スイミーの願い
今回のコンサートに応援ワンコとして3頭の盲導犬引退生のワンコが来ていました。
その中の一頭スイミーのお話です。
スイミーは福島で盲導犬としてお仕事をしていました、そしてあの3・11の震災に遭って仕舞ったのです、ぐらぐら揺れる中スイミーは自分のケージの上でじっとしていました、その日は飼い主さんとスイミーだけでした、飼い主さんは急いでスイミーを連れて家から逃げたのですが、あわてていたので大事なハーネスを付け忘れてしまいました、気が付いて戻りハーネスを付け直し家から出たのでした、「津波が来る」という声を聞き戸惑いましたがスイミーは動物の本能でしょうか高台へと導いてくれたそうです。
避難所にたどり着きやがて家族とも会うことができたのですが、スイミーは犬なので避難所の中に入れることができませんでした、「犬なんか・・・」という心ない言葉もあったそうです、盲導犬は飼い主さんの体の一部なんです、でも理解してもらえなかったようです。
やっと避難したのもつかの間、今度は福島の原発事故・・・避難所を転々としなくてはならなくなりました、そしてとうとうスイミーを連れ歩くことに限界を感じアイメイト協会に一時預けることにしました、そう!預けるだけだったのです。
でもスイミーは戻ることはなく盲導犬引退生となってしまいました、もう飼い主さんのところに戻ってお仕事することはできなくなってしまったのです、なんて悲しい別れでしょう。
今は優しい新しい家族のもとで暮らしていますがどこか寂しげなんです、最初のころは尻尾も振ったことがなかったそうです、心の傷が大きかったのでしょうね。
このお話をコンサートの合間に主催者のユーチャリスのM様がお話になり皆で涙しました、盲導犬の活躍できる期間は短いです、育成していくには膨大な費用と時間がかかります、一頭でも多くの盲導犬を輩出するため、応援してあげたいですね。
どこ触っても何されてもじーっとしているスイミーです。