写真は和棉(アジア綿)の茶です。
日本に棉が入ってきたのは、今から1230年あまり前西暦799年ごろ
現在の愛知県三河湾に漂着したインドの人からだったと文献には記されています。
乗っていた小舟には棉の種が積み込まれていたようで
この種が近畿、四国、九州の各地へ分配し試植されましたが、ほどなくして耐えたようです。
ただ1479年には高野山の住職へ木綿一反が贈られたという記録があるので、
インドからもたらされた棉の種はどこかで細々と繋がっていたのかも知れませんね。
これは一説では棉の原種ではないかと言われている赤棉です。
繊維は和棉よりも短く3ミリほど、
コットンボール(はじけた実)は直径2~3センチ程しかありません。
種を手に入れた当初は、もっと濃い茜色で弾けた実はさらに小さいものでした。
休耕田に数種類の棉を植えていたので、
他の棉と混ざってしまい
最初の原種に近い状態からはほど遠くなってしまいました。
和棉(アジア棉)と比べて繊維が長い棉を一括して洋棉と呼んでします。
ふっくらとしたコットンボールからはたくさんの繊維が採れます。
世界各国で栽培されているアプランド棉(中長綿)がいちばん有名ですが、
超長綿になると繊維の長さが3~3.5センチにもなる棉もあります。
しなやかで柔らかい布が生まれます。
洋棉の茶
これは最近、ドライフラワーとして花屋さんで見かけるようになりました。
一見、カビ?かと思われる この棉
緑棉と呼ばれています。
繊維は中長綿ですが、他の棉より柔らかくて取り扱いが難しいです。
でも
とてもきれいな緑の糸が生まれます。
参考文献
染織と生活社 続木綿伝承 佐貫 尹(さぬき ただす)著
平凡社別冊太陽 日本の自然布