組織は人を変える。
否応なしに変える。
成長させたり、逆にいじけさせたりする。
人を育てることについて、われわれは何を知っているか。
かなりのことを知っている。
とくに、何を行なうべきでないかについてよく知っている。
行なうべきでないことのほうが、行なうべきことよりもわかりやすい。
第一に、不得意なことで何かを行なわせてはならない。
礼儀、態度、スキル、知識は学ぶことができる。
だが個性を変えることはできない。
第二に、近視眼的に育ててはならない。
身につけさせるべきスキルはある。
だが人を育てるということは、それ以上のことである。
キャリアと人生にかかわることである。
仕事は人生の目標に合わせなければならない。
第三に、エリート扱いしてはならない。
重要なことは実力であって見込みではない。
要求は厳しくしなければならない。
人材の育成にあっては、強みに焦点を合わせなければならない。
そのうえで要求を厳しくしなければならない。
そして、時間をかけて丁寧に評価しなければならない。
向かい合って、約束はこうだった。
この一年どうだったか、何をうまくやれたか、と聞かなければならない。
:「非営利組織の経営」
組織は人を変えるが、人も組織を変える。
組織は社会をつくり、社会が組織を変える。
人が組織をつくり、組織が人を変える。
人が習慣をつくり、習慣が人を変える。
人と組織と社会は変わり続け、とどまることはできない。
できることは、変化の先頭に立つことだけである。
「仕事は人生の目標に合わせなければならない」というのも重いことばである。
「人生の目標」とは「何によって憶えられたいか?」を考え抜くことで見つけるしかない。