安保理、北朝鮮制裁決議を全会一致で採択 石油輸出に上限
2017年9月12日 8:28 発信地:国連本部/米国 AFP
【9月12日 AFP】(更新、写真追加)国連安全保障理事会(UN Security Council)は11日(日本時間12日)、6回目の核実験を
強行した北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮製の繊維製品の輸出禁止や、北朝鮮への石油製品の
輸出制限などが盛り込まれている。
決議は米国が作成し、中国とロシアも支持した。米国は当初、北朝鮮に対する原油の全面禁輸や、金正恩(キム・ジョンウン、
Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の在外資産凍結などを求めていたが、中国とロシアの支持を得るため譲歩した。
新たな決議では、北朝鮮への天然ガス液の禁輸なども科したほか、原油については現状の供給レベルを上限とした。
また各国に対し、北朝鮮労働者に新たな就労許可を与えることも禁止した。また北朝鮮労働者の既存の労働契約の終了日に
ついて各国に報告を求め、この就労制度を段階的に廃止させることも目指す。
現在、国外で働く北朝鮮労働者は約9万3000人いるとされ、北朝鮮にとって核・ミサイル開発のための外貨収入源となっている。
安保理は1か月前、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を受けて、北朝鮮による石炭や鉛、海産物の輸出も
禁じている。
韓国政府は声明を出し、新たな決議は北朝鮮に「挑発行為を続けても外交的孤立を深め、経済的圧力を強めるだけだと重大な
警告」をしたと歓迎。「北朝鮮は自国の安全と経済発展が保障されるには非核化するしかないと理解しなくてはならない」と述べた。
米ニューヨークの国連本部で行われた、国連安全保障理事会の会合での採決で挙手する米国のニッキー・ヘイリー国連大使(手前、2017年9月11日撮影)
米ニューヨークの国連本部で行われた、国連安全保障理事会の会合で発言する日本の別所浩郎・国連大使(中央、2017年9月11日撮影)
米ニューヨークの国連本部で行われた、国連安全保障理事会の会合に出席した中国の劉結一・国連大使(左、2017年9月11日撮影)