外国を旅行したり、その地に滞在したりすると、「所変われば、品変わる」で日本に無いような面白いものを発見することがある。
フィンランドで発見した建築・デザイン関係のチョット気になったものを少しずつ紹介していきたい。 その2として、キッチンのシンク上に設けられたアミの食器入れキャビネット。
シンクの上にある食器入れ用のキャビネットで、その食器入れの底はアミになっているだけの簡単なもの。
食器は食事の後、洗ってこのアミの上に載せるだけで、次回使うときはここから取り出す。 水滴はアミを通して下のシンクに落ちる、乾燥しているので食器もシンクも直ぐに乾いてしまう。
日本の家庭によくあるシンク脇の食器水切り籠と収納を兼ねている様な装置である。
フィンランドでの学生寮の生活は短期滞在ゆえ食器の数も限られ、この装置は極めて快適で使い勝手が良かった。
日本の家庭のようにありとあらゆる種類の食器を使うキッチンには不向きであるが、毎回限られた種類のものしか使わない場所 (事務所の湯沸し室など) では有効であろう。
フィンランドから帰国後、あの使い勝手の良さが忘れられず自宅で実践してみた。
結果は、僕は大満足だったのだが、家族からは不評であった。
不評の原因は、フィンランドに比べ直ぐに食器が乾かない、ゴキブリに対して無用心である、シンクに水滴が落ちるのが気になる・・・・・などなど
アミの底に水受けの皿を設けたり、キャビネットを密閉型にすれば良いのかもしれないが、それではこのシンプルで合理的なアイデアがぶち壊しである。
今でこそ良く見かけそうなデザインであるが、最初に見たのは30年以上も前の事。
その使い勝手の良いことや合理的な考え方に、こんなデザインもあるもんだと妙に感心したのを覚えている。
学生寮のキッチン。
学生寮 (タンペレのミコンタロ)は個室3室が1ユニットで、一つのキッチンが付いている。
キッチンに換気扇が無いのにはビックリ。
友人の説明では油モノはオーブンを使うとのことだが、一般に本格的な料理はしないと言うのが本当のようだ。
【写真・撮影】 管理人