I.Takashi @ NED

商業計画プランナー、リサーチャー、ライター。
海外の街や特別なホテルの情報、最新農業事情や食の研究などをお届けします。

My Home Story:建築デザイナーが一戸建てを購入した実録記8

2021-05-14 12:07:44 | 【My House Story】

[傾斜地のある地域はこれを確認(内見ポイント【応用】:災害区域)]

 

内見時、散歩時に文献近くを歩けば分かることですが、物件が傾斜地を背負っていることがあります。

あるいは、傾斜地に立っている物件もあるかもしれません。

 

すごくいい物件だったとして、その斜面地はどうなの?大丈夫なの?と思うこともあります。

僕が住んでいる横浜市の一部もそういう場所がありまして、長崎など、山あり坂ありの地形の場所では

よく見る光景のこともあると思います。

 

近年、大きな災害発生が多発しており、土砂災害も頻発しています。

そのような中で、崖地や斜面地の物件には不安が残ります。

 

自然災害と戸建て購入の際に関係ある法令はいろいろあります。

・災害危険区域(建築基準法)

・宅地造成工事規制区域(宅地造成等規制法)

・造成宅地防災区域(宅地造成等規制法)

・ぼた山崩壊防止区域(地すべり等防止法)

・地すべり防止区域(地すべり等防止法)

・急傾斜地崩壊危険区域(急傾斜地の崩壊による災害の防 止に関する法律)

・土砂災害警戒区域(土砂災害防止対策推進法)

・土砂災害特別警戒区域(土砂災害防止対策推進法)

・砂防指定地(砂防法)

・河川保全区域(河川法)

・保安林及び保安施設地区(森林法)

非常に多いです。

 

その中でも「土砂災害(特別)警戒区域」というエリアがたまにあります。

これはその物件が該当する市町村に行けば誰でも閲覧して確認することができるし、

WEBでも公開されています。

 

この「土砂災害(特別)警戒区域」というのは不動産取引における「重要事項説明」での説明義務はあります。

しかしながら、「重要事項説明」とは、実際は契約行為と同じこと。通常、手付金も入れている状態です。

その「重要事項説明」の時に突然そんなことを説明されても非常に困ります。

しかも、最悪のケースは、契約・購入時には「土砂災害(特別)警戒区域」に指定されていなかったのに、

購入後に指定されるケースです。あるいは、指定されていないにもかかわらず、地滑り等が起こるケースです。

 

これはなんとしても避けなければならない。

「土砂災害(特別)警戒区域」の区域指定の可能性の高い箇所は、

「(土砂災害)危険箇所」と 呼ばれていていて、土石流・地すべり・急傾斜地の崩壊が発生するおそれのある箇所が指定されます。

そのような情報は、不動産仲介会社はあまり細かい情報をくれません。

なので、これは事前に仲介会社に改めて確認しないといけません。

 

長く住む家だからこそ、地道な確認を疎かにはできません。

仲介が動かないなら、自分でできる限り調べる。

そんな気概の必要性を感じます。

 

I.Takashi


My Home Story:建築デザイナーが一戸建てを購入した実録記7

2021-05-13 12:06:08 | 【My House Story】

[生活のニオイを嗅ぎ分ける(内見ポイント【基本】:コミュニティ)]

 

実際のところは住んでみないとわからないのが、近隣コミュニティの存在です。

 

マンションの場合、コミュニティ性が薄い生活をすることができますが、

一戸建てだと、近隣の住宅と接していることもあり、多少意識せざるを得ません。

 

内見時あるいは自主的な下見の時に、よく見るべきポイントはゴミ捨て場だと思います。特に朝の。

一戸建てを購入すると、ゴミ出しの管理は僕の住んでいる横浜市の場合は、その地域の町内会ごとに担当します。

ゴミの回収前の状態を見ると、そのエリアの雰囲気を垣間見ることができます。

・ゴミが散乱している。

・カラスに食い荒らされている

・その日に回収する予定のものと違う種類のものが出されている

・ゴミ回収BOXの周りが綺麗かどうか

・生ゴミが異常に多い

などなど、そこを管理する人々の「モラル」を垣間見ることができる。

 

それからワンチャン、犬です。

動物好きの人、犬を飼っている人はあまり気にならないかもしれません。

しかしながら、ペットが嫌いな人、音に敏感な人にはたまりません。

 

ワンちゃんは一般的に、朝早起きです。

朝から散歩に行けないと、吠えまくる犬も多い。

朝から吠えまくる犬が隣の家にいるとすると、安眠を妨害されます。

これは避けようがないし、近隣のトラブルにもなりかねません。

マンションと違い、一戸建ては外の音が家の中に響きやすい。

 

可能であれば、いろいろな時間帯で、気になる場所を散歩してみるのは非常に有効だったと感じています。

 

I.Takashi


My Home Story:建築デザイナーが一戸建てを購入した実録記6

2021-05-12 12:04:57 | 【My House Story】

[不動産仲介の選定]

 

