命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

苦しめて苦しめて殺したこと

2015年10月18日 16時32分07秒 | 事件
マレーグマは通常単独で暮らし群れるわけでもない。狭いテリトリーに親子でもないし、カップリングできる相手でもない二頭が接触すれば攻撃し追い出そうとする動物をわざわざご馳走を並べて二頭だけを一緒に展示場に入れた。(6月20日)

その日、実際にウメキチが攻撃をしかけて一方的にウッチーが激しく暴行された。跛行するほどの大ケガをし、全身傷だらけになった。それ以来、餌もあまり食べずにじっと部屋の隅でうずくまるようになっていたにもかかわらず、その後約一ヶ月に渡って、3回もウメキチと一緒にして、その度に大ケガを負い、最後の日(7月24日)は致命傷を負うまで飼育員は20分も本当に見ていただけだったという。

この二頭を一緒にしなきゃいけない明確な理由は何ひとつなかった。子どもが産めるのはハッピィであって、ウッチーはウメキチにとっては発情もしない雄のような存在だ。野生下の状況では発情期でない雌はそんな雄のテリトリーには近づかない。それなのに、そんな状況に放り込めばどうなるかぐらい素人でもわかることだ。

常連の来園者があまりの残酷さに耐えかねて中止するように頼んでも「口出しするな、黙って見とれ!」という職員たち。心配する客が騒がないように「裏でこっそり見てるから大丈夫」というポスターもを貼るほど念の入れようだった。

三頭一緒の時もハッピィが発情しているならともかく、ウメキチの意識はライバルであり、邪魔者であるウッチーへの駆逐攻撃しかない。20歳の若者と90歳の老婆での勝敗は火を見るほどにあきらかであった。

引き離すための手段である麻酔銃どころか放水用のホースさえも準備もせずに、ウッチーが激しく痛めつけられるところを一人で丸い監視窓から見ていただけの飼育員。

職員たちははどう考えても若くて血気盛んな雄熊ウメキチに、ウッチーとケンカになるよう仕向けていると思わざるをえない。ウメキチの熊としての習性を利用された結果、凶暴な熊だと誤解されるようになったウメキチも第二の被害者であり、本当に気の毒な話である。

ウッチーが亡骸で発見された7月25日、園はもう一つの目的である咬ませ犬的役割の効果をあげるために、ハッピィとの同居を速やかに実施した。証拠動画の#3には荒ぶるウメキチに怖くなって、一足先に部屋に飛ぶように避難したハッピィがウッチーを中で迎えた後、不安げに外を伺う様子が一瞬だが最後に映っている。その効果があったようでそれまでと違ってウメキチを常に強気でやり込めていたハッピィが、恐怖の為か強さを認めたのかわからないがウメキチにされるがまま、借りてきた猫状態になっているのが全てを物語っている。↓
https://www.youtube.com/watch?v=Nua8gEToFRs

当時のウッチーもハッピィも動画で股間を見る限り発情のしるしを見ることができない。それなのに事故報告書の5(3)には繁殖と交尾を期待していることについて、はっきり書かれているのは不可解すぎる。円山動物園にはこの点についてはどうしても納得のいく説明をお願いしたい。

事故報告書(正式には「円山動物園におけるマレーグマ「ウッチー」死亡に係る事故報告書」)http://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/jikohoukokusyo.pdf

このように、あまりにも不自然で作為的な同居訓練をした明確な理由は実際にはどこに示されてはいない。本当に「咬ませ」と「間引き」以外何があるのだろうか。

仮に10000万歩譲って、銃で撃たれ公開間引きと解体をされたデンマークの一歳の雄キリンのように、動物園の動物は家畜扱いだといい間引きがつきものだとしても、長時間苦しめ続けて殺すことは絶対に許されることではない。

来園者が見に行くとそばに近寄っては目を合わせ挨拶に来てくれたと言うウッチー。
https://www.youtube.com/watch?v=U6RrZ8Yyzhk
熱帯地方の動物なのに札幌という亜寒帯地方で屋外展示されていたにもかかわらず、強く生きてきたお茶目なウッチー。
https://www.youtube.com/watch?v=T_6YCI-bZ7w

人なつこかったというウッチーの生年月日や出生地は不明だという。マレーグマは現地では子どもたちのペットにもなると言うくらい穏やかな世界最小の熊だということから、人に飼われていたのではないかと思っている。

円山に来てから28年間も人に奉仕してきた何の罪もないウッチーに対して行った、苦しめて苦しめて殺すという鬼のような所業。おさまらない怒りはその一点につきる。どんなに言い訳をしようともそれを認めて謝罪しない限り全世界からの抗議がなくなることはないだろう。