20年前、朝日新聞の120周年記念事業として行われた
「伊能ウォーク」。きっかけは朝日新聞の熟年層向けの
季刊誌「アサンテ」の創刊。
定年後をどう心豊かに生きるか、その第2号に取り
上げたのが「遅咲きの大輪、伊能忠敬」。しかし、この
季刊誌は採算に乗らずわずか3号で廃刊。
翌年、2号の特集、伊能忠敬の企画編集をした外注先
の代表、佐藤嘉尚が朝日新聞の編集担当を訪れた。
そして「温めている話がある」と言って切り出したのが
伊能忠敬の歩いた道をたどる日本一周ウォークの企画。
朝日新聞編集委員、清水建宇は「頭の中で百ワットの
電球が輝いた」。なんと壮大な話だ!閉塞感に満ちた
今の世の中に清々しい風が吹き込む!
二人はすぐに「日本歩け歩け協会(当時)」の本部へ。
超多忙の木谷専務理事がたまたま在席する僥倖。身を
乗り出して聴いてくれた。
その足で「伊能忠敬研究会」の事務所へ向かうと、
渡辺事務局長は「実は来年、江戸東京博物館で大規模な
伊能忠敬展覧会を計画中」と言う。
その後、俳優座の古賀代表が伊能忠敬の舞台化を検討
しているという話が耳に入った。この三つの話が共鳴し
合えば大きなうねりとなる。
折しも朝日新聞では120周年の記念事業案を募集中。
清水は一日で企画書を書き上げて提出する。数日後、
担当役員から「この企画には華があるね」と聞いた。
たった3号で廃刊になった「アサンテ」の意味は、
スワヒリ語で「ありがとう」。
(「伊能ウォーク全記録」の中の「私の伊能ウォーク」、
清水建宇の「伊能ウォークに、アサンテ!」から)
昨日の江戸川の夜明け
北には久々の筑波山
そして日の出
これは西の空の満月
ゴルフ場には早くも芝刈り機の音が