昨日の明け方は何と二十度もあった。玄関先の寒暖計が
壊れたかと思ったほど。秋口の服装で江戸川の土手へ。
馬鹿ッ風だが「そよ風」とも思える暖かい南風の中で
のんびりと日の出を待った。
そして今朝も十六度、暖かい朝である。が、ズボラして
家のベランダから校庭越しに団地に上がる日の出を見る。
信州弁では面倒くさがることを「ズクナシ」と言う。
さて、坂東二十九番札所の千葉(センヨウ)寺を訪れた後は
木更津駅から約10キロの高蔵寺(高倉観音、三十番札所)
までのウォーキングである。
蘇我駅から内房線で三十分以上かかって木更津へ。五井、
八幡宿、姉ケ崎、袖ケ浦・・・と思ったより遠い。
木更津が始発の久留里線の操作場の先、今日の旅の友で
ある矢那川に出る。ここから1キロほど先で東京湾に注ぐ。
ほぼ、概ね、ほとんど、今日はこの矢那川沿いを歩く。
1キロ半ほどで国道16号線を潜る。川崎からグルっと
回る国道16号は、ここ木更津で東京湾に辿り着く。
(正確には少し海岸を走って隣の君津市に入って終点)
気分転換に対岸(左岸)に渡り運動公園に入ってみる。
青空の下、お年寄りたちがゲートボールに興ずる。
次の小公園でおにぎりの昼食と思って再び右岸に戻るが、
公園に一つだけのベンチは日差しの中の上、お婆ちゃんが
日向ぼっこ中。お邪魔しては悪いと先に進む。
細い流れの矢那川だが、更に細い支流が流れ込むところ、
水中で動く黒いものは何だと見ると、数十センチ級の鯉で
ある。泡が目立つ下水のような流れだが餌になるのか。
小さな原田橋から先には矢那川沿いの道がなくなり、
しばしのお別れとなる。
館山道にぶつかり、その隧道の日陰で立ったままの昼食。
強い日差しで座るよりも日影が嬉しい。
この先はしばらく山裾の長閑な風景が続く。
右手から正面に続く茂みの中を矢那川が流れる。
大きなため池、足音に驚いた水鳥が飛び立って泳ぎ出す。
やがて着いた鎌足小学校。この鎌足は「藤原鎌足」に
由来する。
このあたり矢那郷の長官に子供が出来ず高倉観音に縋る
と一女を授かる。この娘、気は良いが器量が悪く良縁に恵
まれず、再び観音様に縋ると嫁いで男子を授かる。これが
藤原鎌足と言うわけである。
因みに、このあたり矢那の旧地名は鎌足村高倉である。
ワインディングロードの先「かずさアカデミアパーク」
の研究所が見えて来る。矢那川にかかるこの橋を渡れば
高蔵寺(高倉観音)に近いが、今日は近くのホテル泊、
オプションで「矢那川ダム」に上がって見ることにする。
カーブの先、更に続く急坂を見て「失敗したな」と思う
が、もう行くしかない。
10分ほどで上り切って着いた矢那川ダムは、貯水式と
流水式の中間のようなダム。
広い堤頂道路の先、千葉県が作った研究開発団地である
「かずさアカデミアパーク」の建物を一望する。
下流側は広大な公園となっている。
広大なダム風景を見ながら一服休憩するうち、午後2時を
回り高倉観音へと向かう。続きは次回。