白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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ゾーンプレス

2018年12月06日 23時59分59秒 | 幽玄の間
<本日の一言>
高輪ゲートウェイというネーミングセンス・・・。
かつて日本棋院があった地だからというわけでもありませんが、地名は大事にして欲しいものですね。
もっとも、「たまプラーザ」に住んでいた頃は駅名に何の疑問も持っていませんでしたが・・・(笑)。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
木曜日は日本棋院棋士の公式対局日です。
幽玄の間で多くの対局が中継されています。
しかも本日は、名人戦リーグの六浦雄太七段対井山裕太五冠、本因坊戦リーグの羽根直樹九段対芝野虎丸七段の2局が解説付きで中継されるという大盤振る舞いでした。
皆様もぜひご覧ください。

さて、本日は王銘エン九段と上野愛咲美二段の対局をご紹介したいと思います。



1図(テーマ図)
王九段の黒番です。
白△と挟まれた場面で、どのような構図を描きますか?
色々な打ち方がありそうですが・・・。





2図(実戦)
王九段の選択は、まず黒1と2間飛びで力を溜めておき、そして黒3の肩衝き
さらに、黒5、7の二段バネ

王九段の代名詞と言えば「ゾーンプレス」ですが、これは確かにプレスをかけている感があります。
黒×の変則締まりが輝いて見えますね。





3図(実戦)
黒のプレスが続きます。
黒×は締まりと言っても、白Aあたりに入られると簡単に手にされてしまいそうです。
しかし、大石に不安がある白にはその余裕がありません。
王九段は、こういった隙のある構えの運用を得意としているイメージがあります。





4図(実戦)
自然な流れの中で、黒×を打てて右下隅がまとまり、さらに上辺が黒模様になりつつあります。
黒が流れに乗っていますね。


こういう打ち方で勝てたら気持ち良いと思うのですが、私が真似してもなかなか上手くいきません。
腕力も必要ということでしょう。