皆様こんばんは。
芸の無い事に本日も幽玄の間中継棋譜のご紹介です。
なお、紹介であって解説ではありません。
解説というのはかなりの労力を伴います。
プロ同士、あるいはアマ同士でも大会の碁などは全身全霊をかけての戦いです。
それをぱっと見ただけでこれは良い、これは悪いとは軽々しく言うわけにはいきません。
その必要がある時には自分なりにしっかりと裏を取るように心がけています。
そのあたりについては、別の機会に詳しく記そうと思います。

さて、本日取り上げるのは河野臨九段(黒)対桂篤五段戦です。
何故この対局を選んだかと言えば、桂五段があまりにも自由に打っているからです(笑)
勝たなければならないプロがこんな打ち方が出来るのですから、アマの方にも自由な発想で打って頂きたいですね。
さて、局面は黒△と隅を戸締まりした所です。
白1子が弱くなったので何かこの周辺に打たなければいけません。
自由と言っても、やはり逃せない所はあります。
着点としては堂々の白A、1子を捨てる事も視野に入れてのBやCなども考えられます。

ところが、実戦は何と白1以下と見た事もない打ち方!
発想としては左下の黒が強いので、そこへさらに手をかけさせている間に左辺へ先行しようという事ですね。
ただし、この形は皆様は真似されない方が良いでしょう(笑)
状況に応じて手を選べる、プロならではの趣向とご理解ください。

白1は黒2か黒Aか、黒の受け方を聞く常套手段です。
しかし白3とは思い切った手です。
私もこういう手は指導碁ではよく打ちます(笑)
しかし、盤の向こうに座っているのは河野臨九段!

さらに、白△と空き三角に打ちました。
次にAとBを見合いにして強引に切断しようという手です。
こういう形の悪い手はアマの皆様には人気ですが、プロはあまり好みません。
しかし時には良い手になる事があり、江戸時代の名人、本因坊丈和の有名な対局にも出現します。

対する河野九段の黒1からのサバキは、高段者にはとても参考になるでしょう。
AやBが先手ですが、どちらも決めずに黒11と打つのがポイントです。

白は中央で好形を得て、黒は左辺で白2子を取り込む鮮やかな分かれになりました。

黒は上辺を生きましたが、そこで白1が狙いの一着です。
白△と黒△を交換しておいたのが生きて来ました。
後から白△と打つのでは、黒Aと受けられて効果が挙がらない所です。

白1から黒地を白地にして、大きなエグリです。
場合によっては外側の黒を攻めようという狙いさえあります。
左辺の白数子がどうなるか判断が難しいですが、少なくとも見た目は白悪くないように見えます。
最後は黒2目半勝ちでしたが、白にもチャンスがあったのではないでしょうか。
本局は私の発想に全く無い手が多く出て来ましたが、それでも河野九段を相手に勝負の形になっています。
碁というのは私が考えているより遥かに深いのかもしれません。
芸の無い事に本日も幽玄の間中継棋譜のご紹介です。

なお、紹介であって解説ではありません。
解説というのはかなりの労力を伴います。
プロ同士、あるいはアマ同士でも大会の碁などは全身全霊をかけての戦いです。
それをぱっと見ただけでこれは良い、これは悪いとは軽々しく言うわけにはいきません。
その必要がある時には自分なりにしっかりと裏を取るように心がけています。
そのあたりについては、別の機会に詳しく記そうと思います。

さて、本日取り上げるのは河野臨九段(黒)対桂篤五段戦です。
何故この対局を選んだかと言えば、桂五段があまりにも自由に打っているからです(笑)
勝たなければならないプロがこんな打ち方が出来るのですから、アマの方にも自由な発想で打って頂きたいですね。
さて、局面は黒△と隅を戸締まりした所です。
白1子が弱くなったので何かこの周辺に打たなければいけません。
自由と言っても、やはり逃せない所はあります。
着点としては堂々の白A、1子を捨てる事も視野に入れてのBやCなども考えられます。

ところが、実戦は何と白1以下と見た事もない打ち方!
発想としては左下の黒が強いので、そこへさらに手をかけさせている間に左辺へ先行しようという事ですね。
ただし、この形は皆様は真似されない方が良いでしょう(笑)
状況に応じて手を選べる、プロならではの趣向とご理解ください。

白1は黒2か黒Aか、黒の受け方を聞く常套手段です。
しかし白3とは思い切った手です。
私もこういう手は指導碁ではよく打ちます(笑)
しかし、盤の向こうに座っているのは河野臨九段!

さらに、白△と空き三角に打ちました。
次にAとBを見合いにして強引に切断しようという手です。
こういう形の悪い手はアマの皆様には人気ですが、プロはあまり好みません。
しかし時には良い手になる事があり、江戸時代の名人、本因坊丈和の有名な対局にも出現します。

対する河野九段の黒1からのサバキは、高段者にはとても参考になるでしょう。
AやBが先手ですが、どちらも決めずに黒11と打つのがポイントです。

白は中央で好形を得て、黒は左辺で白2子を取り込む鮮やかな分かれになりました。

黒は上辺を生きましたが、そこで白1が狙いの一着です。
白△と黒△を交換しておいたのが生きて来ました。
後から白△と打つのでは、黒Aと受けられて効果が挙がらない所です。

白1から黒地を白地にして、大きなエグリです。
場合によっては外側の黒を攻めようという狙いさえあります。
左辺の白数子がどうなるか判断が難しいですが、少なくとも見た目は白悪くないように見えます。
最後は黒2目半勝ちでしたが、白にもチャンスがあったのではないでしょうか。
本局は私の発想に全く無い手が多く出て来ましたが、それでも河野九段を相手に勝負の形になっています。
碁というのは私が考えているより遥かに深いのかもしれません。