新型コロナワクチンの接種が始まりました。コロナワクチンの「有効性は95%」と言われているのでコロナ収束への期待感が高まっていますね。
マスコミではワクチンの供給問題を取り上げていますが、「有効性95%」に関する正しい情報はあまり取り上げていないような気がします。
私は、「有効性95%」の意味を正しく理解していませんでした。そこで、私と同じように誤解していらっしゃる方と「有効性95%」の意味をシェアしたいと思います。
「有効性95%」とはどういう意味?
いきなりですが、質問です。
① 感染患者が95%減少する
② 発症患者が95%減少する
さて、正しい解答はどちらでしょうか?
解答は本記事を読めばすぐお分かりになります。
感染と発症の定義
正しく理解するために感染と発症の定義を確認しておきましょう。
- 感染 ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入、増殖する
- 発症 病気の症状があらわれる
感染率に関するデータはあるの?
新型コロナ発生から1年経過しましたが、感染率に関する科学的データは見つかりませんでした。そこで、2月下旬までの累計感染者数を人口で割ると、
- アメリカ 8.6%
- ブラジル 4.2%
- ロシア 4.2%
- イスラエル 8.4%
- 韓国 0.17%
- 日本 0.33%
人口比(%)のグラフを見てみましょう。
4~5%というところですね。この数字が感染率とは思いませんが、仮に感染率が5%なら、ワクチンを接種しなくても95%の人は感染しないことになりますが、5%の感染率でも極めて深刻ですね。
実際の発症率は0.74%
ファイザー社の治験では、43,661人の半数にワクチンを接種、そのグループの発症数は8人、率にして0.04%。一方、偽のワクチンを接種したグループの発症数は162人、率にして0.74%。いずれも低い数字。
因みに、この差(0.74-0.04)を0.74で割ったのがファイザー社ワクチンの有効性95%。
ワクチン接種で「感染患者は減少」するの?
残念ながら、発症しない感染者が多数存在(発症するのは0.74%)する新型コロナでは、感染予防効果の実証はほぼ不可能と言われている(本当かな?)。
不思議に思う点が一つ、ファイザー社はどうして治験結果で得た感染者数を公表しないんだろう?考えられることは、感染者数においてはグループ間での差異はほとんどなかった?と言う事でしょうか?
英文の記事を読むと「ワクチンを接種しても感染するし移しもする」と複数の専門家が警告しています。私たちがとるべき当面の行動は「ワクチンを接種してもマスクは外すな」。これは正しい。ワクチン接種した人が感染するニュースは時々聞きますね。
ワクチン接種と新規感染者数の現状
ワクチン接種がスタートしたばかりですが、現状を見てみましょう(書き換えました)。
- ワクチン接種2回完了率57%のイスラエルに新規感染者は7月28日2328人。10万人当たりでは25人、日本の2.5倍
- ワクチン接種率72%(7月5日現在)で世界1位のUAEでは7月28日1531人感染。10万人当たりでは15.6人、日本の1.5倍
- 7月30日現在でワクチン接種率16.2%のロシアの新規感染者数は1日当たり22000人程度。10万人当たりでは15.2人、日本の1.5倍
- 7月30日現在でワクチン接種率48.9%のアメリカの新規感染者数は1日当たり85000人程度。10万人当たりでは25.9人、日本の2.5倍
- 1週間平均の1日当たりの感染者数は1月21日ピーク時768,000人であったが、7月16日時点ではほぼ50万人で35%減少 。その理由の一つはワクチン接種の普及にあると思うが、それまでのコロナ対策(外出禁止など)や変異ウイルスの拡大が主因かもしれない。何故なら接種率と10万人当たりの感染者数には相関関係が見当たらない
「ワクチンを接種した人でも、ワクチンの効果により発症しないが、感染してウイルスを持っている可能性はある」という指摘は、今のところ正しいようですね。やはりワクチンを接種しても当面はマスクを外せそうにない。
それでは次の疑問点に移ろう。
ワクチンを接種した人から感染することはあるの?
これは私たちにとって非常に重要な点であるが、残念ながらまだ実証されていません。専門家はいろいろな理由で「うつす可能性はある」と言っています。その理由の一つは、ワクチンを接種してから免疫が作られるまで12日必要になる点です。また、猛威を振る始めている変異ウィルスにワクチン開発が追いつけるのか分かりません。
さいごに
本記事の内容を信じない方がいらっしゃるかもしれないので、第17回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(2020(令和2)年10月2日)の情報を紹介しましょう。ここでもワクチンの「感染予防効果」の実証は難しいと書いています。
厚労省のホームページでもワクチンの有効性については、次のように記述しています。
「・・・また、ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社は、開発中のワクチンを投与した人の方が、投与していない人よりも、新型コロナウイルス感染症に発症した人が少ないとの結果又は中間結果が得られたと発表しています」
ここでも「発症した人が少ない」と記述しているが、「感染者が減る」とは一言も言っていません。
ということで「ワクチンを接種すれば大丈夫」と言う私の無知な期待が外れてしまったが、ワクチン接種が進み、「集団免疫効果(国民の70%がワクチン接種)が得られれば感染率が下がる」と言われています。
しかし、尾身会長は7月29日に「集団免疫得られるワクチン接種率、70%程度では難しい」と言う始末。専門家も憶測で言っているのが実状。ハッキリしたことは誰にもわからないと言う事でしょう。
ただ、ワクチン免疫の持続期間が明確になっていないのでいつ集団免疫効果が得られるか分からない。
この先、ワクチン接種者はどんどん増えるが、それでも「安心できない」ことは間違いなさそうだ。当面の間、これまでと同様のコロナ感染防止対策(ウガイ・マスク・三密回避など)を実践していくのが正しい行動ですね。