僕は住宅を探し始めるとき、まずはインターネットで情報を取りました。そして毎日みる。

・At Home

・SUUMO(スーモ)

・LIFULL HOMES

この3つでほぼ全て網羅することが可能です。

それぞれ、情報更新頻度や、検索条件設定が異なるので、それぞれに登録してみる。

とにかく数を見るのがポイントだと思います。

 

僕の経験からすると、

・物件検索・閲覧数:約300件

・実際の内見数:約20件

・申し込み数:3件

・契約:(もちろん)1件

というような感じです。

 

もちろん闇雲に物件をみるというわけではなく、ある程度条件を絞って、緩めの条件で検索・閲覧。

 

不動産屋からの営業の電話は結構しつこいので、すぐに問い合わせることはしないのですが、

気になる物件は問い合わせて、内見しないといけません。

つまり不動産会社に問い合わせを入れ、担当者と接触します。

 

不動産会社は弱小会社、小規模・新興会社は避けなければなりません。

賃貸ならまだしも、不動産売買においては、プロ、その中でも協力的な人にに力を貸してもらわなければ、

契約のプロセスだけでも大変なのに、納得しない住宅を紹介されたら、住み始めてからの物件トラブルにも繋がりかねません。

 

その点、大手はノウハウがある人や経験値が高い方が責任者としてついていただりするので、安心できる要素が大きいです。また、会社は小さくても設立期間が長い会社は、その地域との繋がりが長いこと、そして熱意ある社長さんや役員がいることなどが多く、これも少し安心ではあります。

ただし、最終的には担当者によるところが大きいです。

 

いろいろと接触した中で、問題が起こりやすい仲介の担当者の傾向は以下です。

・不動産の専門用語を多用してくる。

・字が汚い

・教養がない

・相続を含めたお金の知識がない

・不動産情報や地域情報にアンテナを張ってない

・建築の基本知識が不足している

以上のような人は、少し交流すれば分かることです。

 

不動産業界の営業担当は、他業界から移ってくる人が多い。

転職の参入障壁は低いのが現状です。

頑張れば手数料の歩合が取れるし、学歴も問われない。

だから正直言って、体育会系の人、根性大好きな人が多いのも事実。

 

上記に該当する人、しかも複数に当てはまる人とは接触しないことをお勧めします。

そういう人は何を聞いても、お勧めだと言ってくるし(自分の意見・基準がない)、

顧客(物件購入者)の希望を叶えること、つまり顧客満足こそ、最高のサービスだとわかっていないので、

仲介料の高い物件や、こちらの話と希望が合わないトンチンカンな物件を紹介してこられて、

大事なプライベートの時間を消耗してしまいます。

そしてそれが後々大きなストレスとなってしまいます。

 

人の人生を左右する買い物に対し、根性論でこられても困ります。

可能なら、スマートに、将来を予測しながら、気持ちよく、物件案内してもらいたいものです。

そして、不動産売買契約には契約まで長いプロセスが存在します。

準備する書類も膨大ですが、減税、相続税、固定資産税、様々なお金の知識も必要です。

 

なので、プロ意識が高く、自分の意見を持ち、スマートそうな担当者を選ぶことは必須です。

一番良いのは「仲の良い」友達にいい人を紹介してもらうことです。

価値観が比較的近い、ということの証なので「仲の良い」のがポイントです。

 

人との出会いは縁なのですが、可能な限り良質な縁になれば、より楽しい時間を共有できますね。

 

I.Takashi


My Home Story:建築デザイナーが一戸建てを購入した実録記5

2021-05-11 12:03:42 | 【My House Story】

[どこに住むか。その必須条件と立地条件]

 

不動産というのは駅から距離に価値が比例すると言われている。

高齢社会、空き家が増えている事情を考えるとそれは紛れもない事実。

ただ、現実的に言って駅から徒歩5分以内、というのは一般的に販売価格が高い。

価格が安かったとしても、坪単価は高いため、総合的に安いものは非常に狭い。

 

駅に近いと坪単価は高くなり、毎月のローンの支払いは高くなる。

または日常生活スペースは狭くなり、最悪の場合、自分の居場所は取れなくなる。

自分が健康的な精神状態で、健康的な未来を構築しようと考えるときに、

駅からの距離は10分程度は問題ない、と僕は結論をだした。

駅まで20分はちょっと辛いけど、10分くらいは歩ける。13分くらいでも大丈夫。

そうすることにより、住宅の選択肢は大きく広がる。

 

駅からの徒歩時間よりも大事なのは、子供がいる場合には、その通学圏内か否かです。

子供が学校に通える範囲を検証し、そのエリア内で物件を検索していくことにしました。

 

物件検索している土地に明るい場合はいいですが、もしよくわからない場所の場合、

頻繁に散歩することが大事です。できれば時間を変えて歩いてみる。

 

そうすると、グーグルストリートビューから見えてこない情報を知ることができます。

・その街の匂い

・家の新旧

・人通り

・住んでいる人の属性

・ゴミ出し場の荒れ具合

・近隣空き家割合

・公園や緑の分布

・犬の糞などモラル状況

・ホームセキュリティ設置状況

・日当たり

・上り坂・下り坂

・お墓やお寺

・カラスや動物、虫

・工場などの騒音

 

