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聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-

2011年12月25日 22時43分29秒 | 映画 ら行
評価:★★★★【4点】


男として器のデカさに真の武士道精神を感じた。

すでにいくつかの話の中で山本五十六は知ってたはずなのに
太平洋戦争での彼の苦悩が、これほど鮮明に描かれたのは
テレビ放送も含め、未だかつて見たことがなかった。

これは、ひとの上に立ち、監督者、リーダー、指導者と
なるひとたちへのハウツー映画として是非お薦めしたい。



アメリカとの戦争に強く反対しながらも連合艦隊長官として
その端緒となる真珠湾攻撃を指揮することになった
軍人・山本五十六の知られざる実像を、
作家・半藤一利の監修の下、映画化した戦争ドラマ。

1939年、夏。
好戦ムードに盛り上がる世論を背景に、
陸軍が日独伊三国軍事同盟の締結を強硬に主張する中、
海軍次官の山本五十六は敢然と異を唱える。
ドイツと結べばアメリカとの戦争は必然であり、
両国の国力の差を冷静に見極めていた五十六にとっては、
それは絶対に避けなければならない戦いだった。
しかし、五十六の懸命の訴えで一旦は棚上げにされるも、
三国同盟締結の流れを完全に断ち切ることは出来なかった。

そんな中、五十六は聯合艦隊司令長官に就任する。
そして、五十六が予想したとおり、
アメリカとの戦争は日に日に現実味を帯びてくる。
対米戦の回避を願う自らの信念と、
聯合艦隊司令長官としての職責の狭間で苦悩を深める五十六だったが…。
<allcinema>



何事も攻めることがすべてではない。
常に“目と耳と心”を大きく開いて世界を見よ!というのが
山本五十六の持論であった。
戦争はできることなら回避したい。
始めることは簡単でも終結(講和・こうわ)のタイミングが
非常に難しいのは五十六は知っていた。

世論を煽るメディアの存在や、海軍中央の判断ミスなど
すべてに於いて五十六は、それらに対し指摘してきたにも拘らず
事は自分と違う方向に動き始めていた。

そして、そういった中での連合艦隊司令長官という
職責を果たさなければならないジレンマは相当なものだった。

これは、今さらながら、真実を知るという意味で
とても貴重な映画だったことは確かです。
山本五十六というひとりのリーダー像がすばらしく
ワタシが彼の部下なら命さえ預けてもいいと思わせてしまう。
ある意味、良い意味でのマインドコントロールを
本作から受けていたとでもいうのでしょうか。

こんな武士道精神を持って仕事に向き合いたいのが理想です(笑)
甲賀の戦国武将“風林火山”の武田信玄もいいけど
山本五十六も良い!彼の的確なる情報源と先見の目、そして侍精神は
日本人の誇り、男の憧れといえるでしょう。

これも、すべては主演の役所広司の温厚な台詞回しから
受ける印象なのかもしれませんが。

さて、本作は人間ドラマが8割の戦闘シーン2割という
ミリタリー好きの戦争アクションシーンはかなり少ないので
そういうものを期待していくと肩透かしを食らいます(笑)

それでも、今の日本のVFXのレベルの高さが見られるので
少ない戦闘シーン(真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦)の
ゼロ戦の勇士には、アドレナリンが出ちゃいましたね~。


おまけ)
・2度目の夕食時シーンの鯛はなぜ手を付けなかったのか。
 それは、五十六の最後の団欒だったと理解してます。

・我が家でも、あんなふうに一匹のヒラメ(?)の身を取り
 第一子から順番に分け与えていったら、どんな父に写っただろうか(爆)
 たぶん、ウザいと思われるのが関の山やね~^^;

・ミッドウェイ海戦時、南雲率いる機動部隊の判断ミスで大敗しているが 
 後に彼への叱責を一切しなかった五十六の器のでかさはココでも判る。 
 そんな五十六に対し、南雲は涙が止まらず、ワタシも貰い泣き^^;
----------------------------------------------------------------
監督:成島出
脚本:長谷川康夫/飯田健三郎
撮影:柴主高秀
音楽:岩代太郎


出演:役所広司/玉木宏/柄本明/柳葉敏郎/阿部寛/吉田栄作/椎名桔平/
    益岡徹/袴田吉彦/伊武雅刀/香川照之/


『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』 
 

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7 コメント

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いつもありあとうございます。 (やっちゅ)
2011-12-26 10:15:48
いつもTB返しありがとうございます。

