Noah Howard : as,bells,tambourine, Michael Smith : e-p, a-p,
Bob Reid : b, Noel McGhie : ds,
Recorded at the Swing Club Torino Italy April 20, 1974
Sun Raとの共演でキャリアをスタートさせ、ESPの諸作で一躍Free、Lost Jazz
において有名になったSax奏者Noah Howardの1974年イタリアでの録音。70年代は
パリに拠点を移しヨーロッパ各国のミュージシャンと共演し数多くの録音を残しています。
加古隆や豊住芳三郎が参加したEmergencyのBob Reid もBassで参加しています。
全編を通してアグレッシブな即興演奏を堪能できます。なかでも怒涛のドラムそろから、
美しく儚げなエレピ、アルトがからみ合うB面Mardi Grassはクラブカルチャーというフィ
ルターを通すとPharoah Sandersを彷彿させるスピリチュアルジャズの名演として今後
評価されていくと思われます。
Hugh Hopper : b, Elton Dean : as,
Keith Tippett : p, Joe Gallivan : ds,per,syn
Recorded at The Basement, Oslo, October 1976
Soft Machineで活躍したベーシストHugh Hopper、サックス奏者Elton Dean、さらに
ドラマーJoe Gallivan、そしてキング・クリムゾンのアルバムに参加したことで有名なピ
アニストKeith Tippettとイギリスのジャズロック、プログレッシブロック、オールスター
といったメンバーの76年録音。UKはジャズとロック、さらにフリーインプロが共演しあ
い独自のジャズを形成し非常に面白い音楽がたくさん作られています。
緊張と弛緩が交互に繰り広げられる即興演奏A-1 Seven Drones、電子音が妖艶な
A-2 Jannakota、ピースフルなサックスの音色が心地よいスピリチュアルジャズA-3
Echoes、パーカッシヴなドラムとピアノが印象的なトライバルナンバーB-4 Soul Fate
など70年代イギリスジャズシーンのクリエイティブな要素をこれでもかというくくらい堪能
できる傑作です。
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YouTube: Hopper / Dean / Tippett / Gallivan - seven drones
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Cruel But Fair 価格：￥ 1,145（税込） 発売日：1995-09-19 |
Kieran Hebden : erectronics, Steve Reid : ds, Mats Gustafsson : saxes
Recorded Live at the South Bank, London on 20th June 2009
UK出身の電子音楽のミュージシャンFour TetことKieran Hebdenと Miles Davis、
Ornette Coleman、Sun Ra といったジャズの巨匠と共演歴があり、自身のリーダー作
もスピリチュアルジャズの名盤として名高いジャズドラマーSteve Reidの二人が即興演奏
として数多くコラボレートした一連の作品のなかの2009年のLive録音。Steve Reidが
2010年4月に他界したためこのレコードが二人の最後の録音となります。共演は現在
日本ツアー中のFire !での活躍で有名な北欧のフリージャズのサックス奏者かつフリー
ジャズのレコードコレクターでもあるMats Gustafssonです。
どこか調子のはずれながらも心地良い電子音、さまざまなリズムを刻むドラム、豪快に
咆哮するサックス、次第に混沌とした個々の音が混じりあい一体感を伴いカタルシスへと
昇華する即興演奏の傑作です。
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YouTube: Steve Reid, Kieran Hebden and Mats Gustafsson, London, 20 Jun 2009
![Live at the South Bank [Analog]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51L1eaLtPTL._SL75_.jpg) |
Live at the South Bank [Analog] |
Virginia Genta : ss,etc. David Vanzan:Harp, Maurizo Abate:Hurdy Gurdy
Recorded on February 2009
いつも過去の音源ばかり紹介しているのでたまには現行の音源も紹介しきます。イタリア
のレーベルTroglosoundから2007年に結成されたコズミックかつエスニックな即興音楽
集団Neokarma Jooklo Experienceのトリオ編成バージョン。Neokarma Jooklo
Experienceは以前紹介したHartmut Geerkenとも共演歴のある実力派です。
フリージャズ、即興音楽は地域性が時代を経るごとに色濃く反映され、独創的な音楽が
作り出されていきます。中近東、インドといった民族音楽の影響を随所に感じさせる旋律
が幻想的な雰囲気を醸し出しています。フリージャズ、プログレッシヴロック、民族音楽が
好きな人に特にオススメです。
John Tchicai, Hartmut Geerken : multi-instruments
Recorded at "Ploutashos Studios", Kifissa, Athens, October 18, 1980.
デンマーク出身でJohn Coltraneの『Ascention』に参加し、Archie Shepp、Don
CherryらとNew York Comtenpolary Fiveの結成とFree、Loft Jazz Sceneで活躍
したJohn Tchicaiと、ドイツ出身でSun Raと共演するミュージシャンとしてだけでなく、
作家、ジャーナリストとしても活躍したHartmut Geerkenの80年作。二人の共演は近年、
イタリアの変態レーベルQBICOからもリリースされています。
世界各国の様々な楽器を用いてデュオによる即興演奏を繰り広げています。圧倒的な
音量と音数で空間を埋めるまさにフリージャズといった内容ではなく、間とインタープレイを
重視し独自の世界観を作り上げる名演奏を楽しめます。現行のクラブミュージックという
観点から曲をとらえ直すと、特にB-4"Towards The Force World Age"がいわゆるミ
ニマルな打ち込みのように聴こえ興味深いです。
