未来に何かを起こすには、勇気を必要とする。
努力を必要とする。
信念を必要とする。
その場しのぎの仕事に身を任せていたのでは、未来はつくれない。
目の前の仕事では足りない。
いかなるビジョンも、万事が順調というわけにはいかない。
むしろ、そうであってはならない。
未来に関わる構想のうち、必ず失敗するものは、確実なもの、リスクのないもの、失敗しようのないものである。
明日を築く土台となるビジョンは、不確実たらざるをえない。
それが実現したとき、どのような姿になるかは、誰にもわからない。
リスクを伴う。
成功するかもしれないが、失敗するかもしれない。
もし不確実でもなく、リスクを伴うものでないならば、そもそも、未来のためのビジョンとして現実的でない。
なぜならば、未来それ自体が不確実であって、リスクを伴うものだからである。
したがって、ビジョンに対する全人的な献身と信念がないかぎり、必要な努力も持続するはずがない。
:チェンジリーダーの条件 p210
ドラッカーの書籍で肝心な時に出てくることばが「勇気」である。
ドラッカーの論理的な展開をまじめに読んできた人が一気に興ざめするのではないかと思ってしまう。
そして、ドラッカーは忘れられる。
勇気があればドラッカーのノウハウは背中を押してくれるが、勇気がなければ役に立たない。
ドラッカーのノウハウを意味あるものにするには、学ぶ前に勇気を身につけておく必要がある。
正確には、「integrity」を身につけておく必要がある。