役所広司の演技見事でしたね。

五十六の主張や考え、人柄は素晴らしく、現代でも彼のようなリーダーが存在して欲しいと思います。

私達国民も理想のリーダーばかり求めているだけではなく、彼が言うように常に物事の本質をみていくことや、目や耳や心を世界に開いていかなければいけないと感じます。

この映画、原作の半藤氏が自身でも山本贔屓だと語っていることや、五十六の出身地の長岡市や新潟のメディアや高校OBなどが制作に関わっていることなどから、よい面ばかりだけが並べられているせいか、映画としてのメリハリに乏しかったようにも思いました。

Wikipediaなどで五十六のことを見ると、好意的な評価も多いですが、批判的な評価も多く見られます。批判的な評価に関するエピソードを盛り込んでいくと、もっとメリハリが付いたのかと思います。

話は変わりますが、もしよろしければ僕のサイトとの相互リンクをお願いします。
サイト名:映画とライトノベルの日常自販機
リンク先URL:http://sugiyama.tv
よろしくお願いします。
返信する
やっちゅさん (ituka)
2011-12-26 11:53:16
こんにちは。

映画の中から得るモノは多々ありました。
世の中に流されず(時には流されることも必要ですが)冷静に判断することも大切ですよね。

>映画としてのメリハリに乏しかったようにも思いました。

割りと淡々と話が進んでいったのは感じました。
逆にいえば、五十六に関わるエピソードがそれだけ多過ぎた結果かもしれません。
むしろ1本の映画にするより、連続テレビドラマとした方が彼の細部まで描けた気がしますが
ウィキで調べると、彼自身の負の部分もかいてありますね。
彼のカリスマ性を重視するか、人間臭さを盛り込むのか、これは好みの問題かもしれませんね。

リンクの件、ありがとうございます。
こちらこそよろしくおねがいします。
返信する
日本インターネット映画大賞募集中 (日本インターネット映画大賞)
2011-12-26 21:59:17
突然で申しわけありません。
現在2011年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。
投票は1/19(木)締切です。
ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
なお、twitterも開設しましたので、フォローいただければ最新情報等配信する予定です。
返信する
☆前線視察予定を無線した奴、銃殺刑に相当(=^_^=)☆ (TiM3)
2011-12-31 18:27:48
どもです。

遅ればせながら、高松にて観て参りました。

もう1歩、演出面で「詰め」てくれたら、
『硫黄島からの手紙』を凌いでたかも知れません。

ゼロ戦パイロットを巡るエピソードが、ちょっとペラっぽかったですが、CGのレベルは上がって来ましたね!

観ておいて良かったです。
返信する
TiM3さんへ (ituka)
2011-12-31 20:44:48
こんばんは。

やっぱりアソコは傍受されてたんですよね。残念です(笑)
割りと長尺な映画だったですが、ダレるところもなく、ずっと惹き込まれてました。
真珠湾攻撃やミッドウェイ海戦シーンを『パールハーバー』並みにしてくれたら
全体の印象がどうなったか気になるところです(笑)

日本のCGレベル上がってますよね!
空中戦での機銃の弾道が散るところなんか実写並みでしたもんね^^

またひとつ、来年もよろしくお願いします。
返信する
夕食 (mariyon)
2012-01-15 12:57:04
戦闘シーンと同じくらいの長さで、ものを食べるシーンがあったような気がします。
五十六と言う人物を表すのに、不可欠だったんでしょう。役所さん、上手いです!

なかでも、山本家の夕食がほんとうに印象的でした。妻をいたわり、子供たち一人一人に声をかける。
この時代の父親にしてはかなりめづらしかったのでは?と思いますが、息子さんの印象から描かれているからかもしれません・・・。
(たしかに、今、これをやったら、確実にウザがられますね)
鯛に箸をつけませんでしたね。お祝いをしないと言うことだったのかな?と思ったんですが。
返信する
mariyonさんへ (ituka)
2012-01-15 16:54:17
こんばんは。

言われてみれば、食するシーン多かったですね。
これは五十六の食へのこだわりなのか、監督から見た五十六のイメージなのか(って、どんなイメージだよ)
一家の大黒柱はこういう感じなんだな~というのが分りましたよ(笑)
我が家では、魚の切り身分けは妻の仕事でしたし
ワタシも子供と一緒になって分けられるのを大人しく待ってました(ほんとか?)

>鯛に箸をつけませんでしたね。お祝いをしないと言うことだったのかな?と思ったんですが。

自らの死を予感してたんですかね。
最後の鯛は妻におまかせという風に、直観的にそう思ったんですよ^^
返信する

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