とらいさぽーと

先の見えない話

「あと10年後の自分は、家族は、友だちは、どこでどうしているのか」

10代の頃の私はそんなことを考えたことがあっただろうか。。もちろんありません。

思春期の多感な時期は自分のことで精いっぱいです。

10年後の家族や友達のことなど想像し、先々の心積もりなどしようとは思わないでしょう。

憧れや夢、理想の姿、こうなりたい、あんなふうになりたい、

そんな思いと現実の自分との違いに憤りを感じながらも、

自分なりの道を迷いながら歩んでいく、歩んでいくことができるのが10代の力、エネルギーなのだと思います。

十代、二十代、三十代と、変化していく環境や人との関りの中で、

徐々にまわりの状況や自分を客観的に見ることができるようになって、

社会との関係性の中で現実的な将来図が描けるようになるのはそれ以降のことなのかもしれません。

しかし変化していく環境や人との関りの中に自分の居場所がない場合、

先々のことなど考えられるはずもありません。

そういった不安をずっと抱えている人に将来についての話をするのは難しいですし、おこがましいような気がします。

しかし、今の現状からどんな将来図が描けるのか、描きたいのか、想定できるのか、

夢を語ってもらうことはできますし、色々な選択肢について一緒に考えてみることはできます。

不安感の強い人がますます不安になるような将来の話をしていないか。

ついその人のために良かれと思っても、話の内容を相手の置かれている立場になって冷静に考えてみる必要があります。

京都、今熊野観音寺に行く参道。

木々の緑と苔が鮮やかでした。

先のことがだいぶ見えてきたオバチャンは、ボケ防止で有名なこのお寺へ行って、どうかボケまへんように!と祈ります。

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