週明けの今日は雨ときどき止む。今朝は上空に厚い雲が広がっていて、雨がパラパラと降っていた。今朝の気温は20℃で、弱い北よりの風が吹いている。湿った風が少し涼しく感じられるものの、朝から蒸すような陽気となった。
今朝は胃腸の調子が悪くて、少し遅めに自宅を出た。電線の上にはムクドリが長雨に耐えるかのように、微動だにせず止まっている。雨が降る音だけが耳に聞こえていた。駅に着いて、ホームで電車を待っていると、肌から汗がにじみ出るように滴り落ちてくる。ビジネスカバンの中からタオルを取り出し、汗を拭いながら、電車を待った。
今日乗った電車はいつも乗る電車に比べて20分ほど遅い電車だったが、日野駅から座っていくことができた。新宿駅に到着すると地下道を歩いて職場に向かう。職場に着いて窓から外を見渡すと、手前の建物は見渡せるものの、遠くの市街地はガスに覆われて視界が遮られている。時間と共に、ガスが少し晴れてきたようである。
日中は上空には厚い雲が広がっていて、雨が降ったり止んだりの空模様となった。昼間の最高気温は23℃で、北よりの風が吹いている。外に出てみると、細い雨が音も無く静かに降っていた。シメシメとした風が涼しく感じられるものの、ムシムシとした陽気である。西新宿の高層ビルには低い雲がかかっていて、ビルの上部が霞んで見えた。
夜、仕事を終えて帰宅の途につく。職場を出ると、外は弱い雨が降っていた。傘を差すほどではなかったが、急ぎ足で地下道に入ると地下道を歩いて新宿駅に向かう。新宿駅から乗った快速電車は混んでいたが、なんとか吊革に掴まると、荷棚の上にカバンを載せた。カバンの中から文庫本を取り出して、本を読みながら車内の時間を過ごす。
今日も精神的に疲れた。土日に糖分補給をしなかったこともあって、どこかで気分転換をしたい気分である。そこで、国分寺駅で電車を降りて、駅南口にあるセレオ国分寺2階のカフェ「タリーズコーヒー セレオ国分寺店」に入店することにした。
駅構内を見渡すカウンター席の1つを確保すると、レジに向かう。注文したのは「ムース オランジュ」と「ハリー・ポッター フローズンミルクティー トリークタルト」のトールサイズである。
代金をタリーズカードで支払うと、レジでケーキの載ったトレーを受け取った。奥のカウンターで「ハリー・ポッター フローズンミルクティー トリークタルト」の入ったプラスチックカップを受け取る。カトラリー等が置かれているコーナーでスプーンをトレーの上に載せ、更に紙コップを1つ取って、傍らに置かれた冷水のポットから紙コップに水を注いでトレーの上に載せると、確保したカウンター席に運んだ。
さっそく「ハリー・ポッター フローズンミルクティー トリークタルト」を飲むことにする。「ハリー・ポッター フローズンミルクティー トリークタルト」はイギリスの伝統菓子で、ハリー・ポッターの好物でもある「トリークタルト(糖蜜パイ)」をモチーフにしたミルクティーのフローズンドリンクである。
表面にはたっぷりのホイップクリームを浮かべて、その中央に「トリークタルトソース」がトッピングしてある。ホイップクリームの上には砕いたクッキーがトッピングされていて、まるで飲むスイーツといった感じのドリンクである。
「ハリー・ポッター フローズンミルクティー トリークタルト」が注がれたカップを裏返すと、「ホグワーツ城ステッカー」が貼られている。
あらためて、「ハリー・ポッター フローズンミルクティー トリークタルト」にストローを挿すと、勢いよくドリンクを吸い込んだ。ミルクティーをベースとしたドリンクはほんのりスパイスが香っていて、濃厚なフローズンミルクティーの氷が喉の奥に消えていく。ミルキーな甘さにどこかほっとするやさしい味わいで、ドリンクの中に加えられた小さなレモンピールの食感がアクセントになっている。
ストローから口を離し、スプーンで表面のホイップクリームを掬って口に運ぶ。「トリークタルトソース」はレモンピールのほろ苦さと爽やかさの中に、ほんのりスパイスが香る味わいで、ホイップクリームの上にトッピングされたクッキーが香ばしく、食感のアクセントになっている。
フローズンミルクティーをグラスの半分くらいまで楽しんだところで、ケーキを食べることにした。
「ムース オランジュ」はブラックココアスポンジの上にオレンジのムースを重ね、トップにオレンジのコンフィを入れたジュリーを重ねたケーキは、ピスタチオダイスが彩りを添えていて、見た目も華やかなケーキである。
ケーキにフォークを入れて口に運ぶ。オレンジのムースはフルーティーな甘さで、オレンジの酸味が爽やかに感じられる。カカオ香るブラックココアスポンジと組み合わせることで、ブラックココアスポンジのビターな味わいが引き立つように感じられる。トップのオレンジのコンフィとピスタチオダイスが食感のアクセントを添えていて、食べ応えもあって美味しかった。
ケーキを食べてしまうと、再び、「ハリー・ポッター フローズンミルクティー トリークタルト」を飲む。表面のホイップクリームはフローズンミルクティーと混ざりあっているて、「トリークタルトソース」やクッキーはフローズンミルクティーの中に沈んでいる。
ストローを吸うと、ミルクと紅茶の甘みの中に、コクのあるホイップクリームと相性が良い、ほんのり苦いスパイスの風味が感じられた。ケーキののオレンジの風味にレモンピールのさわやかなテイストとつぶつぶの食感が加わって美味しい。カリッとしたビスケットと氷の食感の組み合わせにミルクのやさしいコクとスパイスの香りが華やかに感じられる。ほどよい甘さで、後味がすっきりとした味わいが美味しかった。
ようやく落ち着いたところで、ビジネスカバンの中から文庫本を取り出す。「フローズンミルクティー」を楽しみながらしばらく本を読んでいると、グラスの中の「フローズンミルクティー」が空になった。
紙コップに入った冷水をグラスに注ぎ、グラスの中を綺麗に冷水で溶かしながら、少しずつ冷水を飲んで本を読む。グラスの中の水も無くなったところで、本にしおりを挟んでカバンの中に入れた。食器を返却すると、帰り支度をして店を出る。
国分寺駅の改札に入り、中央線下りホームに降りると、通勤快速電車と待合せをしていた高尾行きの電車が停まっている。電車に10分ほど乗って日野駅に到着すると、電車を降りて改札を抜けた。
駅の外に出ると、雨は止んでいた。路面はしっとりと濡れていて、所々に大きな水たまりが出来ている。上空には白いスクリーンのような雲が広がっていた。街の明かりに照らされて、ほんのりとオレンジ色に染まっているように思える。
辺りは薄い靄が包んでいて、空気が湿っぽく感じられた。風がヒンヤリと感じられるものの、ムシッとした陽気で汗が額に浮かんだ。ビジネスカバンの中からタオルを取り出して、汗を拭いながら家路を急いだ。
家に着いて、まもなくして、強い雨が降ってきた。