株主主権は短期の見返りを要求した。
しかし年金の給付を確実なものにするには、投資の将来価値を増大させなければならない。
そのためには短期の利益と長期の業績をバランスさせなければならない。
両者を対立させるのではなくバランスさせる必要がある。
:「経営の真髄 p103」
バランスはドラッカーのキーワードの一つである。
短期と長期、部分と全体、短期や部分はわかりやすいが、長期と全体はわかりにくい。
短期や部分に集中しながら、長期や全体として大丈夫かと問わなければならない。
理想を求めて今ある道具を使ってケースバイケースで対応する。
集中すると長期や全体は見失いやすくなる。
よって、集中しなくてよい時には長期や全体を常に考えるという習慣を身につけておく必要がある。
集中するために、長期や全体のことを常に意識しておく。
致命的なミスを犯さないために、長期や全体のことを常に意識しておく。
未来のビジョンを常に意識しておく。
そのことを忘れないように、ドラッカーは「目の前の臼を曳きながら、丘の上の木を見なければならない」という言葉を残した。