郷土食研究会 うまかっぺ!茨城 

茨城の郷土食に関するあれこれ。また、そこから、「食」だけではない、た~~~くさんの、よもやま話などなど・・・

坂東の「みょうがまんじゅう/やきびん」

2017-07-23 20:45:00 | グルメ

坂東市の旧岩井地区で、夏祭りの頃に作れるという「みょうがまんじゅう」/「やきびん」という伝統菓子があると聞き、坂東市の和菓子やさんで購入してみました。

 「みょうがまんじゅう」 

 

 控えめの甘さのこしあんと、焼いた生地の歯ごたえがマッチして、美味しいです

 

 こちらは、「やきびん」。

左(文字入り)が味噌あん、右はこしあん。

味噌あんも美味しかったです

みょうがまんじゅうより、やきびんの方が、皮の歯ごたえがある感じでしょうか。

そして、「みょうがまんじゅう」も「やきびん」も、みょうがの葉の香りが、夏を感じます

 

 坂東市では、もともと、夏の今の時期に作られる伝統的な「やきびん」を、近年、新しくアレンジした「みょうがまんじゅう」を、市の名産として売り出しているそうです。

夏の時期に取れるみょうがの葉は、古来から厄払いにもなると聞いたことがあります。

そんなみょうがで巻いた(挟んだ)「みょうがまんじゅう」&「やきびん」

その伝統とともに、もっと知られると良いな♪ と思いました

(市川)

 

 


『からちゃは、むぎつきよりこわい』

2017-07-01 10:42:51 | グルメ

先日、旧筑波町(筑波山神社近く)で、地元のおばあちゃんからお茶をごちそうになった時のこと、

『ごちそうさまでした♪』と湯呑を返しに行ったら、おばあちゃんが、

『お粗末さまでした。”からちゃは、むぎつきよりこわい” で申し訳なかったねぇ』

とおっしゃいました。

 

からちゃは、むぎつきよりこわい』・・・?

 

初めて聞いたことばなので、意味をうかがったところ、

からちゃ:空のお茶 → お茶うけ(お茶菓子など)を添えないで、お茶だけ出すこと。

むぎつき:麦搗き → 麦を(臼などで)搗く作業

こわい:疲れる → ここでは転じて『(お茶うけを添えなかったので、気を使って)疲れる』→『気が引ける、申し訳なく思う』

ということで、

 

お茶うけを出さずにお茶だけ出すのは、(重労働の)麦搗きより、疲れる(→ 気が引けて気疲れする。申し訳なく思う)

 

という意味なのだそうです

『誰かにお茶を出すときは、お茶うけも添えるものだ』という戒めの言葉だそうで、

現在の筑西市のご出身のおばあちゃんは、『子供の頃、よく年寄りに言われたものだったよ』とのこと。

 

ちなみに、お茶うけとしては、よくお漬物を添えるそうです

 

麦作を作る地域だからこその『麦刈り』という表現。また標準語の『怖い』でなくて、こちらの方言で『疲れる』という意味の『こわい』という表現など、土地の文化や、昔からの人々の生活の知恵が感じられる一言だなぁと心に残りました

 

そういう日常の習慣や文化も含めての郷土食なんだよなぁ~と改めて思った次第です。

からちゃは、むぎつきよりこわい』、今度使ってみようかな

(市川)