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織の記録

昼夜織り

2024-03-10 15:41:02 | さまざまな織と技法

自家栽培の藍で染めた昼夜織りテーブルセンターです。

カテゴリー トートバック・小物等で紹介したブックカバー

この時の試し織りで縫ったものです。

使用した紡績綿糸20/2はテーブルセンターには 張りが足りなくて

20/3を使うべきだたと反省しきりです

昼夜織の面白さは、同じタイアップで踏み順を替えることで裏側の糸で模様を作ることが出来ることです。

裏表の模様が逆になり、部屋の雰囲気や季節でも使い分けることができる面白い織物だと思っています。

上の写真はろくろ機のタイアップです

踏み木4,2,4,1を繰り返すと表面、裏面がそれぞれの色で織れます。

踏み木3,2,3,1で裏と表が逆転します。

写真のように

よこ糸を渡す途中で踏みかえる(3,2,3,1)と裏面糸の模様を織ることができます。

さらに

下の写真のように

たて糸の組み合わせを変えて(6色使っています)

よこ糸を一色にすることで

このようにな模様を出すことができます。

この時の機はジャッキ機です(ろくろ機でも十分織れます)

表(左側)と裏(右側)でこのような色使いになります。

但し、昼夜織はあまり凝った色使いをすると…

裏も表もあまり変わらないものが出来上がるので、

要注意です 

追記:ろくろ機とジャッキ機はタイアップが逆になります。例えば、綜絖1、3がタイアップされた踏み木を踏むと、ろくろ機の綜絖1、3は下がり、ジャキ機では上がります。

ろくろ機と同じタイアップをジャキ機にすると、表と裏が逆になるわけです。



二重織り

2024-02-09 14:21:39 | さまざまな織と技法

ご無沙汰しています。

久々の投稿、二重織りのお話をしたいと思います。

二重織り、名のごとく二枚の布が重なった織物です。

平織が一般的ですが、多綜絖なら綾織もできます。

広い意味では風通絣、昼夜織り、そしてヤノフ村の絵織物も二重織りです。

上の写真のように片端を開けると、マーガレットを織ることができ、

両端を閉じて織ると、縫い目なしの巾着などを作ることができます。

アルパカブークレとスラブ羊毛で作ったマーガレットです。

依頼品なので、現在手元にありませんが、冬になると肩掛けとして重宝していると喜んで下さってます。

図はろくろ機のタイアップです。

踏み木1、2で表布、

踏み木3,4で裏布を織ります。

筒状にしたいときは、両端のよこ糸を交差します。

表裏同色のよこ糸を使う時は、交差する必要はなくそのまま筒状になります。

同色よこ糸で、片開きにしたいときは、

踏み木を1,3,4,2の順で踏むと片端が開きます。

いろいろ、試してみて下さい。

多綜絖を使うと、さらに面白い二重織りができます。

参考資料:ホームスパンテクニック


網代織りと崩し縞

2024-01-07 17:14:07 | さまざまな織と技法

網代(あじろ)織りです。

網代とは竹や草で編んだカゴの編み模様のことを指します。

たしかにカゴの網目に似ています。

平織だけで織るこの織物は見る者を不思議と魅了します。

殆どの織り本に紹介されている組織図です。

順通しで平織、色の配色だけでできる模様ですが、

素材を変えることで敷物から服地まで幅広く使われています。

左貫 伊(さぬきたすく)氏の「続木綿伝承」には

古い縞本帳とともに、いくつかその技法を紹介しています。

縞と聞くと縦縞を思い浮かべますが、

ここでは崩し縞と呼ばれる特異な縞柄も紹介されていてます。

その中から一例を織ってみました。

たて糸、よこ糸:紡績綿19/4

筬:6/㎝(引き込み2本)

ろくろ機使用

実際にはもっと細い糸で織られていたと思うのですが、

縞帳には今に利用されているパターンも多くあります。

先人の探求心には敬意を感じます。

この布、夫の水筒袋になりました。


思い出の布たち

2023-11-24 14:03:56 | さまざまな織と技法

次の仕事まで機はひと休みです。

これは、自分のジャッキ機をはじめて買った時に織った機カバーです。

60㎝幅の機に丁度よく織ったものですが、年月と洗濯を繰り返すうちにすっかり縮んで

今はろくろ機のカバーになっています。

参考資料:MASTERING WEAVE STRUCTURES Sharon Alderman

たて、よこ糸:ローシルク 

筬:7/㎝(引き込み1本)

綜絖:8枚

織ることがおもしろくて楽しくて、夢中になっていたころの作品です。

作品といっても使用目的も考えず、ただただ綜絖と踏み木のタイアップで無限に広がる織りの世界に浸っていたころです。

参考資料:A WEAVER'S BOOK OF 8-SHAFT PATTERNS

たて、よこ糸:シルク紬糸8.5m/g

筬:8/㎝(引き込み1本)

綜絖:8枚

この布は現在、果物かごに掛けて使っていますが、風呂敷にも合いそうな組織です。

ぜひ織ってみたいと思っています。

次の組織もはじめの頃のものです。

参考資料:A WEAVER'S BOOK OF 8-SHAFT PATTERNS

たて、よこ糸:シルク紬糸8.5m/g

筬:8/㎝(引き込み1本)

綜絖:8枚

この組織は布に凹凸が出るので、暖かみのある布になります。

テーブルセンターとして計画したのですが、当初からこの上に飼い猫が座るようになって…

よほど座り心地が良かったらしく、晩年16歳で逝くまでこれが彼女の敷物になっていました。

爪で引っ掛けた後などが残っていますが、良い思い出の布です。


KILIM キリム

2023-10-28 14:36:49 | さまざまな織と技法

日本文芸社 はじめての、小さなキリムと小物たち Koyun由紀子著に出合ったのは

知人の家でした。

中央アジアから西アジア、ひいては南アメリカまで遊牧民の女性たちによって伝えられてきた織物

木枠一つあればどこでも織ることができる織物です。

代々の女性たちが伝えてきた絵柄にはヤノフ村の絵織物と通じるものがあります。

シンプルなモチーフとカラフルな配色に魅了されてしまいました。

暖かい飲み物が入ったマグカップのコースターにピッタリです。

お茶の時間が楽しくなります。

これは…… 

我が家の守り神 

ですかね…頼もしいです