セイン先生の著書「日本人の知らないネイティブ英会話 130 のルール」の前編で本書の一部をご紹介しました。学校では教えてくれない英語の表現に触れてどのように感じましたか?
遠まわし表現、省略表現、丁寧な「イヤミ」表現、心と反対のことを言う表現など、ネイティブの真意を理解する上でかなり参考になったと思います。
ネイティブが使う言葉の裏の意味やちょっと変えるだけでニュアンスがガラリと変わる表現を知っておけば、コミュニケーション役立つことは間違いなしでしょう。ぜひ、本書をお読みになって下さい。
本記事では具体例をいくつか取り上げて本書をさらに紹介します。なお、復習になるかと思い、別の本の紹介記事で取り上げた表現も敢えて含めていますのでご理解ください。
「日本人の知らないネイティブ英会話 130のルール」本
- デイビッド・セイン、岡 悦子共著
- 246ページ
- 一通り読むのに2.5時間
- 中古本なら500円ほど
目次
- 第1章 ネイティブはズバリとは言わない
- 第2章 ネイティブは省略する
- 第3章 ネイティブは丁寧に「イヤミ」を言う
- 第4章 ネイティブはよく心と反対のことを言う
- 第5章 知っている単語には裏の意味がある!
- 第6章 英語は「ひと言」で全く意味が変わる
- 第7章 ネイティブは日本人と違うニュアンスで言葉を使う
- 第8章 同じ意味だと教えられたのに、実は違う!
- 第9章 見えないところにプレッシャーが潜む!
- 第10章 ネイティブは強調する
- 第11章 英語は論理的ではない!
本記事では、前編から外した第7章から第11章で取り上げられている表現を紹介。前編はこちら!
第7章 ネイティブは日本人と違うニュアンスで言葉を使う
Trust me. では信用されない!
2009年11月13日の日米首脳会談で鳩山首相がオバマ大統領に使って話題となった言葉。どうして?
Trust me. には、
There is no proof, so you’ll just have to trust me.
(証明するものが何もないから、とにかく私を信頼してもらうしかない)という気持ちが込められている。
さらにこんな言葉がある。
Never trust a man who says trust me.
(私を信頼してと言う人を決して信頼するな)
私も知らずに使ったことがあるかも。皆さん、注意しましょうね。
I’ll try. は諦めの言葉
「やってみるよ!」と伝えたいとき、I’ll try. と言いがち。
しかい、実は「ムリだと思うけど、まあ一応やってみるよ」と、ネガティブな結果予測も込めた表現。
例
Do you think you’ll be able to finish by Friday?
(金曜日までに終えられそうかな?)
I’ll try. But I’m pretty busy.
(やってはみますけど、かなり忙しいので・・・)
上司に対しては I’ll try. よりも I’ll do my best. を使った方が無難。
厳しい人から I have to say・・・ と言われたら喜ぶべし
I need to tell you・・・ も I have to say・・・ も「言わなきゃいけないんだけど」という意味。
I need to tell you・・・は「悪いニュース」の前置き。
I have to say・・・もそういう使い方もあるが、「ほめたくないけど、ほめざるを得ないね」と言う意味のほめ言葉にもなる。
例
I have to say that you did a great job.
(言いたくないけど、君はよくやったよ!)
I have to say that this is a good report.
(これはいいレポートだと言わざるを得ないね)
第8章 同じ意味だと教えられたのに、実は違う!
want は怒り、need は冷静さを表す
I want to talk to you.
(君に言っておきたいことがある)
I need to talk to you.
(お話があるのですが)
want はかなりストレートで強い響きを持つフレーズなので怒っているときに使うことが多い。また、子供がだだをこねたりするときにもよく使う。
例
I want you to do it right.
(それ、きちんとやってよね!)
I want this, not that.
(ほしいのはこっちで、それではない!)
I want that toy.
(あのおもちゃ、買って―っ!)
助動詞 I will、I’ll、be going to・・・ など
I will do it. は「決意」を表す表現。
(なんとしてもそれをやり遂げてみせるぞ!)
I’ll do it. は「今決めたこと」を表す言葉。
(そうだ。それをやることにしよう)
I’m going to do it. は「すでにやろうと決めてしまったこと」を表す。
上司に言ってはいけない。(私はそれをやることにしているんですっ)
I’m planning to do it. はネイティブが「未来のこと」を表すときによく使う表現。(それをやろうと思っているのですが)
例
I will be rich some day.
×「いつか金持ちになるでしょう」
〇「いつの日か、金持ちになってみせるぞ」
I’ll telephone you tomorrow.
(じゃあ、明日、君に電話するよ)
I’m going to go shopping.
(ショッピングに行くことにしている)
相手の都合もあるでしょうから I’m going to go to your office. とは言わないように。
I’m planning to have a party next week. Would you like to come?
(来週、パーティーを開こうと思っているんだけど、来る?)
第9章 見えないところにプレッシャーが潜む!
Is that so? はケンカを売る言葉
Is that so?
「そうなんですか?」ですが、相手を疑ってかかる言葉。
(え!そうなの?違うでしょう?)
例
Is that so? How do you know?
(そうなの?どうして知っているの? )
Is that so? Who told you?
(そうなの?誰がそう言ったの? )
そうなの?と言いたいときは、
Is that right? を使いましょう。
What’s that?は問題発言
that を強調して言うと「それは何?」ではなく、「それ、何!?なんか気持ち悪い~」というニュアンスで使われることが多い。
友人の家にディナーに招待され、珍しい料理を指して、
What’s THAT?
と言わないで、
What’s this?
と言いましょう。
第10章 ネイティブは強調する
I’ll be right with you. は円滑なコミュニケーションのコツ
I’ll be right with you.
(すぐにうかがいます)
I’m coming. ではいつ来るのかはっきりしない。
その他の表現
I’ll be right there.
(すぐにそちらに行きます)
I’ll be right back.
(すぐに戻ります)
すぐに食べ物にありつける表現
I’m starving to death.
(腹が減って死にそうだ~)
ただ、「小腹がすいた」程度やストレートに言いたくないなら、
I'm a little hungry.
I'm a bit hungry.
第11章 英語は論理的ではない!
technically speaking は「技術」とは無関係
technically speaking, ・・・
「原則は・・・だけど、まぁ、破ってもいいかな」「規則を厳密に解釈すると」というニュアンス。
Technically speaking, I have to get home by 10:00, but a few minutes won’t matter.
(規則としては10時が門限だけど、ちょっとくらい遅れても大丈夫)
おわりに
セイン先生の著書「日本人の知らないネイティブ英会話 130 のルール」の紹介(後編)では、
- 日本人と違うニュアンスで使う表現(eg. trust me)
- 同じ意味と思っていたが実は違う言葉(eg. I will v I’ll)
- 関係をこじらせるような表現(eg. Is that so?)
- ネイティブ流強調術(eg. I’m starving to death)
- 英語の非論理的な側面(eg. technically speaking)
に関する具体例を取り上げました。
130のルール(表現)は多いと思うかも知れませんが、読むだけで大変勉強にになります。さらに、ネイティブと会話する機会が増えれば頻繁に耳にすることになり自然と身につくでしょう。