出来上がり。

(漬け方はいろいろかと思いますが、私は甘酢液に火を入れて、スライスした摘果メロンを入れて、ひと煮立ちさせてから、密閉容器に入れて、冷まして冷蔵庫保存してます)

写真のものは、3月に漬けた椿の花びらの酢漬けも一緒に加えたので、うっすら色が赤みがついています。

 

この摘果メロンのお漬け物、特質すべきは、そのなめらかな舌触り

さすがメロンの赤ちゃんです。

そして、コリコリとした小気味よい歯ごたえ

そのコンビネーションが堪りません。

食べ始めると、やめれない止まらない(笑)

 

メロンの摘果が出回る時期は、その種類や産地・農家さんによって多少違うみたいで、つくばですと5月末くらいから農産物直売所で見かけます。

産地ならではの摘果メロン。

その可愛らしい摘果メロンを見つけたら、迷うわず購入です

(市川)

 

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さばの水揚げ日本一!茨城の NEO郷土食

2024-05-04 12:11:55 | グルメ

あまり知られていないようなのですが、サバの漁獲量・水揚げ量が日本で一番多いのは、

茨城県

なんです。

ご存じでしたか?

 

それを広めるために、サバの味を引き立てることに特化した日本酒が

開発されたり、サバ料理が開発されたりしています。

 

ということで、家庭で簡単に楽しむ 茨城のサバ料理をご紹介♪

 

 

・トマト煮 「IBARAKI SABA TOMATO」

  常盤大学とヨークベニマルが開発したレトルト。

 「日立鹿島沖で水揚げのサバ使用」とのこと。素晴らしい

  湯煎するだけで、食べられるのが嬉しい

 

  実食しました。

  トマトソースが濃厚で、とっても美味しい。

  濃いトマトソースの旨味と酸味が、脂の乗ったサバにとっても合っています。

  当然、魚の臭みなどなく、骨も取られていて、とっても食べやすい

  子どももパクパク食べちゃいそうです。

 

 

・サバの缶詰類

  今回はサバのスモーク缶詰をチョイス。

  こちらの材料のサバは茨城で水揚げされたかどうかは不明なのですが、神栖にあるメーカーさんのもので、「国産サバ」使用とのことなので、茨城産の可能性は大かなと思います

  

  こちらの缶詰、身がぎっしりと詰まっていてボリューミー。

  サバの脂とスモークの香りが大人の味です。

  こちらはこのまま食べるより、玉ねぎのスライスや野菜と和えてから頂くと

  より美味しさが引き立つよう思います。

 

 

・冷凍のサバの干物

 

 近所のスーパーで購入しました。しっかり「大洗加工」の文字のシールが。

 多分、大洗で水揚げされたものをひものに加工されたものかと思います

 一夜干しのような感じです。

 フライパンで焼いて、最後に日本酒を少しかけて蓋をして軽く蒸してみました。(記事最後に写真アップします)

 

・サバ料理の為に特化された日本酒

さて、お酒が飲める方に是非試して頂きたいのが、サバ料理と一緒に飲むために開発されたという日本酒、

その名も「サバデシュ

数年前に水戸の酒造メーカーが開発されたものです。

 

このお酒、本当にサバに合うのです。

このお酒によって、サバの脂が軽くなり、サバの美味しさがより引き出されるのが分かります。

試しに、他の青物の魚(アジ、イワシ)で試すと、よく分かります。

 

上に紹介した料理を並べてみました♪

魚好きには堪りません

水揚げ日本一の茨城のサバ料理と 日本酒「サバデシュ」、堂々と、現代の茨城の郷土料理です

(市川)

 

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にんたまラーメン カップ麺

2024-03-14 20:58:02 | グルメ

にんたまラーメン
茨城のご当地ラーメンの1つです

「にんたまラーメン」は 取手に本社を持つ(株)ゆにろーず さんが、茨城県下を中心にチェーン展開されているラーメン店の看板メニュー

ちなみに、某忍者アニメとは全く無関係です。
「にんにく」と「たまご」が入ったラーメンなので、「にんたまラーメン」なのです。
「にんたまラーメン」の「にん」の後ろには小さく「にく」の字と、「たま」の後ろにはやはり小さく「ご」の字。
「にんにくたまご」、略して「にんたま」。

