フォト・・・茅葺き屋根の煙突 昔は無かった
更新は 私が「元気で自遊人」している写真記録の便りです
興味のある方は写真記録をご覧下さい
過去記事2009年 茅葺き駅舎・湯野上温泉駅
行雲流水 茅葺き屋根
本州を車中泊旅すると 茅葺き屋根の集落に出合うことがあります
北海道・道南のわが家の地域にもたくさんありましたが 今は指折り数えるほどしか残っていません
集落を観光資源に活用している地域からは 生活者の共生環境の難しさも伝わってきます
茅葺き屋根をトタンで被って維持している集落もありました
有形文化建造物として住宅保存活用することは至難に映ります
「葺き替えする技能士さんがいない・・・」
「良質な茅の確保が難しい・・・」
「維持管理経の負担が大きい・・・」
などなど悩みも耳にします
ヨシズやビニールシートで被うなど 一時しのぎをする茅葺きも目にすることがあります
わが家の近くにある「安藤宅」
木材の石数が多く 骨組みは頑丈です
課題は屋根です
数年前に修復した時は 東北から職人さんが来られたという
昔は地域の方が修復してましたが 今は不在の状況です
茅の調達確保も難題だという
維持管理をして茅葺き屋根を継続させることは 無理な時代が近づいている
過去記事2009年 茅葺の里
京都府南丹市美山町・地知地区 「茅葺の里」
京都駅からJRバスで2時間30分の位置
散策したのは北村と呼ばれる50戸ほどの集落でほとんどの家が茅葺です
素朴なつくりの新鮮野菜無人販売所
京都は 北海道からは厳かで華やかな都市というイメージがある
こんな田舎の風情が守られていることに驚きます
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている
狭い範囲の集落ですが お地蔵さんは あちこちで見かけた
長い歴史を刻んだ心のよりどころなのでしょう
茅葺屋根は「入母屋(いりもや)造り」特徴は棟の部分あるという
ばってんの形の「千木(ちぎ)」が5つ乗り
その上に 「馬乗り」という長い木が乗り 茅を抑えていることだそう
棟の造作は 雪を割るための役目をする
北村には38の茅葺屋根の家があり 残存率日本一
茅葺屋根に山林が似合い 屋根を葺く茅は豊富です
昔はガマの穂が篝火だったのでしょう 白熱灯も似合う
茅葺屋根は涼しく エアコン不要のエコ建物
稲荷神社のご神木 トチの木 幹周り 5.1m 高さ 25m
軒下を小川が流れる光景は ふるさとの原風景です
昔は電線に届くほど雪が積もったというが
今は温暖化の影響で1m前後と少なくなったという
屋根は老朽化するにつれ 苔が幅を利かすようになる
葺き替えするには 百万単位の資金が必要だという
先祖代々の里を保存することは 公私ともにご苦労のいることです
茅葺の里の風景 訪ねる者にとっては とても素敵に見える
裏山からしぼり出てくる清水は 茅葺屋根にマッチする
この里も 見かける人は高齢者が多い
他県にある茅葺屋根の里の中には
住民が土地を離れ 建物だけが保存されている所もあります
このことが 保存する課題になりそう
この里は 昔のまま保存維持されている
地域が一体となって守る という団結力に敬意の一語です
歴史のある地域は 神社とともに歴史を刻む所が多い
この里にも 風格ある神社が神木とともに祀られている
あちこちの茅葺屋根の里を訪ねると
「伝統ある光景はいつまで存続するのだろう」という思いが頭を掠める
茅葺屋根の葺き替えは 集落のお手伝いが不可欠作業
結いの精神が理解されなければ 保存は難しいことを感じる
土壁の倉は 芸術作品のよう
土壁は 温度と湿度のコントロール操作がバツグンの優れもの
京都府美山町は 茅葺屋根の家が あちこちに保存されている
京都駅からJRバスで2時間30分
美山町を訪ね 自然と美味しいものを満喫してみよう
ふるさと
「鵜川五郎 作品紹介30」
アルプス山麓の村 1973年作