FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会まで2カ月を切った。2週間以内に予備登録メンバーが発表され、5月初旬に本登録メンバーが発表されるであろう。予備登録メンバー発表前に予想すべき、と早めに思い筆を執った。
2月末のアメリカ遠征と4月初旬の欧州遠征に招集されたメンバーをベースに女子ワールドカップ2019:なでしこ代表メンバーが決まるだろう。これまで若手中心の招集が繰り返されたため、今回のなでしこジャパン代表メンバー予想はかなり難しいと言われている。
しかし、これまで2回予想した実績があるので90%は当たるだろう。
第2版ではこれまでの招集メンバーをベースに予想「【第2版】女子ワールドカップ2019: なでしこジャパン代表メンバー予想!」。結果的に言えば、最も難しかったのがFWの予想、次がMFの予想であった。
今回の予想でもやはりFWが難しいが、第3版は2019年度に入ってからの招集・試合実績を基に個人的期待を加味してワールドカップ招集メンバーを予想しましたのでシェアしたい。
なでしこジャパン代表メンバーを3つのベースで予想
2019年度に入って3度の招集実績
- 今年1月31日~2月4日、代表候補を集めたトレーニングキャンプ(TC)
- 今年2月27日~3月4日、SheBelievesカップ アメリカ遠征(USA戦、ブラジル戦、イングランド戦)
- 4月5日(フランス戦)と4月9日(ドイツ戦)、欧州遠征
3回とも招集された選手はW杯代表に当確と言っていいでしょう。そうでなければ「選手を見る目がない」ということだ。従って、清水、大賀、南、中島、松原、長谷川、杉田、三浦、遠藤、横山、小林の11名は当確。なお、市瀬と坂口夢穂はケガのため召集対象外とする。
直近の試合実績
米国遠征・欧州遠征合わせて3試合以上出場した選手は当確と言っていいでしょう。ただし、それぞれの遠征で最低1試合出場が当確条件。従って、鮫島、熊谷、宮川の3名は当確。なお、鮫島は3回とも召集されたがTCはケガで辞退。熊谷は所属クラブの事情でTCに召集できず。
表の見方:数字はプレー時間(分)。赤の数字は先発。DHはDefenciveHalf(守備的MF)
USA | Bra | Eng | Fra | Ger | ||
GK | 山根 | 90 | 90 | 90 | ||
GK | 山下 | 90 | ||||
GK | 池田 | |||||
GK | 平尾 | 90 | ||||
DF | 鮫島 | 90 | 30 | 90 | 90 | 90 |
DF | 清水 | 90 | 80 | 61 | 72 | |
DF | 有吉 | 59 | 60 | |||
DF | 熊谷 | 90 | 90 | 90 | ||
DF | 大賀 | 31 | 90 | 46 | ||
DF | 宮川 | 90 | 10 | 29 | 18 | |
DF | 南 | 90 | 90 | 90 | 90 | |
DF | 三宅 | |||||
DH | 杉田 | 90 | 23 | 90 | 90 | 90 |
DH | 宇津木 | 67 | ||||
DH | 三浦 | 44 | 90 | 83 | ||
DH | 松原 | 90 | 90 | |||
DH | 猶本 | 7 | ||||
MF | 籾木 | 10 | 90 | 44 | ||
MF | 中島 | 82 | 90 | 79 | 83 | |
MF | 遠藤 | 8 | 30 | 46 | 55 | |
MF | 長谷川 | 90 | 31 | 90 | 87 | 90 |
MF | 阪口萌 | 60 | 46 | |||
MF | 植木 | 3 | 7 | |||
MF | 宮澤 | 11 | ||||
MF | 川澄 | |||||
MF | 永里 | |||||
FW | 菅澤 | 28 | 56 | |||
FW | 横山 | 80 | 59 | 44 | 62 | 35 |
FW | 小林 | 59 | 31 | 44 | 90 | 34 |
FW | 池尻 | 31 | 59 | 46 | ||
FW | 岩渕 | |||||
FW | 田中 |
過去の試合実績
山根、山下、有吉、宇津木、坂口萌、籾木、菅澤、池尻は当確と見るが・・・・。
- GKは池田と平尾が競うが、直近での実績があり且つ若い平尾だろう
- DFは7人なのでもう1名は三宅を入れたい
- DHは4人なのでそのまま
- MFは5人いるので1人削除する。坂口萌乃を外す
- FWは4人なのでそのまま
以上で予想終了と言いたいところだが、この機会的な選考ではあまりにも味も素っ気もない。そこで少し自分自身の考察と希望を踏まえて数名の選手を入れ替えたい。
これで決まり:なでしこジャパン代表メンバー!