このようなことは実際にその場に行ってみないと把握しづらいことです。

そして、子供がいる場合には、学校までのアップダウンや実際の所要時間などを検証する。

 

そうした三次元的、そして部分的には四次元的な検証をすることで、

より具体的に候補エリアを絞り込んでいくことが可能になると考えます。

長く住む家だから、リサーチ期間は長めに取ることをお勧めします。

 

なお、これらのことは自分でやるべきことで、不動産仲介会社などに聞くべきことではありません。

不動産会社というのは、常に仕事です。在籍している会社やその担当者個人の思い入れもあるし、

営業的には、仲介手数料の多く取れる物件を紹介する担当者も多くいます。

 

自分が何を望むかは、自己分析が必要なことがらで、人に頼むことではない、というのが僕の意見です。

雑談的に不動産会社から得れる情報や知識も少なからずあるとは思います。

ただし、何らかの主観が入っていることは否めませんので、最終的に大事なのは自分の判断です。

じっくり、家族やパートナーと交流しながら(あるいは自問自答しながら)、考えを煮詰めていきましょう。

 

I.Takashi


My Home Story:建築デザイナーが一戸建てを購入した実録記4

2021-05-10 12:02:20 | 【My House Story】

[コンセプトを決めよう]

 

家を買う人の背景は様々で、人によって優先順位が違う。

どんな生活を送りたいのか、全てはそれに起因します。

一家の家計、将来の姿を先に描き、そこから今どうありたいかを考える。

そうすると、家に望む事柄が見えてくると思います。

 

僕の場合、家購入の最初の目的は「月々の支出を相対的に下げる」ことにありました。

家購入を考える際に、まずお金周りの整理が必要で必要です。

楽しく過ごす、心に余裕を持つ、すべては諸条件が整ってからです。

それは家族やパートナーとの関係も大きく影響しますが、お金の影響も甚大です。

・自分の貯蓄額

・ローン可能額

・相続または親からの援助可能額

・親族や自分名義の土地があるかないか

などなど、全体の出費に関わる事項はいろいろとあります。

長期のローンを組む方人がほとんどだと思うのでこれは外せない項目になる人は多いと思います。

 

コンセプトとは、家の購入を通して貫かれる軸となる考えのことです。

僕は「月々の支出を下げる」という当初の目標から、家購入のコンセプトを設定。

家購入のコンセプトを「未来創造のための基盤づくり」としました。

 

■「未来創造のための基盤づくり」に必要なもの・こと。

・低い生活出費(+ローン出費)

・落ち着いて考えるための自分の部屋

・自分のへやだけでなく、奥さんや子供の個室で、皆が自分の空間を確保できる環境

・小さくても外スペースでリラックススペース

・上下左右の騒音に悩まされない生活環境

・気分転換に車で外出。パーキングが必要。

・毎日のポジティブな空気。明るい生活空間。

・水廻りりなど、設備は新しい状態で、日常生活上のストレスを軽減

 

このような条件から、選択肢は自然と戸建てになりました。

マンションにすると、同じ面積の販売価格に加えて、管理費用・修繕積立金や駐車場料金が乗ってて予算オーバーです。

また、新築も中古もも数多くみたのですが、

結果的には戸建ての中でも水廻りを中心にリノベーションした物件にしました。

 

新築は当たり前だけど、一から作る。

建築資材や設備材料の価格もずっと値上がり傾向にあります。

これは全てに言えることですが、人件費を除いて物価は高騰しています。

見かけ上、価格を維持しているように見えるものは見かけを維持しているだけで、

中身を少なくしたり、品質を「安かろう悪かろう」というものに落としている。

これは家においても、コンビニで売ってるものについても全て同じ。

ただ、建築においては職人不足の現在、人件費は高騰しています。

 

つまり現在は材料価格の高騰+高い人件費。

この状況下で、安価で充実した家を建てれる理由はないのです。

 

それよりは、まだ人材が充実していた平成10−20年代、20年前頃の中古案件はしっかりしています。

新築の同じ広さの案件と比較して、建物価値が下がっているので、中古の方が同じ価格で広い家に住める。

入居にあたり、設備は老朽化していたので全て新しいものに取り替えました。

間取りも少し変更しましたが、ほとんどそのまま使用。

家の基本機能として、日当たりも良いし、車庫もスペースがある。

申し分ない状態でした。

 

うちの場合は、中古の戸建て(+内装部分リノベーション)という選択。

築浅マンションの一階で、小庭とともに、音にも悩まされずに住む、という選択肢もありましたが、

広さの面と総合出費で、中古戸建てに最終決定した経緯があります。

皆さんの優先順位、住宅購入のコンセプトはなんでしょう?

 

時代とともに、購入の背景や選択基準は変わってくると思いますが、

不動産亜は特に、長い視点を持って思考することが非常に重要だろうと思います。

 

I.Takashi