日本のミサイル迎撃計画に隠された意図 射程400キロのミサイル導入の可能性も
報道によると、小野寺防衛相は10日、ハワイのカウアイ島にある施設「イージス・アショア」を視察した際、このシステムの
日本への導入にあたっては、朝鮮の弾道ミサイルに対する防衛に限らず、将来的に巡航ミサイルの迎撃への活用など機能を拡大したい
との考えを示した。小野寺防衛相は、「巡航ミサイルやさまざまなミサイル防衛に総合的に役立つ基礎的なインフラに今後発展させた
い」と述べた。報道によると、この発言は、長距離巡航ミサイルを多数保有する中国への抑止力を念頭に置いたものと考えられる。
日本防衛省は、「イージス・アショア」をまずは弾道ミサイル防衛体制の強化措置として2023年度に運用開始する計画だ。
日本政府は、昨年12月の閣議で「イージス・アショア」2基の導入を決定した。1基当たりの導入費用は1000億円(約58億元)に
及ぶ見通しで、陸上自衛隊が運用する。日米両国が共同開発した改良型迎撃ミサイル「SM-3 BLOCK 2A」が搭載されれば、
同システム2基で日本全域を守れるようになる。
中国の専門家はこれに対し、「イージス・アショア」を用いて巡航ミサイルを迎撃するということは、日本がこのシステムに向けて
計画外の「SM-6」防空ミサイルを配備することを意味すると分析している。このシステムに現在配備されている「SM-3」シリーズの
弾道弾迎撃ミサイルは中距離ミサイルの迎撃に用いられ、大気圏外を飛行する弾道ミサイルしか迎撃できない。同迎撃ミサイルには
赤外線シーカーが採用され、また飛行速度が速すぎるため、大気圏を飛行する際には、空力加熱が起き、目標を有効に見つけることが
できなくなる。このため「イージス・アショア」で巡航ミサイルを迎撃するには、低空での性能の比較的良い「SM-2」シリーズか、
より進んだ迎撃ミサイル「SM-6」を配備する必要がある。
「SM-2」は技術的に比較的後れていることから、発展という観点から見れば、日本は「SM-6」を導入する可能性が高い。
日本が「SM-6」を導入するという話は根拠のないものではない。米メディアはこれまで繰り返し、「SM-6」は「イージス・アショア」
に適しているとの分析を報じている。この種の迎撃ミサイルの最大射程は400キロメートルに達し、F-35などのステルスプラット
フォームと連携し、超水平線(OTH)で巡航ミサイルを迎撃する能力を備え、400キロメートルの最大射程の強みを十分に発揮する
ことができる。「SM-6」はさらに、「パトリオット-3」に劣らない大気圏内での中距離弾道ミサイル迎撃能力を持つ。
「イージス・アショア」はこれにより、やって来た弾道ミサイルに対して少なくとも二重の迎撃を行うことができるようになり、
迎撃效果は大きく高まる。
また「イージス・アショア」の垂直発射装置は互換性が高く、日本への導入が伝えられている巡航ミサイル「トマホーク」も
「イージス・アショア」の垂直発射装置内に統合し、「イージス・アショア」を攻撃と防衛を兼ねた戦闘のための要塞とすることが
できる。
日本、「イージス・アショア」や新ミサイル導入で防衛力強化へ。安倍首相
日本政府は、北朝鮮の挑発行動に関連して安全保障環境が緊迫する中、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」や、
敵の射程外から発射できる新たなミサイルを導入し、国の防衛力を強化する方針。22日、安倍首相が施政方針演説で述べた。
安倍首相は「イージス・アショア、スタンド・オフ・ミサイルを導入するなど、わが国の防衛力を強化する」とし、
また「専守防衛は大前提としながら、従来の延長線上ではなく国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていく」と
述べた。日本のマスコミが報じた。