ヒョウ柄の上着を着てあちこち飛び回る「スーパー公務員」。
福岡県大刀洗(タチアライ)町の地域振興課長、村田まみ氏である。
町役場の職員暦30年、その前半は税務課や住民課の女子職員
として、10時、正午、3時に男性職員にお茶を入れ、灰皿を清掃
する時代。
15年前、生涯学習課に移り成人式を担当したのが転機だった。
覇気のない新成人の実行委員たちから「中学時代の給食が食べ
たい」を引き出し実現、好評を得た。仕事の楽しさを覚えた。
同じ頃、民間の経営者出身の安丸町長が就任し町役場が激変。
とにかくスピード感が違う。指示を受け自分の机に戻った途端
「どうなった」と訊かれるほど。
自分も変わらなければと奮闘した。人口1万6千の大刀洗は
野菜の町、朝採れ野菜を車で福岡市の中心街に運び、「太刀洗
野菜マルシェ」を始めると常連客がついた。
全国町村物産展で大刀洗町をPRしようとヒョウ柄の上着を
着て以降トレードマークになった。脱線しているとも見えるが、
町や住民ためという軸がぶれない。公務員の本道を行っている
と評され、その行動力は「スーパー公務員」と呼ばれる。
大刀洗町の管理職14人のうち女性は6人。失敗を避けようと
事前根回しの男性と違い、「やりましょう」とまず動き出す。
だから大刀洗町では面白い試みが次々と湧いてくる。
公務員の可能性を少しでも広げようと飛び回る五十歳である。
(5/20朝日土曜版「フロントランナー」から)
一昨日は「一日シトシト」の雨