<本日の一言>
確定申告は1年間の仕事の成果を具体的な数字で振り返る機会でもあります。
昨年はNHK囲碁講座別冊付録での連載をはじめ、対局以外の仕事は好調でした。
一方、対局では過去最低の成績を記録し、対局料は前年比マイナス60%でした。
全体としては前年比で少しマイナスになりました。
今年は必ずプラスに持っていきたいですね。
</本日の一言>
皆様こんばんは。
1日空いてしまいましたが、棋聖戦第7局の2日目を振り返りたいと思います。
本局は歴史に残る名局でした。
1図(封じ手)
封じ手予想は白△でした!
まさかの3連敗4連勝です!
今回はできすぎでしたね(笑)。
2図(実戦)
井山裕太棋聖のこの手にはビックリ!
白Aと打てば簡単に生きられたところですからね。
しかし、その生き方にほんの少し不満があって頑張ったのでしょう。
「殺せるものなら殺してみろ」と言っています。
なんと言っても危険な打ち方であり、おそらく最善とは言えないでしょう。
しかし、この一手が歴史的な名局が誕生するきっかけになりました。
ただ勝つだけではなく魅力的な対局を見せるという、井山棋聖の姿勢が表れたと思います。
3図(実戦)
そこで引き下がる山下敬吾挑戦者ではありません。
外側の黒に弱点は多いですが、本気で取りにいきました!
剛腕山下から、殺し屋山下へ・・・。
4図(実戦)
右辺白が助かるためには、黒×か黒〇の一団を取るしかありません。
あるいは黒△を取る振り替わり作戦も視野に入れていたかもしれませんが、一つはっきりしていることがあります。
それは、井山棋聖は白が上手くいくという確証を得ていなかったということです。
こんな戦いを読み切れるわけがありませんからね。
にもかかわらず、井山棋聖はこの道に足を踏み入れました。
棋聖戦の最終局という、最大のプレッシャーがかかる大舞台で・・・。
井山棋聖の揺るぎない信念には、感動すら覚えますね。
5図(実戦)
ここで白Aと打てば黒△を取れました。
右辺白大石は助かりませんが、白地も結構大きくなります。
激戦がようやく一段落するかと思われた場面です。
ところが、実戦は白△!
黒Bと受けてくれれば2目得になりますが、受けずに黒△を助けられてしまうかもしれません。
大きなリスクがありますが、それでもここは2目を稼ぎにいかなければならないと判断したのですね。
大変な読み合いの最中にもかかわらず、精密な形勢判断を行っていたことが分かります。
そして、この手を打つためにはさらに膨大な読みが必要になります。
全身全霊を込めた戦いなのです。
果たして、山下挑戦者も受けずに反発し、激戦はさらにエスカレートしていきました。
6図(実戦)
周囲の黒との攻め合いの結果、白×の29子が全滅しました。
しかし、その間に白が各所で利益を上げ、結果は白6目半勝ちとなりました。
想像も付かない結末でしたね。
平成最後の棋聖戦は、最高の名勝負になりました。
両対局者には心から拍手を送りたいと思います。
さて、これでしばらく更新をお休みしたいと思います。
・・・ワールド碁チャンピオンシップが明後日から始まることを忘れていたのですが、そちらの感想もまた後日ですね。
ただ、もし日本棋士が優勝したら無理をしてでも更新するかもしれません。
井山棋聖と張栩名人の活躍を願っています。
確定申告は1年間の仕事の成果を具体的な数字で振り返る機会でもあります。
昨年はNHK囲碁講座別冊付録での連載をはじめ、対局以外の仕事は好調でした。
一方、対局では過去最低の成績を記録し、対局料は前年比マイナス60%でした。
全体としては前年比で少しマイナスになりました。
今年は必ずプラスに持っていきたいですね。
</本日の一言>
皆様こんばんは。
1日空いてしまいましたが、棋聖戦第7局の2日目を振り返りたいと思います。
本局は歴史に残る名局でした。
1図(封じ手)
封じ手予想は白△でした!
まさかの3連敗4連勝です!
今回はできすぎでしたね(笑)。
2図(実戦)
井山裕太棋聖のこの手にはビックリ!
白Aと打てば簡単に生きられたところですからね。
しかし、その生き方にほんの少し不満があって頑張ったのでしょう。
「殺せるものなら殺してみろ」と言っています。
なんと言っても危険な打ち方であり、おそらく最善とは言えないでしょう。
しかし、この一手が歴史的な名局が誕生するきっかけになりました。
ただ勝つだけではなく魅力的な対局を見せるという、井山棋聖の姿勢が表れたと思います。
3図(実戦)
そこで引き下がる山下敬吾挑戦者ではありません。
外側の黒に弱点は多いですが、本気で取りにいきました!
剛腕山下から、殺し屋山下へ・・・。
4図(実戦)
右辺白が助かるためには、黒×か黒〇の一団を取るしかありません。
あるいは黒△を取る振り替わり作戦も視野に入れていたかもしれませんが、一つはっきりしていることがあります。
それは、井山棋聖は白が上手くいくという確証を得ていなかったということです。
こんな戦いを読み切れるわけがありませんからね。
にもかかわらず、井山棋聖はこの道に足を踏み入れました。
棋聖戦の最終局という、最大のプレッシャーがかかる大舞台で・・・。
井山棋聖の揺るぎない信念には、感動すら覚えますね。
5図(実戦)
ここで白Aと打てば黒△を取れました。
右辺白大石は助かりませんが、白地も結構大きくなります。
激戦がようやく一段落するかと思われた場面です。
ところが、実戦は白△!
黒Bと受けてくれれば2目得になりますが、受けずに黒△を助けられてしまうかもしれません。
大きなリスクがありますが、それでもここは2目を稼ぎにいかなければならないと判断したのですね。
大変な読み合いの最中にもかかわらず、精密な形勢判断を行っていたことが分かります。
そして、この手を打つためにはさらに膨大な読みが必要になります。
全身全霊を込めた戦いなのです。
果たして、山下挑戦者も受けずに反発し、激戦はさらにエスカレートしていきました。
6図(実戦)
周囲の黒との攻め合いの結果、白×の29子が全滅しました。
しかし、その間に白が各所で利益を上げ、結果は白6目半勝ちとなりました。
想像も付かない結末でしたね。
平成最後の棋聖戦は、最高の名勝負になりました。
両対局者には心から拍手を送りたいと思います。
さて、これでしばらく更新をお休みしたいと思います。
・・・ワールド碁チャンピオンシップが明後日から始まることを忘れていたのですが、そちらの感想もまた後日ですね。
ただ、もし日本棋士が優勝したら無理をしてでも更新するかもしれません。
井山棋聖と張栩名人の活躍を願っています。