九州～関西ブルートレイン絶滅

　子供の頃からあこがれの的だったブルートレイン。１９５８年にデビューした２０系あさかぜを起源とするなら、来年で生誕５０周年になる。そんな節目の年、九州～関西を結んでいる寝台特急がすべて廃止されることになった。これで九州ブルトレは、東京発着の「はやぶさ」「富士」を残すのみとなる。

 

　関西発着の九州ブルトレとして最後の存在となった「なは」「あかつき」（京都～鳥栖間併結）。2008年3月に両列車とも廃止が決定した。新幹線などの高速交通網の延伸、格安ビジネスホテルなどに比べ割高感のある寝台料金など、利用が伸び悩んでいる理由はいくつか考えられるが、開放型寝台で旅するスタイル、昨今の日本人の文化にはあわなくなってきているのかもしれない。通路窓下のイスをおろして、ワンカップ片手に外を眺める人の姿は、もうほとんどみられなくなった。

 

　12月21日、3連休前の熊本駅。残り3ヶ月あまりとなった「なは」にて熊本→京都乗車。年末の連休前ということで、ソロは早々に満室。開放寝台も禁煙車は上下段ともほぼ万床。そうはいっても、「なは」単独では４両編成。０系新幹線の4両編成もそうであるが、まるでHOゲージである。（Nゲージなら、もっと長い編成が組める＾＾；）西鹿児島時代の「なは」は通常7両、多客期９両（電源車、機関車除く）。あの頃が懐かしい。。

 

　お～っ！、本日のサービスショット。今はなき「あさかぜ　博多行き」の方向幕。「なは」の方向幕は熊本駅ホーム入線後に車掌さんによってセットされるようである。この他にも懐かしの名優たちの名前がずらり＾＾）。本日の編成は京都側先頭より、ED76　92+(4)オハネフ25 2106（Duet)＋(3)スハネ25 2124(Solo)+(2)オハネ25 124+(1)オハネフ25 156+カニ24 15。九州新幹線熊本駅の工事も順調に進んでいるようで、もと運転区があった場所はすっかり取り壊され、新駅のコンクリートパイルがたくさん並んでいる。

 

　前週にユーロスター攻めをしたこともあり、今回は早々に就寝。うつらうつらしているうちに、ほぼ定刻で京都駅到着。スハネフ１４発電機直上攻撃よりはましだが、やはり寝台車では眠りが浅くなる。発車停止の衝撃がほとんど無いといわれた、黄金の腕を持つ機関士は、もう伝説の世界。というか、ブルートレインそのものが、大宮か弁天町でしかみられなくなる時代も、もうそう遠くはないかもしれない。

 

　京都到着時も、ホーム上で「回送」に方向幕変更。こちらは14系あかつき側だが、あさかぜはじめ、富士　宮崎行きやさくらなど、平成の波にのまれてしまったあこがれの列車たちの名前が残されている。この方向幕も、取り外されて大宮に飾られるのだろうか。

 

　小生ルーツが九州であるため、子供の頃から九州方面寝台列車はよく利用した。そんななかでもA寝台に乗ったのは生涯ただ一度、もう３０年以上前になるが、亡くなった祖母と乗った２レ「さくら」小倉→名古屋。この少年たちが大人になる頃は、日本の鉄道はもっと様変わりしていることだろう。

 

　個人的にも思い出の多い九州ブルトレの全廃。残念な思いでいっぱいである。だが、現役運行車両の外観とは思えない、この悲惨な光景を目の当たりにし、運行する側の事情も察してやらねばと感じた。１９７０年代前半に製造された客車は、通常３０年といわれるその寿命を越えて、いまでも使い続けられている。利用が低迷している現状、新造車両の投入は考えにくく、かといって現行車両をこれ以上改修して使い続けるには限界がきている。唯一可能性があるとすれば、５８５系（！？）サンライズシリーズの増備投入であろうか。電車なら分割併合の作業工数も減らせる。既存２８５系と共通運用にして「サンライズ富士・はやぶさ」なんていかがでしょうか、JR各社殿。新幹線では味わえない、時間と空間を贅沢に使った旅。老鉄になったときの楽しみに残しておいてもらえないだろうか。

　

本年も「taniyan's Logbook」をご愛読いただきありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

 

by taniyan

 

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