【ソウル】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄で2017年2月に
マレーシアで殺害された金正男(ジョンナム)氏の息子、金ハンソル氏が、自らの救出を助けたとして、
正恩体制の打倒を掲げる組織「自由朝鮮」の中心人物で、在スペイン北朝鮮大使館襲撃事件で
国際手配されているアドリアン・ホン・チャン容疑者に「謝意」を示していたことが分かった。
韓国のテレビ局「チャンネルA」が29日までに自由朝鮮から入手したとして、ハンソル氏が
「アドリアンに心から感謝する」と語る動画を公開した。
ハンソル氏一家は正男氏殺害後、中国マカオから安全な場所に脱出。自由朝鮮の前身組織が
17年3月にハンソル氏が「父が殺された」と語る同じ動画を公開したが、「アドリアン」に
言及する部分は音声が消されていた。
自由朝鮮はチャンネルAに「ここ10年、世界各地に拠点を作った国際的組織のわれわれに
ハンソル氏の差し迫った救助要請が最初に伝えられた」と主張した。動画公開は、当局に追われる
身となったホン・チャン容疑者の活動を正当化し、援護する狙いとみられる。
韓国の脱北者団体代表によると、ホン・チャン容疑者は昨年、ハンソル氏一家の脱出の
「最初から最後まで付き添った」と述べ、一家は米国で暮らしていると説明していた。