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草創と守文といずれが難き

トップリーダーになるのと、なってからそれを維持するのとではどちらが難しいかで有名な問答が「太宗、侍臣に言いて曰く、帝王の業、草創と守文といずれが難き、と」というもの。

 この問いに対して昔からの腹心の部下である房玄齢は、「群雄が競い合う中、それを次々に攻め討って降伏させる勝ち抜き勝負でこれを平定するのですから、創業の方が困難と言えるでしょう」と答えた。

 それに対して、始めは政敵について後に太宗に見出された魏徴(ぎちょう)は、「新しい王朝は、前代の失政や混乱の後を受けて、それを打倒して誕生します。ですから天下は一応これに従うのであって、それほど困難とは思えません。しかし、一たびそれを得ると、驕りが出て考えが偏り、民の疲弊や困窮に気付かなくなります。国の衰亡は常にこれによって起こるのであって、そう考えると、守文の方が難しいと思います」と答えた。

 この両者の意見を聞いて太宗は、「共に一理あるが、今や創業の困難の時は去った。これからは守文の困難さに、諸君と共に慎重に対処したい」と答えた。

 貞観政要は、まさに帝王学を教える書として傑出した読み物で、日本でも北条政子や徳川家康が愛読していたらしい。 

 太宗は「理想を求めて、今ある道具を使って、ケースバイケースで対応する」という上田先生の口癖を理解していたようである。

 そもそも、そのような疑問を持つこと自体が太宗の優秀さを物語っている。

 古の帝王学は、現在のマネジメントを機能させるノウハウである。

 

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