人間である以上、意見の対立はなくならない。
ならば、対立の真っただ中で異なる意見を調整し合い、ある種の平衡状態というか、多様な価値観が安定した形で共存・共生できる妥協点のようなものを適切に示す必要がある。
その時に、社会はこのような方向に向かうべきだ、こう変えたいという、それぞれの信念や思想を突き合わせた対話を粘り強く続けていかなければ、最善の接合点は見いだせないと思います。
ただ私たちは、スマホで検索して瞬時に答えを得ることに慣れ切っているため、簡単に答えが出ない問いに対して忍耐力を持って対話することが苦手になっている。
そういう現状に危機感を示し、変革を促す意味でも、宗教や教育の果たす役割は大きい。
:同志社大学・良心学研究センター長 小原克博教授