今日は曇り。今朝は上空に水色の薄い雲が広がっていたが、東の空は雲が薄い朱色に染まっていた。今朝の気温は8℃で、風はほとんど無く、コートを着ていても涼しいくらいの陽気となった。遠くから鳥のさえずりが聞こえていて、電線や電信柱に鳥が止まっている。冷たい空気が爽やかに感じられた。
今日は通常出勤のため、早朝に家を出た。日野駅から乗った電車が多摩川を渡るときに、車窓から東の地平線の上に赤い円盤状の太陽が浮き上がって見える。電車が立川駅に到着する前に、眠気が襲ってきて、睡魔に身を委ねたかと思うと、気が付いた時には電車は新宿駅に到着するところだった。
新宿駅で電車を降りると、改札を抜けて地下道に入る。職場に到着して窓から外を見渡すと、上空にはガス状の雲が広がっているのが見えた。西の地平線付近には山々の稜線のシルエットが霞んで見える。雲の厚みが増しているのか、朝日は雲に隠れてしまって、空が白っぽく見えた。
日中は雲の多い空模様となった。上空には薄い雲が広がっているものの、雲の合間から青空が垣間見えていて、薄日も射している。昼間の最高気温は22℃で湿度が低く、南よりの風が吹いていた。
今日は二十四節気の清明である。清明とはポメラに搭載されている国語辞典によれば「天地に清く明るい空気が満ちる時期の意」とある。気候が温暖になり、清々しいと呼ぶにふさわしい頃という意味とのことだが、空気は清々しく感じられるものの今日はスッキリしない空模様となった。
今日は午後、いろいろと忙しく、気が付いた時には外は暗くなっていた。今日も夕食を食べて帰ることにしている。職場を出ると、地下道を歩いて新宿駅に向かった。新宿駅から中央線各駅停車線に乗って中野駅に到着すると、電車を降りて駅北口改札を抜けた。中野サンモールを北に進み、中野ブロードウェイを抜けて早稲田通りに出た。横断歩道を渡り、右手に30mほども進むと、左手にラーメン屋「天下一品 中野店」の看板が見えてくる。今日はこの店に入ることにした。
店内は混んでいて、店の入口手前に置かれたスタンドの上に設けられたウェイティングリストに名前と人数を書いて、店先に置かれた椅子で待つ。しばらくして店員に声を掛けられると、店内に入った。店内は奥に厨房があり、その手前に3人掛けのカウンター席が3カ所と2人掛けのカウンター席が1カ所設けられていて、入口に近い方に4人掛けのテーブル席が6卓配されている。ただ、3カ所ある3人掛けのカウンター席は中央に仕切板を設けているために中央の席が座れず、実質2人掛けのカウンター席となっている。
店員に案内されたのは4人掛けのテーブル席である。席に座るとお冷と割り箸が運ばれてきた。卓上にはメニューと冷水のポット、コールボタンがあり、壁に設けられた棚の上にはしょう油とラー油、お酢、ラーメンタレ、からし味噌、SUGIZO胡椒バシがけと書かれたコショウといった調味料の他、紙ナプキンと楊枝が置かれている。
お冷を飲みながらメニューを眺める。メニューはグランドメニューの冊子とラミネートされた片面印刷の紙が2枚ある。グランドメニューの表紙には「羽根つき餃子定食」と4種類のラーメンが掲載されている。
中の見開きには各種定食メニューとラーメン、トッピングその他のメニューが掲載されている。
最後のページは単品メニューと各種ドリンク、お持ち帰りメニューが書かれていた。
ラミネートされたメニューの片方はお持ち帰りメニューが掲載されている。
もう1枚は「こってり咖喱定食」のメニューが載っていた。
コールボタンを押して店員を呼ぶと、料理を注文する。注文したのは「こってり咖喱定食」である。ラーメンは50円を払うことにして味噌ラーメンに変更してもらった。カレーの辛さが選べるとのことだったが、よく分からなかったので、「ふつう」にしてもらうことにした。
