トルコ 1978年 200リラ プルーフ銀貨 ジャラール・ウッディーン・ルーミー没後705周年記念コイン
四人の男と金貨
四人の男が金貨を一枚与えられた。一人めのペルシア人が言った。「この金貨で、アングールを買うとしよう」
二人めのアラブ人が言った。「いやいや、私はアイナブが欲しい。アイナブを買おう」
三人めのトルコ人が言った。「アイナブなんてやめてくれ。私はウズュムを買いたい」
四人めのギリシア人が言った。「私はスタフィルを買いたいのだが」
それぞれの呼び名の背後に何が控えているのかも知らず、四人の男は喧嘩を始めた。情報だけが先走りし、肝心の知識を得ていなかったためである。
そこへ賢い仲介者が現れ、四人を和解させた。仲介者は言った。
「あなた方四人全員の必要を満たして差し上げましょう。私を信頼して、一枚の金貨を預けて下さい。四つのものを、一つにして差し上げましょう」
賢い仲介者は、それぞれの呼び名の背後に控えているものについて知っていた。一枚の金貨で葡萄を買い、四人に与えた。それで初めて、四人は自分達が欲していたものが全く同一であったことを知った。
『精神的マスナヴィー』2巻「四人の男と金貨」より
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