残留農薬ランキング 最悪はイチゴ、安全の筆頭はアボカド
2018.04.16 Mon posted at 18:16 JST CNN
(CNN) 環境保護団体が行った果物と野菜の残留農薬調査で、最も残留量が多い農産物として、前年までに続いて今年もイチゴが筆頭に挙がった。
非営利の環境保護団体、環境ワーキンググループ(EWG)は2004年以来毎年、消費量の多い果物と野菜47品目の残留農薬を調べ、
ランキングをまとめている。
農薬の成分には、殺虫剤や除草剤、防かび剤、殺鼠(さっそ)剤といったさまざまな化学物質が含まれる。
残留農薬が多いワースト12品目の今年のランキングは、イチゴを筆頭に、ホウレンソウ、ネクタリン、リンゴ、ブドウ、モモ、サクランボ、ナシ、
トマト、セロリ、ジャガイモ、パプリカ・ピーマンの順だった。この12品目はいずれも、他の野菜や果物に比べて高い値の残留農薬が検出された。
EWGによれば、残留農薬は非オーガニックの農産物サンプルのうち、ほぼ70%から検出されたという。
EWGの調査では、米農務省と食品医薬品局が実施した非オーガニックの農産物約3万8800点のサンプル検査をもとに、残留農薬が検出された
平均数や残留していた農薬の平均量を調べた。
農務省のサンプル検査は、消費する時と同じように洗ったり皮をむいたりした状態で実施している。
イチゴの場合、1つのサンプルから20種類もの殺虫剤が検出されたという。イチゴとホウレンソウ、モモ、ネクタリン、サクランボ、リンゴは、
サンプルの98%以上で、少なくとも1種類の農薬が残留していた。平均すると、ホウレンソウの残留農薬は他の農産物に比べて1.8倍に上った。
今
年のワースト12品目のランキングには、「おまけ」として13番目にトウガラシが加わっている。トウガラシからは、人の神経系に対して有害性のある
殺虫剤が検出されたという。
EWGによれば、特に子どもは大人に比べて農薬の影響を受けやすい。2012年の小児学会誌に発表された論文では、農薬が神経発達問題や行動問題、
先天性疾患、ぜんそく、がんといった慢性疾患の原因になる可能性を指摘していた。
別の研究では、母親を通じて農薬にさらされる胎児にとっての有害性も指摘されている。
残留農薬の多い果物や野菜は、オーガニック製品を選んだ方がいいとEWGはアドバイスする。
一方、残留農薬が少ない15品目のランキングは、アボカドがトップだった。以下、トウモロコシ、パイナップル、キャベツ、タマネギ、
冷凍グリーンピース、パパイヤ、アスパラガス、マンゴー、ナス、ハニーデューメロン、キウイ、マスクメロン、カリフラワー、ブロッコリーの
順となっている。
アボカドとトウモロコシは、サンプル検査で残留農薬が検出された割合が1%に満たなかった。パイナップル、パパイヤ、アスパラガス、キャベツ、
タマネギは、サンプルの80%以上で残留農薬が検出されなかった。
ただ、米国で市販されているトウモロコシやパパイヤなどは、遺伝子組み換え種子を使ったものが少量出回っているという。遺伝子組み換え産品を
避けたければ、やはりオーガニックを選んだ方がいいとEWGは指南している。
この調査は米国のですが農薬大国日本も大いに参考になります。