寒々しい六義園を出て本郷通り(御成街道)に戻ると間もなく
駒込駅、急に飲食店が増えて来る。このあたりの山手線は切通しを
走るので線路や電車は見えない。
駅舎を過ぎたところに古い「駒込橋」の欄干が一部残される。
上り切った坂が大きく右カーブしながら下り始める「妙義坂」。
西方にある妙義神社が由来という。「やしろへ半丁」の道標や
地蔵尊は見逃してしまった。
右手に滝野川小学校、左手に旧古河庭園の重厚な石塀を見ながら
西ヶ原の交差点を左折。今日は少なくとも「西ヶ原一里塚」を通って、
飛鳥山公園、王子駅までと思っていたが、既に午後4時近く。
予定外の旧古河庭園に寄って、一つ手前の上中里駅から御徒町へ
向かうことにする。旧古河庭園の土地は陸奥宗光の邸宅だったが、
宗光の次男が古河家の養子となったことから古河家の所有に。
当時の建物は現存しないが、鹿鳴館やニコライ堂などを手掛けた
英国人建築家ジョサイア・コンドル設計の洋館、洋風庭園と京都の
庭師、植治こと小川治兵衛による日本庭園の両方を楽しめる。
あいにく洋館は改修中なので、谷底に配置された日本庭園を散策。
ここも都営なので150円の入園料がシニア割引の70円。日本庭園は
「心」の草書体を形どったという「心字池」の畔を巡る回遊式。
見上げる洋館の外壁は、赤みを帯びた真鶴産の新小松石。
雨に濡れると「落ち着いた色調」を醸すというが赤味が出る
のだろうか。
美術館にもなっているこの洋館には、洋風庭園のバラの季節に
是非再訪してみよう。
平塚神社脇の坂を下り、切り通し(谷底)の上中里駅へ着くと
ちょうど電車が着く。時に午後4時半、御徒町駅前で5時からの
新年会に何とか間に合う。