料理を注文すると、再びお冷を飲んで料理が出来るのを待った。店内には芸能人の色紙などが展示されていた。
しばらくして料理が運ばれてきた。
さっそく紙ナプキンを1枚取り、割り箸の袋を破って箸を取り出すと、味噌ラーメンから食べることにした。
味噌ラーメンの麺は中細麺で、薄い土色のスープに浸かっている。麺の上には半個分の味付煮卵とチャーシューが1枚、メンマ、刻みネギが載せられている。
まずはレンゲを取って、スープを掬って飲む。北海道の赤味噌と愛知県の豆味噌をブレンドし、鶏白湯スープと合わせたというスープはドロリとしている。口に入れると味噌の旨味と甘みが鶏の旨味と共に口の中に広がり、喉の奥に消えていった。
レンゲを置いて箸を取ると、麺を食べる。シコシコとした食感の細麺はモチモチとした歯応えで、味噌スープがたっぷりと絡みついて口の中に入ってくる。麺と一緒に入ってくるメンマや刻みネギの食感がアクセントになっていて美味しい。麺を食べながら味玉にかぶりついた。黄身の味が濃く、白身の淡白な旨味の組み合わせが美味しい。薄いチャーシューは脂身の少ない肉質系で、柔らかいながらも歯ごたえがあって美味しかった。
麺をあらかた食べてしまうと、今度はこってりカレーのレンゲを取って、カレーを食べることにした。
こってり咖喱はお碗にご飯を盛り、カレールーをかけた上に、半個分の味付煮卵と豚トロチャーシューが2枚、こってり唐揚げが1個載せられていて、ニラにんにくが彩りを添えている。
レンゲでライスとカレーを一緒に掬って口に運ぶ。「ふつう」のカレーは万人受けする甘口のカレーで、スープの旨味とコクにカレーのスパイスが合わさり、食べ応えがあって美味しい。スープのこってり感はカレーのとろみと一体となっていて、鶏白湯がそのままカレーになったような味わいである。
カレーと一緒にカレーの上に載せられた具を食べる。カレーに載せられた味付煮卵は黄身の旨味と白身の旨味のバランスにカレーの旨味が加わって、なんともいえぬ不思議な味わいながら、その味わいに一体感が感じられる。こってり唐揚げはカリッとした衣にジューシーな鶏肉が閉じ込められていて、カレーの旨味が加わって何層にも重ねられた鶏の旨みが楽しめた。豚トロチャーシューは脂が甘く、ハムのような食感で美味しい。
にらニンニクの辛味がカレーにアクセントを与えている。甘口カレーも美味しいが、辛いカレーもまた美味しい。そこで、卓上のからし味噌を適量カレーに加えて、ライスをかき込んだ。カレーと味噌の相性は抜群にいいが、これに唐辛子が加わることによって、パンチの効いた味わいになる。
カレーをかき込むようにして食べてしまうと、最後にラーメン丼に残しておいた味噌スープを掬って飲む。こちらもライスを別途注文して、雑炊にして食べようかと思っていたが、ちょっとそれは食べ過ぎであるような気がして止めた。スープを飲み干し、コップに残った冷水を飲み干して完食。美味かった。満足である。
帰り支度をして席を立つと店の脇のレジで代金を支払う。ちなみにこの店では現金支払いのみとなっている。精算を済ませると、店を出て中野駅に向かった。
中野駅から中央線通勤快速電車に乗って、帰宅の途につく。電車が日野駅に着くと、電車を降りて改札を抜けた。
駅の外に出て空を見上げると、暗い空が広がっている。天頂付近には雲を空かすように丸い月が朧に光っているのを見て、上空を雲が覆っていると知った。強い南よりの風が吹いていて、昼間の暖かさの余韻がまだ残っているかのように少し、蒸すように感じられる。夜風が心地よく感じられた。