この間いろいろな文献や統計資料を読み解いて,最近ようやく本質的なところが見えてきました。
少子化というと,すぐに合計特殊出生率が頭に浮かびますが,それを少子化と直接結びつけるのは少し乱暴だということにも気付きました。
2023年度の合計特殊出生率は1.20まで低下しました。
しかし,この数値は未婚の女性が含まれています。
では,結婚して一人以上の子供を生んだ母親の数はというと,40年も前からほとんど変わっていないのです。
そして「一人以上出産した母親」の2021年に産んだ子供の数は2.01人となります。
それなのに子供の数が減っている一番の原因は,出産対象年齢の女性の人口が減っているからだと気付きました。
そして,子供のいない夫婦の割合が増えたことも大きな要因です。
これを解消するのは容易なことではありません。
長期スパンの政策が必要です。
政府は1975年から子供の数が減り始めて以来50年も無駄に税金を投入してきました。
しかし,ほとんど効果が出なかったことを反省するべきです。
思い付きで子育て世帯にお金をばらまいたり,教育費を無償にしても子供は増えませんでした。
上記のことを考えれば,今やるべきことは婚姻数を増やすこと。
そして,子供のいない夫婦の数を減らすことです。
「将来に期待が持てない」という若者の気持ちはよくわかるし,それこそ政府が取り組むべきことです。
ただし,結婚したら現在の生活基準が維持できない,実家にいたほうが楽,教育にお金がかかるという理由で結婚しない,子供を作らないというのは若者の甘えです。
親の教育,学校での教育が間違っていたのです。
ではどうすればよいのか。
今更親を教育することもできませんね。
しかし,このままでは日本の人口がゼロになることは見えています。
すでに2100年には4000万人を切るという推計値も出ています。
これを防ぐためには,能力のある働き盛りの外国人を受け入れて,日本の国を作り直すことを視野に入れるべきかもしれません。
ちょうどこの記事をアップしようと思っていたら,中国が少子化対策の政策を発表しました。
北京共同の発表によれば,「出産や子育て,教育のコストを効果的に引き下げ,出産を尊重する社会の雰囲気を醸成する」という抽象的で中国らしくない政策です。
これは当面のジャブであって,これから本格的なものが出てくるのでしょう。
三人子政策だってやりかねないし,それができてしまう中国は脅威ですね。
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