北朝鮮が弾道ミサイルを発射、日本のEEZに落下か 75日ぶり、米本土達する射程1万キロ超のICBMの可能性
2017.11.29 06:54 産経新聞
【ソウル ワシントン】北朝鮮は日本時間の29日午前3時18分ごろ、首都、平壌近郊の平安南道平城付近から弾道ミサイル1発を
発射した。日本政府によると、青森県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下したと推定される。韓国軍などによると、
約50分間、約1000キロを飛行し、最高高度は約4500キロに達した。米国防総省は、初期段階の分析として、大陸間弾道
ミサイル(ICBM)とみられるとの見方を示した。
高角度で打ち上げ、飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で発射したとみられ、高度はこれまでで最高。今回のミサイルについて、
米軍備管理専門家のデービッド・ライト氏は28日、通常軌道で発射された場合の飛距離は1万3000キロ以上に達し、
ワシントンを含む米全土を射程に収められるとの分析を明らかにした。
北朝鮮による弾道ミサイルの発射は9月15日に中距離弾道ミサイル「火星12」を日本列島上空を通過する形で太平洋に向けて
発射して以来、75日ぶり。トランプ米大統領が11月20日に北朝鮮のテロ支援国家再指定を発表したのに対抗し、核・ミサイル
開発を継続する意思を示した形だ。
トランプ氏は28日、記者団に対し、北朝鮮のミサイル発射に関し、「(米国として)事態に対処していく」と述べた。
今回の発射で北朝鮮への政権の取り組みは「一切変わらない」とし、引き続き圧力を加える立場を強調した。
菅義偉官房長官は29日未明の記者会見で「度重なる挑発行為を断じて容認できない」と非難し、北朝鮮に対し、厳重に抗議した
ことを明らかにした。韓国軍は対抗措置として、北朝鮮による発射から約6分後に日本海へ向けミサイルを発射する軍事訓練を
実施した。