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織の記録

ストール

2023-09-29 11:18:55 | ストール、マフラー、ひざ掛け

ウールにはまだ早くて、それでも肌寒くなるこれからの季節に2枚のストールを紹介します。

たて糸、よこ糸:シルクラミー12m/g

筬目:5/㎝(引き込み2本)

綜絖:4枚

機:ジャッキ機

仕上げ後:巾55㎝ 長さ160㎝(房別)

織り:スエディッシュレース織り

たて糸、よこ糸:シルク紬糸 8.5m/g

筬目:6/㎝(引き込み1本)

綜絖:8枚

機:ジャッキ機

仕上げ後:巾60㎝ 長さ160㎝(房別)

織り:オーバーショット織り

 

参考資料

STRYCKLER    8-SHAFT  PATTERNS

美術出版社 新技法シリーズ ウィーヴィング・ノート

 

 

 

 

 


大原へ

2023-09-28 09:39:22 | 徒然に

写真は自宅

上:藍、エンジュ、タンガラ染め

下:左 紅花、緑綿、白綿、藍、茶綿  右 桑の実

奈良への旅と同じころ

やはりテキスタイルスクールの先生の勧めで大原工房を訪ねました。

草木染と糸紡ぎが目的で、前日から宿泊を含めて3泊4日(講習は3日間)

糸紡ぎは経験がありますが、熟練者の手わざを見たかったから

思っていた通り綿の繊維の動きから紡がれる糸の太さの違いを

理にかなった説明を頂けました。

これまでの漠然と理解していたことが確信へと変わっていきました。

この時の大原工房の写真は残念ですがありません。

当時まだ私はガラ携帯時代でしたし、デジカメを持っていましたが写す間もないくらい

とにかくハードでした。

一日の講習が終わると宿にまで糸車を持ち込み、夕食後も遅くまで紡ぐのです。

もちろん、宿のご主人は慣れたものです。

翌朝は軽トラで工房まで糸車を運んで下さるのですから。

最終日は自分で紡いだ糸の草木染です。

茜、エンジュ、藍 

種類は少ないですが、重要なのは工程です。

染め小屋の中で汗だくになりながらの精練、水洗い等

体全体で綛をくる動きに身も心もすがすがしい思いがしました。

<追記>

川島テキスタイルスクールのワークショップでも染色の講習があります。

染色だけの講座ではなくて、織りの基礎講座でも絣や組織織の講座の中でも染めの勉強と実習があります。


奈良へ

2023-09-27 11:30:33 | 徒然に

川島テキスタイルスクールの先生の勧めで、奈良県立民俗博物館で催されていた「奈良さらし」のワークショップに出かけたのは今から7年前でした。

そこで見たのは文献でしか知らなかった「苧うみ(糸績み)」でした。

奈良晒は奈良上布ともよばれ、室町から江戸時代にかけて麻織物の一級品としての評価を得ていたものの

明治からは衰退の一途をたどりました。

昭和54年に奈良県無形文化財に指定され技術の保存の機運が起こったのを機に

昭和58年に月ヶ瀬奈良晒保存会が発足し現在(2016年)27名の会員によって伝統を継承するための活動が続けられていると

説明文に書かれていました。

月ヶ瀬の皆さんからご指導していただきながら初めて績んだ「糸」です。頼りないほどに細い麻糸

これに撚りをかけて、綛掛け、枠掛けを経て整経に至ります。

機織りも少しですが体験させていただきました。

この数か月後、名勝依水園でも「まぼろしの布をもとめて」と題し、奈良晒の紹介があったので出かけてきました。

ここでは、ワークショップは催されず展示が主でした。

ただ、終了間際の「砧打ち」の職人さんのお話しは、この奈良上布の技術継承の危機的なものを感じました。

暮らしに必要とされて発展した「織物」

時代が流れて、織物は一部をのぞいて大半が機械化されて

糸績み、糸染、絣の括り、絞りの括り、機掛け、仕上げ‥などそれぞれの専門職人が消えていきました。

これは仕方のないことかもしれないけれど、これでいいのだろうかと一抹の不安と疑念の残った奈良の旅でした。

参考文献

日本図書センター 日本伝統織物集成


川島テキスタイルスクールへ

2023-09-23 12:44:49 | 徒然に

 

写真は川島テキスタイルスクールのワークショップ

「ずらし絣のマフラー」作業途中

 

自己流といっても多くの専門書を参考に、また県内の織りと染色の教室にも通ったけれど

どうしてももっと学びたいという気持ちは年齢を重ねるごとに大きくなっていきました。

両親を看取り、子供たちも社会に出たのをきっかけに探し当てたのが

京都の「川島テキスタイルスクール」でした。

入学して勉強したかったけれど…

たとえ一年でも家を空けることにはためらいがありました。

そこで見つけたのが「ワークショップ」

コース選びは迷いませんでした。

”はじめての織り(10日間)”

とにかく、自分のやってきたことに自信がなくて、基礎を勉強したかったのです。

これを機に毎年の京都通いが始まり

”組織が分かる5日間”

”組織応用”

”はじめての絣”

”ずらし絣のマフラー”

もっと学びたいコースはたくさんあります。

でも、寮の宿泊費、交通費は決して安価なものではありません。

2020年からのコロナ渦がやっと開けた今年、気が付けば自分は古希を迎えようとしていました。

それでも学びたい気持ちは衰えず、また再び川島の扉をたたこうと思っています。

 

 

 

 

 


リジット機ー4 試し織り

2023-09-21 09:29:06 | リジット機

添え糸織り

たて糸:綿麻、ナイロン混紡(手芸店で購入)

よこ糸:たて糸と同じ

添え糸:紡績糸(8.5m/g)を4本揃え(これまでの余り糸を使用)

ヘドル:4/㎝

織り巾:13㎝

織り丈:12㎝×3枚

組織:平織

一枚のテーブルセンターの中に

平織、ななこ織、綾織その変化、模紗織りなどを入れて織っています。

<左側> 

 たて・よこ糸:ウール100%(1.6m/g)

 ヘドル:2/㎝

<右側>

 たて・よこ糸:綿麻(2.1m/g)

 ヘドル:4/㎝

摸紗織り、浮き織り‥などをい入れて織ったテーブルセンター

たて糸:紡績綿糸(2/19)紅花(鉄媒染)

よこ糸:たて糸と同じ、自家栽培綿白、赤、茶

ヘドル:5/㎝

 

リジット機は高機のような綜絖を通さないので、一度渡したたて糸を通し直すことなく様々な組織を織ることができます。

そのため試し織りなどには大変重宝する機でもあります。

 

参考資料

誠文堂新光社出版 「手織り大全」箕輪直子著