DFのメンバーを変更したいがそれはない
まず、DFの大賀。SheBelievesカップのイングランド戦で若さ(未熟さ)を露呈して後半開始早々後退させられた。ケガがなければ市瀬菜々が当確。多分予備登録して、ぎりぎりまで待ってダメなら大賀というところ。要は代わりがいない。
個人的には今冬のオーストラリアWリーグでほぼ全試合に出場しDFながら3得点あげた近賀ゆかりを選ぶが、小娘でないのでそれはないだろう。
MFのメンバー変更はある
予想を的中させるなら遠藤を残すべき。しかし、一番若い遠藤を外すべきであろう。私の一押しはワールドクラスのプレーヤーである永里優季。
ドイツ戦でなぜ長谷川をトップ下でプレーさせたのか? 4-2-3-1システムなどほとんど採用しなかったのに、今頃になって試しても遅すぎるが、強豪国に勝ちたいならそのポジションがこなせるのは永里だけ。しかし、確執があった?ので、その確率は0に近い。
ただ、「若手重視はいいがそれで勝てるのか?」という批判をかわすため川澄奈穂美の招集は充分あり得る。昨年4月のアジアカップに川澄が招集されたのと同じ理由からだ。遠藤選手に申し訳ないが川澄選手に変えよう。
FWのメンバー変更もある
最後はもっとも難しいFW。池尻選手は相当期待されていたようだが、SheBelievesカップのイングランド戦で後半開始早々後退させられた。3試合出場したにもかかわらず無得点。そして欧州遠征には召集されなかった。信頼を失ったようだ。
であるならば誰を代わりにするのか?若手と言う視点からすれば、なでしこリーグ3年連続得点王の田中美南のはずだが、どういう訳かあまり期待されていないようだ。最後の選択肢は実績からして岩渕でしょう。彼女を外してW杯でベスト8に進めなかった場合、相当の批判の嵐に見舞われるだろう。それは避けたいところなので岩渕で決まりだ。
なでしこジャパン代表チームプロフィール
主体はピカピカの1年生チーム
- W杯・五輪 経験者:8名
- 平均年齢:24.9歳(3月時点よりさらに低い)
- 22歳以下:9名
- 30歳以上:4名
- 主力は国際大会やW杯などの経験値不足(強豪国の中で最も低い)
- 平均年齢は強豪国の中で極端に低い
- 4月に入ってからやっと先発メンバーが固定
- W杯でなく東京五輪を目標にした発展途上チーム
なでしこジャパン2019W杯メンバー決定!
23名中18名的中。GKは予想に反して山根でなく池田がメンバー入り。DFは予想通り大賀に代わりケガの回復した市瀬、サプライズは試合に復帰できていない阪口夢穂のメンバー入り。攻撃陣では敢えて外した最年少の遠藤、そして植木がメンバー入り。上記以外の選手は予想通り。
強豪国比で異例の若手中心の選出の詳細はこちらの記事をどうぞ!
まとめ
FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会のなでしこジャパンメンバーを予想したが、
- 第1版は個人的期待値を込めた予想
- 第2版はこれまでの招集データを基にした予想
- 第3版は2019年度の招集・試合実績+個人的期待値を基に予想
また、強豪国の代表メンバープロファイルを直近のスタメンを基に考察。
- W杯・五輪経験者数
- 平均年齢
- スタメン寸評
その結果、
- 経験値の高い国はカナダ、スウェーデン
- 一方、経験値の低い国は日本とドイツ
- USAは3月よりも平均年齢・経験値上昇
- 平均年齢が高いのはブラジルとスウェーデン。世代交代が進んでいない裏返しとも言える
- 平均年齢が低い国が日本とドイツ。世代交代進行中と言える
- 日本はやっと先発メンバーが固まってきた
- ドイツは相変わらずスタメン模索中
- イギリスは昨年11月の敗戦で思い切ってスタメン変更。それが功を奏してかSheBelievesカップで優勝。しかし、平均年齢の割には経験値が低い。そのためか4月の試合では不安定さ露呈
ということで強豪国のFIFA女子ワールドカップ2019フランス大会に向けてチーム作りは終了した。
興味深いのはなでしこジャパンとドイツで、平均年齢・経験値が低い両国がどこまで結果を残すかは大きな見どころだ。私が感じるに、今のなでしこジャパンは東京五輪に向けたチーム作りの最中なので今回のW杯はあくまで経験を積み上げるための大会。チャレンジャー精神で戦うだけ。
結果が悪ければ監督交代論が出るだろう。何故なら五輪までの1年で強くなるのは簡単でないから。思い出すのは2018年のTournament of Nationsでの3敗と今年のSheBelievesカップでの1勝1分1敗。一見成績はずいぶんよくなったが、内容的には3敗に等しく、実力がアップした実感がない。1年くらいではなかなか強くならない証拠だ。
しかし、結果が良ければ東京五輪は大いに楽しみになる。選ばれた選手には代表としての責任と誇りを自覚して精いっぱい頑張ってほしい。
ガンバレなでしこジャパン!