Kristian Black / Addeq / tutl

　Anda Kuitse : vo, polar bear and bird call, East Greenland drums, dandelion stem

  Malang Cissokho : kora, xylophone, per

  Lelle Kullgren : g, vo

  Kristian Black : p

  Peter Jackson : b

  Recorded at Føroya Læraraskúll, Torshavn, Faroe Islands, in June 1989

  北欧出身のピアニストKristian Blackの89年作。西アフリカの弦楽器であるKoraを演奏

するMalang Cissokhoとグリーンランドの打楽器を演奏するAnda Kuitseをフューチャー

しています。他の共演はOkay Temiz率いるOriental Windにも参加したことのあるLelle

Kullgrenです。

　北欧はDon Cherryが移り住んで、民族音楽を取り入れた独創性あるジャズを創り上げた

という伝統があり、このアルバムも民族音楽色の強いジャズを演奏しています。Anda

KuitseのヴォーカルとKristian Blackのピアノがやさしく響き渡るA-1”Addeq Ⅰ”、

Malang Cissokho　のKoraの音色が郷愁を誘うA-4"Parnaaliraaingaase”とB-4

”Addeq　Ⅱ”　収録。

Global Guaranty Orchestra / The World Is Out Of Joint / Ninth World Music

Pere Oliver Jorgens:g,dobro,steeldrums,vibraharp,vo,marimba,strygoharp,

                                  trapdrums,per,gongs,ballophon,homebuild per, strings

Henning Frimann:b,banjo,melodika,saw,violin,flt,yugosax,vo,harmonica

Recorded & Mixed at Karma Music 18-26 November 1984

  デンマーク出身の謎のフリージャズ集団Global Guaranty Orchestraのファースト。

OrchestraといってもPere Oliver JorgensとHenning Frimannのふたりのみとジャケ通り

ヒトを食ったようなグループ名です。LabelのNinth World MusicはEvan Parker、Sirone、

Alan Silva、Ikue Moriなどフリー、インプロの音源を数多く出しているようです。

　世界各地の民族楽器を用いながらも、世界のどこにもない独自の実験的な音楽を繰り

広げています。80年代はフリージャズに民族楽器が多数用いられています。デンマークで

も同様の動きがあるのを垣間見れ、とても興味深いです。

Clinch / Fri Frei Libre / OLUFSEN

Christer Irgens-Moller:p,vo,voice,indian flute,recorder

Peter Friis Nielsen:e-b, Claus Boje:ds

Recorded July 17th and 18th 1984 in Plexus Studio, Ringsted, Denmark

　デンマーク出身のピアニストChrister Irgens-Moller、ベーシストPeter Friis Nielsen、

ドラマーClaus Boje　によるフリージャズグループClinchの1作目。84年の録音。Clinch

はこの後、John Tchicaiを迎えて88年に2作目をリリースしています。60年代、70年代

と異なり、80年代のフリージャズは情報が少ないがために、詳細はよくわかりません

が、Christer Irgens-MollerはEvan Parkerとも共演歴があるそうです。

　疾走感あふれるベースとドラムのリズムに幻想的な音色のフルートとヴォーカルが浮遊

するA-1 "Speedskating″、ベース、ドラム、ピアノの三者が混沌としたグルーヴを創り上げる

B-4"Arabesque"が特におすすめです。探すと意外と見つからないレコードですが、一聴の

価値はあると思います。

Amalgam / Deep / Vinyl

  Trevor Watts : as ,  Dave Cole : e-g

  Harry Miller : b,  Liam Genockey : ds

  Recorded at Riverside Recordings London, November 17, 1977

  イギリスのインプロを代表するバンド、Spontaneous　Music　Ensemble　に参加し、

Steve Lacy、Archie Shepp、Don Cherry　との共演でも知られるUKのサックス奏者

Trevor　Watts　率いるAMALGAMの1977年録音。UKらしく、ロックの要素が強い

内容となっています。

　リズムの反復が中毒的なA-1「Later」、ジャズロックビートにサックスとギターの即興が

印象深いA-2「Witchdoctor」、ベースのアルコの音色が面白いフリーインプロビゼーション

のB-1「Tribute To Bing Crosby」収録。UKのフリージャズはロックに近接しているものも

多くみられ、フリージャズの各国性、多様性を感じさせられます。

Association P.C. / Sun Rotation / MPS

Toto Blanke : e-g,  Jasper van't Hof : e-p, org

Siggi Busch : b, e-b,  Pierre Courbois : ds

Recorded  1972(prob)

  オランダ人ドラマーPierre　CourboisとピアニストJasper　van't　Hof　を中心に1969年

に結成されたジャズロックグループAssicuatuin　P.C.のおそらくセカンドにあたるアルバ

ム。録音はおそらく1972年で、レーベルはおなじみのMPSです。MPSは面白いサウンド

を創造しているミュージシャンを積極的にリリースしておりすばらしいレーベルだなといつ

も思います。

　全編を通して電子音全開の気狂いじみたスペーシーでサイケデリックなジャズ・ロックを

展開する圧巻の内容です。サン・ラー、Wolfgang Dauner、佐藤允彦の電子音ジャズが

好きな人にぜひ聴いてもらいたい一枚です。