改正商標法によって、地域ブランドは、この4月から付けやすくなった。
現行では、「地域名+商品名」はなかなか許可されなかった。原則不許可。許可されるのは、「全国的な知名度」、「識別力のある図形や文字と組み合わせた場合」などに限定されていた。「夕張メロン」のブランド登録は、実に涙ぐましい努力があった。
そもそも全国的な知名度などなかったのだから、「夕張」+「メロン」がブランドとして許可されるはずもなかった。これを許可すれば、メロンの大産地「静岡浅羽村」など、「浅羽」+「メロン」はなぜダメなのかといってくるに違いない。
先駆者、としての苦労といってしまえばそれまでだが、それが、全国的な知名度ではなく、隣接県で知られているなどの「一定の範囲の周知」があれば、OKになった。これは、「地域団体商標」という。
すると生じるのは、同じ名称を他者が使った場合。この場合には、使用差し止めや損害賠償請求ができるが、訴訟が多くなるのか、あるいは、地域経済の活性化につながるのか見物といえば見物だろう。
参考 夕張メロンの普及
夕張キングの誕生
スパイシーカンタローブ種栽培上の問題
烈果(割れ)、病害、虫などのため栽培しずらい
↓
少数の農家しか栽培していない!!
昭和32年頃に一代雑種の育成を示唆
↓
スパイシー種を母体にアールス種との混合に成功
ネットが完全に外観を覆い、肉質はサーモンピンク、糖度、風味共に良好
↓
夕張市のメロン栽培の方向付けがなされた。
夕張メロンの普及
昭和50年代
宅配便の普及により、フットワークが特定商品として力を入れた
→ ダイエーや生協との取引が始まる(一村一品のはしり)
JAの取り組み
・毎年標語の違うポスターを作る
・イベント会場で試食販売
・ミスメロンをデパートに派遣
生産者が検査員
選果場には40人の検査員(全員が生産者)→ランク分けの不満を無くす
選別の規格
個選規格・・・糖度10度以上、重量、外観
出荷規格・・・糖度、ネット、果色、大きさ、形などで判断
JA夕張市
・優良な品種を限定した上で一代限り(F1)の種を管理、組合員に販売
・鍵のかかる部屋の中に保管している(原種を管理=安定的な販売)
・出荷時期など各農家で足並み揃える(出荷開始は5月14日)
・農協ー元出荷(生産者の庭先販売禁止)
・生産をグループ化
・生産組合の研修会による技術の高位標準化
・メロン栽培指導基準策定・遵守
夕張メロンというブランド
・140の商標登録
・「夕張メロン」を脅かす行為、業者に対して厳しい対応
↓
2度の裁判(勝訴)
・消費者の信頼=ブランドとしての認知
・下のレベルを引き上げて標準化する
徹底した品質管理
「良」までに入らなかったものはすべて加工材料に回る。 ・・・ブランデー・ワイン・菓子・ゼリー・ソフトクリーム などの加工品
(通年販売で知名度アップ、ブランドの維持)
品質が悪いメロンを生産した生産者には罰金が課せられる
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