『tokotoko』

Fortune comes in at the merry gate.

『マーティン・マクドナー作』

2014-06-14 | 映画・ドラマ・舞台
劇作家であり、映画監督でもある、
マーティン・マクドナーは、北野武さんが大好きで、

監督をした<セブン・サイコパス>の劇中、始まって間もないシーンで、
コリン・ファレル演じるマーティと、サム・ロックウェル演じるビリーが、
映画館で<その男、凶暴につき>を観賞しているシーンがあります。

  

先週末、マーティン・マクドナー作の、
『ロンサム・ウェスト』を観てきました。



出演者は、堤真一さん、瑛太さん、
北村有起哉さん、木下あかりさん でした。

新国立劇場小劇場の公演で、小さなハコだったので、
演者さんの声や息が、ダイレクトに入ってきて、良かったです。

見どころになるのは、堤さんの演じる兄と瑛太さん演じる弟が繰り返す、
機関銃のような口喧嘩や取っ組み合いの応酬の中であらわれる愛憎。

堤さん演じる兄の方の、ずる賢さとか小憎ったらしいところとか、
瑛太さん演じる弟の直情的な憤怒の模様。

緩急つけたふたりのテンポの良さに、
絶妙なバランスで、北村さんの長台詞・・・・と、紅一点木下さん。

難しいシリアスな内容なのに、笑いが起こる。
憎しみ合い喧嘩を繰り返すけれど、心底の部分ではつながっている兄弟。

面白い内容でした。
ただ、舞台は生ものですからその日その日で、調子も変わります。

私の観た日は、ほんの少し互いの強弱が噛み合っていなかったような、
ちょっともったいないかんじのする日でした。

難しいからこそ、最上を求めてしまう、
舞台の面白さは、こういうところにある気もします。

そして、個人的には、天井まで拘りを感じる二村周作さんの美術。
小川幾雄さんの照明も素晴らしかったです。

 二村さんの模型

マーティン・マクドナーは1970年ロンドン生まれ。

デビュー作である1996年上演
「ビューティ・クイーン・オブ・リーナンThe Beauty Queen of Leenane」で、
英国最高峰の演劇賞、ローレンス・オリヴィエ賞最優秀作品賞にノミネートを受ける。

1997年に「コネマラの骸骨 A Skull in Connemara」と、
本作品「ロンサム・ウエスト The Lonesome West」を発表。

この3作、<リーナン三部作>として、高い人気を誇っている。
 
1998年は「ビューティ・クイーン・オブ・リーナン」で、
オフ・ブロードウェイ及びブロードウェイに進出。トニー賞4部門の大ヒット。

その後「クリップル・オブ・イシュマーン The Cripple of Inishmaan」、
「ウィー・トーマス (原題:The Lieutenant of Inishmore)」など、
アイルランドを舞台にしたブラック・コメディを発表する。

2004年上演「ピローマン The Pillowman」は、
英国オリヴィエ賞、米国トニー賞両賞の最優秀作品賞に輝く。

2005年には映画界に進出。
短編フィルム「シックス・シューター」で、
同年のアカデミー賞短編実写映画賞を受賞する。

2008年には、コリン・ファレル、レイフ・ファインズ主演で、
長編映画「イン・ブルージュ(日本公開タイトル:ヒットマンズ・レクイエム)」の、
脚本・監督を担当し、第81回アカデミー賞オリジナル脚本賞のノミネートを受ける。

2012年にはコリン・ファレルと再びタッグを組み、
映画「セブン・サイコパス(邦題:7人のサイコ)」を作る。





すごい人です。
今後も、見続けていきたいです


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