スタミナが付きそうなネーミングです

写真は、数年前、にんたまラーメンつくば店で食べたときのもの。
半熟卵、チャーシュー、海苔、たっぷりのネギがトッピング。ニンニクももちろん入っていて、スタミナつきそう♪ でも豚骨しょうゆのスープが案外さっぱりしていて、美味しかった記憶があります。

国道など幹線道路沿いに、大きな駐車場と「にんたまラーメン」の大きな看板で印象的で、
茨城県民なら、食べたことはなくても、多くの人は名前は見知っていることでしょう

テレビでも紹介されたことがありますが、こちらのラーメン、「メガ盛り」もあるので有名。

見本が展示されていますが、いやー、メガ盛り、でかい!!


さて、先日、ローソンに入ったら、なんと、「にんたまラーメン」のカップ麺が
ローソンとコラボとのこと
製造はエースコックの東洋水産株式会社。
(購入したのは2024年2月下旬)

正式名称は、
にんにくたまごラーメン監修 にんにくラーメン

もちろん、早速購入

 

お湯を注いで4分。

おお!良い香り♪
思ったよりも、にんにく臭が強くないです。
卵も多め入ってますね。
かやくは、他に肉とネギも。


箸でよく混ぜると・・・スープが良い感じにとろみも出ていて、良い感じに

実食。

バランスの良い味と香りです。
スープも美味しい

 

茨城のソウルフード
茨城のご当地ラーメンがカップ麺になっているのって、なんか嬉しいですね


久しぶりに、ゆにろーずさんで、にんたまラーメン食べてみたくなりました。

(市川)

 

 

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水戸藩の料理本『食菜録』の紹介サイトがすごい!

2024-03-02 12:19:25 | グルメ

久しぶりの更新です

もう3月になってしまい、こんな感じでぼちぼちの発信ですが、今年2024年もよろしくお願いいたします

 

さて、江戸時代幕末、水戸藩第九代藩主が記したという『食菜録』というレシピ集があるということを、茨城大学のサイト

https://www.ibaraki.ac.jp/news/2023/08/02012069.html

で知りました。

事務局が茨城大学の研究室の 水戸食菜録研究会さんが下記のサイトを作られ、広く発信されています。

http://arakilab.hum.ibaraki.ac.jp/syokusairoku.html

食菜録300のレシピが載っているそうで、同サイトでは、そのレシピが検索で調べられるようになっており、一部再現料理の写真や動画もあって、本当素晴らしいのです

 

例えば、紹介されているレシピの中で、個人的に目からウロコだったのが、『茄子のへた』。

現代風にいうとエコ料理でありますが、さらに『気根をよくし髪を増やす』薬効も

もう、茄子のへた、もう捨てられません♪

 

また『茂ろこしもち』(もろこしもち)。

材料は『もろこし粉、餅粉』となっています。

レシピではこの『もろこし粉』を作るところから記載され、それが大変手間がかかる作業を経ているのが分かります。

再現料理の写真では、クリーム色の小さな丸いお団子状のものになっています。美味しそう

 

実は、うちのブログでも以前、『赤餅・もろこし餅』と題して、板東市の郷土食を再現して記事にしています。

赤餅・もろこし餅

https://blog.goo.ne.jp/ibaraki-kyodoshoku/e/b42b578f8827d2611aa15c4d61b6494d

この時、『もろこし』は何かと調べて、『たかきび』と同定して、たかきびで『おらげのもろこし餅』として作ってみましたが、色も赤く、結構ワイルドなお餅となっています(笑)。 

「聞き書 茨城の食事 日本の食生活全集⑧」(発行:社団法人農山漁村文化協会)

にある『鹿島灘沿岸の「もろこしもち」が、もろこし粉の作り方からみても、『食菜録』の『茂ろこしもち』とかなり近いもののように思いますし、逆に、古くから、常陸国で食べられていたのだと分かりますね。

 

水戸食菜録研究会さんの『食菜録』サイト

http://arakilab.hum.ibaraki.ac.jp/syokusairoku.html

では、

これから再現料理の紹介も増えていくとのことで、これまた楽しみです

水戸や茨城の食文化・食の歴史の発信や、観光にも繋がると良いですよね。

再現料理を味わう会があったら、是非参加して味わってみたいです♪

 

(市川)

 

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