「日本は戦犯国家だから」と強弁。少女像の横に『徴用工の像』計画
Apr 29, 2017 ホウドウキョク
韓国の市民団体は28日、ソウルの日本大使館前や、釜山の総領事館前の慰安婦像の横など、国内3カ所に「徴用工」
の像を設置する計画を明らかにした。「徴用工」は、日本の植民地時代に朝鮮半島から徴用された労働者で、「強制徴
用」されたとする韓国人や遺族が、日本企業を相手取って損害賠償請求訴訟を起こしている。
市民団体の事務総長は「少女像と労働者像は1つです。離して考えてはいけない」と話し、2017年8月15日に「徴用工
の像」を設置することを目指している。大使館や総領事館の前に像を設置することは、在外公館の「安寧の妨害と威厳
の侵害を防止する」としたウィーン条約に抵触しているが、市民団体は「国際条約に違反することはありえない。なぜ
なら(日本は)戦犯国家だから」だと説明している。
菅官房長官は、28日の記者会見で、「日韓関係に好ましくない影響を与える」と述べ、不快感を示した。そのうえで、「外
交関係に関するウィーン条約の規定に照らしても、極めて問題である」と述べ、韓国側に適切な対応をとるよう強く申し
入れたことを明らかにした。「民間人徴用工問題を含む、日本と韓国の間の財産請求権の問題は、日韓請求権・経済協
力協定により、完全に、かつ最終的に解決済みだ」と強調した。日韓関係の新たな火種となるとみられる。
韓国では、ソウルの日本大使館前に続き、2016年12月末に釜山の日本総領事館前にも少女像が違法に設置された。
2015年12月28日に日韓外相会談で「韓国政府がソウルの日本大使館前の慰安婦像の撤去について、『関連団体と
協議して適切な解決に向け努力する』」と合意がなされたにも関わらず強行された新たな少女像の設置。
撤去を求める日本政府に対し、韓国側が具体的な動きを見せなかったことから、大使の一時帰国など対抗措置をとった
が、北朝鮮問題の対応のために進展がないまま約3か月で帰任した。
それだけではない。今年1月には、韓国・京畿道の議員団が「少女像」を、島根県の竹島に設置するための募金活動を
始めた。竹島は日本固有の領土だが、韓国が不法占拠を続けている。議員団によると、まず今年前半に少女像1体を
議会に設置し、もう1体を12月14日、竹島に設置する計画だという。2011年12月14日にソウルの日本大使館前に少
女像が設置されたのにちなんだ日付だ。
日韓合意は「最終的かつ不可逆的な解決」とされ、その後に行なわれた安倍首相と朴槿恵大統領の電話会談でも、合
意を誠実に履行していく方針が確認されている。北朝鮮問題などに対処するため、日韓の連携は不可欠だが、これらの
計画が進めば、日韓関係のさらなる冷え込みは避けられない。