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北朝鮮の反体制派「自由朝鮮」が独裁打倒を本格化、ビザ発給を開始

2019-04-08 21:33:29 | 北朝鮮

北朝鮮の反体制派「自由朝鮮」が独裁打倒を本格化、ビザ発給を開始

2019年4月8日(月)11時30分   Newsweek
 

自由朝鮮の動画では、女性闘士が臨時政府の樹立を宣言し、現体制の弾圧を批判 FREE JOSEON/YOUTUBE


<殺害された金正男の息子を保護したと主張していた謎のグループが、ブロックチェーンビザを発給。

スペインの北朝鮮大使館襲撃にも関与している?>


北朝鮮の反体制派を自称するグループが、「解放後」の北朝鮮に滞在できるブロックチェーンビザの

発給を開始したが、申請が殺到してサーバーがダウンする騒ぎになっている。


このグループはかつては「千里馬市民防衛」と名乗っていたが、現在は「自由朝鮮」に改称して

インターネット上で臨時政府の樹立を宣言している。


自由朝鮮は公式サイトで「解放後のわが国を訪問できる匿名のブロックチェーンビザを限定で

20万枚発給する」と発表した。このビザは、創始を意味するgenesis の頭文字を取って、

Gビザと呼ばれ、仮想通貨イーサリアムで購入できる。


しかし発表直後の3月24日には公式サイトに「Gビザの登録を扱うサーバーが未曽有の通信量に

よるネット渋滞に陥り、設備増設のため韓国標準時の午前9時(米国東部標準時の午後8時)まで

12時間受け付けを停止する」との告知が出た。


公式サイトは「Gビザは投機的なトークン(代用貨幣)ではない」と述べ、「若い番号のGビザ

入手にこだわらないのなら、明日まで申請を待ってほしい」と、支持者に訴えた。


既に数十枚が販売され、オークションで高値で取引されていると、テクノロジー系メディアが

伝えている。


自由朝鮮はインターネット上の公式サイトとYouTubeの公式アカウントがあるだけで、実態は

ほとんど分かっていない。


千里馬市民防衛と名乗っていた時期に北朝鮮の反体制派としてメディアの注目を引いたことがある。

北朝鮮の最高指導者・金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の異母兄に当たる金正男

(キム・ジョンナム)が2017年 2月、マレーシアの空港で殺害された事件は記憶に新しいが、

この組織は翌月その長男の金(キム)ハンソルとみられる男性の動画を公開。

「金正男氏の遺族から脱出と保護の緊急要請」があり、われわれはそれに応じたと発表した。


これがこのグループの最初のメッセージで、その後も散発的に北朝鮮からの「救出」を報告

していた。今年に入ってからはネット上で金正恩体制打倒のメッセージを盛んに打ち出すようになり、

このところ米メディアもその活動を報じている。


米情報機関とつながりも

自由朝鮮はビザ発給に先立つ21日未明、神格化されたかつての指導者、金日成(キム・イルソン)

とその息子の金正日(キム・ジョンイル)の肖像画を、北朝鮮人とされる男が「わが祖国の土」に

たたきつける動画を公開した。


ただし、これが本当に北朝鮮で撮影されたものかどうかは「疑わしい」と、脱北者の元軍人が

香港紙サウスチャイナ・モーニングポストに語っている。

 

今年2月、スペインの首都マドリードの北朝鮮大使館に男らが白昼に押し入り、大使館員を縛って

携帯電話とコンピューターを奪って逃走する事件が起きた。米ワシントン・ポスト紙は襲撃に

関与したとされる匿名の人物の話に基づき、一味は自由朝鮮とつながりがあると伝えた。


スペインのメディアによると、襲撃に加わった容疑者10人のうち、少なくとも2人は米情報機関と

直接的なつながりがあるという。襲撃が起きたのは、ベトナムの首都ハノイで開催された2度目の

米朝首脳会談の1週間前だが、一味の襲撃が会談と関わりがあるかは不明だ。


会談は物別れに終わったが、トランプ米大統領は金正恩に秋波を送り続けている。北朝鮮の

制裁逃れに絡む中国の海運企業2社が対象とされる追加制裁を撤回したのも「金委員長が好き」

だからだと、ホワイトハウスは説明している。

<Newsweek 2019年4月9日号掲載>