じんべえ時悠帖Ⅱ

冬は熱燗、純米酒で

 夜半から朝方にかけて関東平野部でも積雪の可能性あり

との予報だったが、気温が約2℃とあまり下がらなかった

せいで雨のままだった。

 今日は日曜日、朝から雪見酒と思っていたが残念無念。

「サンスクリット語(梵語)の「sari」は「米」を意味し、

日本に於いてスシ飯の「シャリ(舎利)」の語源とする説

がある。」

 これは、今年の正月に呑んだ福井県毛利酒造の「紗利」

のラベルに英語で書かれている(裏には日本語でも)。

 京都勤務時代から二十年近くの付き合いがある酒屋さん

が福井出身なので、正月には毎年福井の酒を送ってもらって

呑むことにしている。

 普段は地元埼玉の「神亀(シンカメ)」を燗で呑むのが好み。

戦後の日本で初めて純米酒だけを作り始めた酒造である。

 グレードによって違うが、2年から3年寝かせた純米酒は

旨味と酸味が強い癖のある味で燗酒向きである。「紗利」も

比較的似た味である。

 都内の酒屋を継いだある青年が、神亀酒造の先代の社長の

純米一筋に感銘を受け意気合し、先代の長女に婿入りして後

を継いでいる。

 

 さて、坂川上流散策の続き。大金平大橋の近くの「医王寺」

に向かう。「医」が付くお寺さんは珍しい。

 表通りから小道に入り、このあたりと曲がった正面に石段

が待ち構える。

 上り切って住居や庫裏を回り込んで正面に回ると石門の

小さな境内である。高台にあるから山号は「日照山」。

 石碑が並ぶ一角の「力石」、娯楽のない時代の若者たちの

力試しとして昭和の時代まで使われたと説明される。重さは

三十貫目(約110Kg)という。

 七福神の毘沙門天脇の「カヤ」の木は市の指定記念物。

本堂は決して大きくはない。

 ちょうど洗い物で井戸端に出て来た住職(と思しき)に、

この寺の「医」について問うと、江戸の始め、このあたり

に流行った疫病を鎮めたのが越後から布教に来た一法師。

この寺の開基であるらしい。

 坂川沿いへ戻るため石段を恐る恐る下る。遠くのビル群

は今日のゴール、南流山駅あたりであろう。

 「鰭ヶ崎」は流山市である。今日の坂川、一貫して

流山と松戸の境界線である。

 やがて土手道は「流鉄(流山電鉄)」に突き当たる。

心配した通り、下を潜ることは出来ないので迂回となり、

小金城趾駅の脇の踏切を渡って戻る。

 坂川沿いに戻ると、おっとそうだった「新坂川」が分流

するところでもあった。小金城趾駅から1キロ先の新松戸

から先の「新坂川」は既に歩いている。

 坂川は、その昔「逆川」と呼ばれ度々洪水を起こして

いた。堤防を高くすれば上流の洪水が増え、農民同志の

争いの種であった。

 江戸の始め、代々の庄屋、渡辺仁左衛門が江戸川沿い

の国府台(市川市)までの新坂川の開削を幕府に願い出た

が、死者が出るまでの争いを理由になかなか許可が下り

なかった。三代後の仁左衛門の時にやっと許可が出て開削

された。

 下の赤線が江戸川、青線が坂川と新坂川。中間の右側、

常磐線沿いが「新坂川」である。源流の野々下公園から

江戸川への河口まで16キロの川である。

 坂川に戻り南下を続ける。一貫して送電線が友である。

最後の2キロは次回。

 1月19日、坂川の江戸川への河口(柳原排水機場)の

場所を国府台市と書いたが、今日の上の通り市川市国府台

の間違いである。


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コメント一覧

jinbei1947
えめらるど様
先ほど4か月ぶにの訪問して新年のご挨拶をしました。
永のご無沙汰すいませんでした。
jinbei1947
ワイコマ様
今回は往復で数百メートルの迂回で済みましたが、もっと長いことも
ありますね。
流鉄を利用しない住民には不便この上ないことでしょう。
田んぼの水利権争いは死活問題、新坂川では測量手伝いの農民が下流の
農民たちに殺されたということです。
eme
「居酒屋Love&Peace」をあれから何度か覗いてみましたが、誰にも会えませんでした。ワイコマさんだけは、すれ違いに見えたみたいです。
ykoma1949
昔からの村と村の争いのもとは、大概「水」
その利権は・・今もなお・・そして未来も
普段は何気なく水道をひねれば水が出て
その水で、飲んだり食べたり洗ったり湯に
入ったり・・挙げ句、車までを洗ったり
日本では その水は案外と豊富なんですが
地形が狭く急流なのでとかく争いが多い
流山と松戸の境界付近・・川が土地を大きく
分断して、更に鉄道が地域を分断する・・
歩行者のことなどさらさら気配りなどない
歩行者は、橋や踏切などに遠回りさせられる
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