フィンランド建築・デザイン雑記帳

森と湖の国、SUOMIのクリエーター達に想いをよせて....
チョット書き留めておきたいこと、昔の思い出・備忘録

フィンランドで見つけた気になったもの・・・通気を考慮したドア枠

2006年05月18日 | フィンランドで見つけた気になったもの


古い民家にあったドア枠。
ドア枠に丸く面を取った様な細工は最初、装飾の一部かと思ったが、このわずかな隙間で通気をとっている。
昨今の建築には、何でも設備で解決してしまう風潮や、これ見よがしのディテールが多く観られるが、このような隠れた優れものを観ると嬉しくなってしまう。


フィンランドで、一時滞在したタンペレの古い住宅と学生寮のドア枠のディテールである。 
見過ごしてしまうような小さな細工であるが、ドアを閉めた状態でも通気が出来るようドア枠に工夫が施されている。
フィンランドの住宅は、屋内でも間仕切りやドアは、比較的タイトに出来ているので、このような通気の為のディテールが必要になるのだろう。
ドアにガラリなどを設ける程もないが通気が欲しいなどといった場合に有効である。
僕自身、日本では見たことがないディテールで、初めてこれを見たときには、その巧みさに唸ってしまった。




古い民家のドア枠。
上部ドア枠に施した一見、装飾のようにも見える通気の為の細工。





タンペレの学生寮のドア枠ディテール。
これはもっと簡単な納まりで通気を図ろうというもの。
ドア枠上部の戸当りは、枠側面の戸当りよりも幅が若干少ない。
そこに出来たほんの少しの隙間を空気が通る。 
何と言う事も無い簡単な納まりだが、ほんの少しの工夫で効果絶大な優れたディテールである。




ドア枠の上部戸当りは、枠側面の戸当りよりも5-6ミリ引っ込んでいる。
その隙間を空気が流れる仕組み。


フィンランドで「気になったもの」ではないが、僕が用いる「通気・換気」が必要な箇所に用いるローコストな一例。
通気の為、ドア下部にガラリなどを設けるのが一般だが、その予算が無い場合、フラッシュ扉の面材すべてを孔あき合板(有孔合板)にしてしまう方法である。
階段下収納や物入、納戸の扉などには適しているだろう。
僕は、いつも「孔あきシナ合板」を用い、塗装で孔が埋まらないように。クリアーラッカーなどでサッパリと仕上げている。


【写真・撮影】 管理人



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