Lol Coxhill : as,ss, G.F. Fitzgerald : g
イギリスのフリーのサックス奏者ロルコックスヒルの75年録音。ロルコックスヒルはベース
はフリージャズで、デリバリーというプログレバンドに参加しており、ジャズ、ロック、パンク、
ニューウェイヴなどさまざまなジャンルで縦横無人に活躍し、日本人では突然ダンボールと
録音したアルバムが有名です。イギリスのフリージャズはロックとの親近性があり、ジャズ
ロックとかプログレッシブロックのバンドには数多くのジャズマンが参加しています。
このアルバムはA面がデュオでB面がロルコックスヒルによる多重録音。崇高さすらか
んじさせるギターとサックスのA面、ユーモア溢れる電子音が顔をだすB面と非常に楽しめ、
イギリスフリージャズの多様性、独創性をひしひしと感じ取れます。
Julius Hemphill : s,flt, Abdul K. Wadud : cello
Baikaida Yaseen : tp, Phillip Wilson : per
今回もセントルイスもの。Black Artists GroupやWorld Saxphone Quartet に参加し
たことで有名なJulius Hemphillがニューヨークに移る前にセントルイスで録音した初リー
ダー作。72年録音で、Mbariという自主レーベルです。当時の先鋭的なジャズミュージシ
ャンは自分たちの音楽を自主で興行し、発信していくためのロフトや自主レーベルが世界
同時多発的に発生しました。70年代前半の自主盤はそのため面白いものが多いです。
これもその一枚。演奏者以外だれもいない空間でライブをしているようかのジャケは孤高
でありながらも無限の広がりを感じさせ非常に印象的です。
不協和音ながらも美しく鳴り響くメロディーが印象的なA面、Funk BeatにいびつなCello
とSaxがむせび泣くB-1 Dogon A.D.、アフロアメリカンの怒りを爆発させるかのような破壊
的な集団即興が繰り広げられるB-2 Ritesなどアルバムを通して聴き入る内容でオススメ
です。
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YouTube: Julius Hemphill - Dogon AD (full version)
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Dogon a.D. 価格：￥ 1,639（税込） 発売日：2011-10-18 |
Lester Bowie:tp, Marty Ehrlich:as,flt,etc, Kwame Graham:e-p
Oliver Laker:as,ts,flt,etc, Carol Marshall:vo,etc, James Marshall:as,flt,etc,
J.D.Parran:b-cl,ss,flt,piccolo,etc, Victor Reef:tb,
Charles Bobo Shaw Jr.:ds, Butch Smith:b,
Abdallah Yakub:per,etc, Alan Suits:tamboura,Vincent Terrel:cello
セントルイスのFree Jazz Sceneは前回紹介したBlack Artists Groupのほかに同じよう
なGroupとして結成されたのがこのHuman Arts Ensemble。メンバーはBAGと重複して
おり、また、シカゴとセントルイスは車で4時間ということもあり、同時多発的に発生した同じ
志をもった集団としてAACMとの交流は盛んだったようで、Lester Bowie参加が重要で
すね。このアルバムはHuman Arts Ensembleの自主制作盤としては4枚目にあたり、73年
録音で、Sara Webster FabioでおなじみのFolkwasysのAfganistan Folkを題材にした
『Lover's Desire』というアルバムに影響をうけているそうです。
祝祭的な雰囲気からはじまり強烈なFunk Beatに様々な楽器が自由に乱れかうA面"
Lover's Desire”、どこか享楽的なMelodyのイントロからはじまり、一気に集団即興へと
展開するB面"Hazrat, The Sufi"と両面ともどす黒く、Afro Americanの内包する怒り、
悲しみ、創造性を感じさせ非常に格好よい内容です。全黒人音楽好きにオススメです！
Noah Howard : as, Itaru Oki : tp
Jean-Jacques Avenell : b, Oliver Johnson : ds
Free - Loft Jazzシーンで活躍したNoah Howardのヨーロッパ録音。レーベルはドイツ
のFree Jazz Label FMP。77年録音です。日本が誇るFree Jazz Trumpet 奏者沖至が
参加しています。
FMP+Noah Howardですから硬質で難解なFree Jazzと一見想像しがちですが、内容
は今でいうSpiritual Jazzに分類されアルバム1枚通して非常に心地よく味わい深いです。
Noah HowardはPharoah Sandersに近い音色を出していて心が洗われます。Spiritual
Jazzが好きな人はMustです。
James Newton : flute , Clovis Bordeaux : harpsichord,p,per
Les Coulter : g, Ed Brookshire : b, Jylon Barea : ds,per
Art Valdez : ds, Glen Ferris:tb,
Flute 奏者James Newtonの詳細がよく分からないレコード。FMPとの表記ではありま
すが、おそらくドイツのFMPではないでしょう。面子も知らない人ばかり、録音年も不明。
ジャケもテキトー感漂ってますね。Netで調べてもヒットしないので、多分レア盤だと思い
ます。
Flute が乱れまくるA-1 Arkansas Suite、心地よいメロディーとリズムのA-3 Darlene's
Bossaとなかなかの好内容です。うっとおしい梅雨を心地よくさせてくれます。詳細知って
人いれば教えてください。
