ヒルネボウ

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腐った林檎の匂いのする異星人と一緒 34 ゲーム(STAGE4 花瓶)

2022-05-28 00:02:02 | 小説

   腐った林檎の匂いのする異星人と一緒

      34 ゲーム(STAGE4 花瓶)

あなたは階段を下りて管理人室に入る。

壁に絵が架けてある。描かれているのは壺か花瓶のようだ。ところが、その下に「二番目の女」と書いてある。あなたは後退り、目を凝らす。「女」がどこにいるのか、わからない。何のためにこんな絵を……? あなたを侮辱するためか? 

観葉植物が背中を擽る。その根方で5Gを拾う。タイピストのいないタイプライターが作動する。警報のようだ。あなたは黙って管理人に近づく。

「いつもお元気そうで何よりですな」

聞こえなかったふりをして部屋を出かかると、呼び止められる。

「玄関付近に例のやつらが屯していますよ」

応じず、出ようとすると、彼は続ける。

「今日は外出なさらない方が賢明かと存じますが」

二者択一。

外出する。部屋に戻る。

どちらも選ばないでいると、いたずらに時が過ぎ、あなたは衰弱し、ミイラになる。

GAME OVER

 あなたはこのゲームをやりなおしますか。

無人の舞台で砂時計の砂が落ち始める。

(続)


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