命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

新聞記事「再生への土台を固めたい」

2015年10月11日 15時26分36秒 | 事件
円山動物園 再生へ土台を固めたい

09/13 08:50 北海道新聞どうしんウェブ

 札幌市の円山動物園で、不幸なできごとが相次いでいる。

 7月下旬にはマレーグマの雌が同居訓練中の雄に襲われて大けがし、死んだ。その後も「アフリカゾーン」に輸送中だったグラントシマウマ、輸送準備に入っていたマサイキリンが死んでいる。

 マレーグマ以外、飼育管理との因果関係は不明だが、事態を重くみた市は管理体制見直しにとりかかり、10月の予定だった同ゾーンの全面開業も来年夏に延期した。

 子どもに人気の施設だけに残念だ。動物を見てもらうための工夫や楽しさの演出は必要だが、無理な背伸びはなかっただろうか。

 今回のできごとをきちんと検証し、再出発を図ってほしい。

 円山は2005年度に入園者が50万人弱に落ち込み、翌06年に初めて事務職の園長を起用。展示の改善などを進めた結果、入園者は13年度で約96万人になった。

 目玉施設のアフリカゾーンも、その路線の延長上にある。

 市幹部は「06年以降の改革であるべき姿は示したが、それを支える体制が追いついてなかった」と振り返る。

 円山の獣医師が専従ではなく、市の衛生職が数年ごとに異動する体制で、専門的な知見が引き継がれにくいことはその一例だ。

 マレーグマのケースでは、市動物管理センターの改善勧告で「ネグレクト(放置)型の動物虐待」との厳しい指摘を受けた。

 ただ、動物園運営にも関わる日大生物資源科学部の村田浩一教授(動物園学)は「専門性の欠如は円山だけでなく、日本の公立動物園が抱える構造的問題」とみる。

 同教授によると、「種の保存」など世界的に動物園の役割は変化しているが、日本ではそれが予算や人事に反映されず、技術継承や人材育成に響いているという。

 新施設や集客も大切だが、動物たちが健康に暮らすという基本がおろそかにされれば、結局は市民に見放され、他の動物園との協力も難しくなりかねない。

 円山は60~70年と寿命の長いアジアゾウ導入を3年後に控える。スタッフの専門性を高めるなど飼育体制の充実は欠かせない。

 動物園は14日から営業時間を短縮し、研修や設備点検を行う。当面、獣医師を増やすとともに、外部の助言を受けながら中長期的な改善策をまとめる方針だ。

 円山の基本理念は「人と動物と環境の絆をつくる動物園」だという。これを支える土台をまずしっかり固めるべきではないか。

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0028935.html
(そのうちにリンクが切れます)

動物園というものに対する信用を打ち壊した円山動物園の責任は大きい。

マレーグマウッチー虐待死事件の直後の新聞記事

2015年10月11日 14時47分05秒 | 事件
マレーグマウッチー虐待死事件の直後の新聞記事が見つかったので☆参考資料に追記編集を加えた。その部分だけをここにアップしたい。

○マレーグマ:高齢ウッチー死ぬ 繁殖同居中けんか 円山動物園 /北海道

毎日新聞 2015年07月29日 地方版


 札幌市円山動物園は28日、絶滅危惧種、マレーグマの雌「ウッチー」(推定30歳以上)が死んだと発表した。死因は腸管ヘルニアで、雄とのけんかが原因の可能性があるという。


 同園によると、25日朝、職員が寝室から屋内展示場に出そうとしたところ、死んでいるのを見つけた。解剖の結果、右肋骨(ろっこつ)4本が折れ、骨が胸膜と横隔膜に穴を開けて腸管が出ていた。

 同園はウッチーのほかに雄1頭、雌1頭を飼育しており、雄と雌を分けて展示していたが、繁殖のため6月16日から日中の40分〜1時間、3頭を同居させていた。24日は1時間の同居のうち約20分間、ウッチーの上に雄が乗るなどしてけんかしていたという。骨折は最近のものではなかったが、けんかの衝撃でヘルニアになった可能性があるという。

 ウッチーをめぐっては、高齢のクマをペアリングさせていたことなどにネット上で批判が集まっている。同園の柴田千賀子飼育展示課長は「クマは繁殖を進める上でけんかになることがある。ツメが鋭く、少しのけんかでも傷ができてしまう場合があるが、ペアリングするには必要な過程だった。このような結果になったのは残念。」と説明している。

http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150729ddlk01040219000c.html
(そのうちリンク切れに)

オスが発情したメスの首などを乱暴に咬んだりしながら交尾することはいろいろな動物で観察されることだが、殺したりするほどの乱暴はしないものである。その乱暴な行為と今回のウッチーへの攻撃とをこじつけようとしているかのような発言だ。

この時、驚くべきことに上記の事故直後のマスコミへのコメントで、ウッチーとウメキチとの繁殖を目的に同居させていたと認める発言もしている。表向きは繁殖過程で起きる乱闘による事故のせいにしようというシナリオはこの時点で出来上がっていたということだろう。事件が起きる前から飼育員も「ダメモトでウッチーの赤ちゃんを期待している」などと不信に思う常連客に答えさせていたことからもわかる。

それにしても、超高齢熊ウッチーとウメキチとのペアリング(繁殖)をしていたなどとよく言えたものだと感心する。普通ならありえないこと過ぎて途中で恥ずかしくなったのかこれ以降、ウッチーとウメキチのペアリングについては言わなくなったようだ。しかし、事故報告書の中ではそれをほのめかす表現が含まれているので、文書は巧妙に仕上げてあると思う。